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2024年01月31日06:00

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「ゴールデンカムイ」感想

 これは、明治末期の北海道を舞台にアイヌの埋蔵金を巡るサバイバル・アクションを描く、野田サトルの大人気コミックを実写映画化したもの。
 出演は、「キングダム」シリーズを始め、コミック実写化となったらこの人、とでも言うべき山崎賢人。共演は、「山女」の山田杏奈。監督は、「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭。

 明治末期、日露戦争終結後の北海道。激戦地だった二〇三高地で戦い抜き“不死身の杉元”の異名を持つ杉元佐一は、ある目的のために北海道で砂金採りに没頭していた。そこで杉元は、ある男がアイヌ民族から莫大な金塊を強奪し、秘密の場所に隠したことを知る。囚人となった男は、金塊の在処を記した暗号を刺青として体に彫った24人の囚人を脱獄させた。24人全員で金塊の在処を示す地図になるのだと言う――
 杉元は、山中で、ヒグマに襲われた所をアイヌの少女アシリパに助けられ、彼女にアイヌの金塊奪還の話を持ちかける。
 一方、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見中尉も同じく金塊を狙っていた。更に、戊辰戦争で戦死したはずの新撰組“鬼の副長”こと土方歳三もまた、自らの野望を実現するために金塊を探していた。杉元とアシリパ、第七師団、土方歳三による、アイヌの金塊を狙う三つ巴の争いが始まった……

 原作コミックは未読。予備知識もなく見始めたが、これは面白い。
 原作を読んでいないので比較は出来ないが、再現度はなかなかのものらしいし、実際に北海道の雪山で撮影した映像は美しく、雄大だ。セット撮影中心で、雪山のシーンなのに息さえ白くなっていない、と言うような白けさせるシーンは殆どなく、主演の山崎賢人自身、スタントを使わず雪の中で川に飛び込むなど気合十分、これは力の入った実写化作品だと思う。
 また、山田安奈演じるアシリパは、衣装の刺繍や装備類など、映画のゲジェットではなくリアルに再現しているそうで、その準備には1年を要したのだとか……アイヌ文化へのリスペクトも感じるし、異文化交流を時にコミカルにもしつつ描いているのもいい。
 特筆すべきは、食事シーンで、蘊蓄から食レポまでまるでグルメ番組のようなシーンもあって楽しめる……そして、これもまた異文化交流なのだ。
 アクションの方は、「High&Low」の監督らしく、パルクール的なアクションが目を引く。また、流血や人体破壊シーンあれど、描写を抑えてR指定を回避しているのも特筆に値するだろう。
 ただ、後半のソリの上での戦いはいささか冗長に感じたし、ヒグマとの戦いは、ヒグマがCGで描かれたのが見え見れとなるシーンもあって、ここは何とかならなかったのか、と思ったが……
 
 物語は原作で言うと、3巻の途中くらいまでだ、と言う――劇場では上映後に「まだ始まってもいない」と言う声が上がったように、キャラクター紹介と状況説明が終わった所、だろうか?コミックスは全31巻なので、この調子で原作通りに進めて行ったら映画10本は作らないとならない。
 映画の最後には次作プレビューもあり、撮影は進んでいるようだが、何処まで映画にする事になるのだろうか……リブートを繰り返すアメコミに対し、日本のコミックスはストーリー性が強い上に大長編化する傾向がある。映画化には厳しい題材だ。たっぷりお金をかけて映画数本を作り、あとは製作費を抑えながら配信ドラマとするか(「沈黙の艦隊」はこうなりそう)、切りのいいところで打ち切るか(「キングダム」は間違いなくこれ)、今後の展開にも注目だ。
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