mixiユーザー(id:20452152)

2024年01月21日08:30

9 view

グラスアートの展覧会,是非勉強のためにお邪魔して知識を深めたいと思います

 これは僕の全く知らない事柄でした。是非実際に展示作品を鑑賞して勉強し,知識を深めたいと思います。

 ガラスを用いた美術作品というのは古来珍しいものではありません。そもそもガラスは古代メソポタミアで発明されるや早速工芸品の素材に使われ始め,続く古代エジプトでは宝石の一種として扱われたのみか「溶かして形を変えられる珍しい宝石」として当時の美術家たちから大いに珍重されました。その伝統は古代ローマにも引き継がれ,シャボン玉と同様の方法で作品を作る「吹き」の技法や型に吹き込んで成形と装飾とを同時に行える「型吹き」の技法の発明と相俟って数多くの作品が制作されています。ローマでは高級品とともに既に日用品としてもガラス工芸作品が製造使用されていたとも言われていますね。また中世になるとヨーロッパではステンドグラスが盛んに制作され,キリスト教の教会などに頻繁に用いられたのも皆様よくご存じのとおりです。

 そのような歴史については僕もたまたま知っていたので,今回,茨城県陶芸美術館で「グラスアート黎明期の各国の作品を紹介する企画展」が開催されているというこちらの茨城新聞の記事を見た際も最初「古代の工芸品が展示されているのだろう」とばかり思っておりました。何しろガラス工芸には古代メソポタミア以来の伝統があり,その「黎明期」の作品を紹介するというのですから。しかし記事の内容を詳しく読み始めると「20世紀後半のグラスアート黎明期」とあり,どうやらそうではないらしいことに気付かされます。更に記事を読んでいくと「ガラスは当初、主に工業製品として扱われていたが、1960年代ごろから作家が独自の表現を追究する素材として着目され始め、『グラスアート』が誕生した」という記載があり,どうやら僕はグラスアートという言葉の意味自体を全く誤解していたようだということが理解出来ました。グラスアートというのは単にガラスを用いた美術作品という意味ではなく,第二次世界大戦後の美術家たちが独自の表現をする為の素材としてガラスを用いて制作した作品のことを指すのですね。実際,こちらの展覧会に出展されているのは米国のハーヴェイ・K・リトルトン氏の作品「ブルー・スプレー」「ルビー・スプレー」,もともと国家的にガラスによる芸術を重視していた伝統を持つ旧チェコスロヴァキアのスタニスラフ・リベンスキー氏と妻のヤロスラヴァ・ブリフトヴァ氏とによる夫婦合作「ヘッド・クィーン」,日本の故・藤田喬平氏の作品で琳派に影響を受けた作品群「飾筥」などなど,いずれも第二次世界大戦後の作品のようです。

 もっとも,グラスアートというのはガラスを素材として第二次世界大戦後に制作された美術作品のことではあっても,過去の伝統と全く無縁の存在というわけではないようです。こちらの展覧会でも「アール・ヌーボー盛期に優美で華やかなガラス作品で名声を得たボヘミアのレッツ工房の作品も並べられている」ということです。アール・ヌーヴォーというのは19世紀末から20世紀初頭にかけての美術運動で第二次世界大戦後のものでは全くありませんが,同じ展覧会内でともに飾られるということは,やはりグラスアートの源流であるからと考えるのが自然でしょう。そういえば先に「旧チェコスロヴァキアは国家的にガラスによる芸術を重視していた」ということを申しましたが,ボヘミアというのはチェコの一地方であり,そうしたアール・ヌーヴォー等の優れた伝統があるからこそ旧チェコスロヴァキア政府もガラス芸術を重視していたのだと推測するのが合理的というものでしょうね。

 いずれにせよ,茨城県陶芸美術館で2024(令和6)年4月7日まで開催中のこちらの展覧会「グラスアート・ライジング 藤田喬平、リトルトン、リベンスキーと世界の作家」,僕としては何としても足を運ぶべきものだと考えております。優れた美術作品に触れるためというのも勿論ですが,何よりも勉強のためにお邪魔したい。そもそも僕は「グラスアート」とは何であるかも知らぬほどの無知であることが判明したのですから。僕の無知ぶりは「モダンアートというのはモダンなアートのこと」「油絵というのは油で描いた絵のこと」などと言っているのと同レベルの代物で我がことながら失笑を禁じ得ず,これほどのお馬鹿さんぶりを放置しておくというのは言語道断の所業と言わざるを得ません。何としても早いうちに展示作品を鑑賞して勉強し,知識を深めたいと願われてなりません。



グラスアートの興隆紹介 茨城・笠間の県陶芸美術館 黎明期、多彩な102点
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=17047196403155
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年01月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031