<ストーリー>
日露戦争から2年後、203高地の英雄杉本佐一は北海道で砂金取りに挑んでいたが、そこで知り合った男から奪われたアイヌの黄金の話を聞く。網走刑務所から脱獄した24人の囚人にその財宝のありかが入れ墨されているというのだ・・・
<コメント>
物語がメチャクチャ面白いことはもう誰でも知っている。キャラクター立ちがすごいことは原作ファンなら周知の事実だ。では、それをうまく映像化して、しかも1本の映画として成立させられるか?結論から言うと非常に見事に成功しているのだ。
まず、冒頭がかなりの尺を使って203高地の戦闘が丹念に描かれる。原作ではわずかなシーンだが、これは全く正しい。この激戦がきちんと描かれないと杉本の不死身さや、鶴見中尉と彼に従う第七師団の隊員たちの怨念の深さが伝わりにくいし、一見無茶なキャラクターたちがすんなり受け入れにくいのだ。さらに、話のスケールは大きいのに、舞台が雪原と小樽周辺だけなので画面のスケールが小さく感じられてしまう。それが冒頭の莫大な数の兵士たちが無残に散っていくシーンのあることで、それ以後が気にならなくなってしまう。
ストーリー的には莫大な原作の十分の一くらいでいわゆる主要登場人物がそろい始めるあたりだけれども、三つ巴の黄金争奪戦のチーム分けが描かれて、杉本とアシリパのパートナーシップも成立するというこのあたりで切ることで映画として起承転結が出来て一応パート1として完結している。
いやもうこの続きが楽しみで仕方がない。
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