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2024年01月05日23:08
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ヒビノキ854（12月31日〜01月06日までの１週間／週前半）
2023/12/31〜2024/12/06までの日曜日〜水曜日の週前半の日記です。
■2023/12/31/日
30日（土）の午前から地元でオフライン・セッション――。『LANCER/ランサー（未訳）』のGMをやらせてもらいました。参加したメンバーは、正月の休み早々、午前から集合してもらってありがとうございました。
https:/
itch.ioを代表するロボットTRPGだけはあってよくできてる。ただ、メックバトル以外のシナリオ部分は「ナラティブ的物語構成」と表現しながら普通。外部で回す場合、もうちょっと翻訳が必要だがそれほど時間はかからない。
※無料版（https:/
●登場キャラクター（50音順）
▼PC� ．轡腑Ε献蹈ΑΕ皀船泥� NHP専門家
『LANCER』世界における人工知能NHPsに関る技術軍人。機体に搭載したタレットドローンで戦う。シナリオでは情報収集と電子解析担当。
▼PC�◆．妊�ルト・シャベス 僧侶
クリスチャン。遺失した地球の唯一神教の復活をめざす。機体が携帯する展開式重遮蔽には当然十字模様を刻む。シナリオでは交渉担当。
▼PC�� バンガバナン 兵士
肉体の大半を機械に換装した遠方惑星の戦士（設定）。煙幕装備を展開しながら相手に近接して重斧で機体を叩く。シナリオでは探索担当。
●プレイの内容
（１）
『LANCER/ランサー（未訳）（以下“LANCER”）』は、アメリカのitch.io*1のコミニュティから誕生したロボットTRPGだ。はるかな未来。ユニオン5016。*2宇宙に進出した人類は数兆の人々を抱え繁栄していた。PCは、この時代の様々な分野――労働から戦争にまで使用されるメック（ロボット）を操る傭兵ランサー*3だ。新作と未訳作品の通例どおりに、感想では、ゲームプレイではなく、作品の紹介を中心に記す。*4
当日は、 itch.ioで配布しているチュートリアルを意識したアドベンチャー「デリオスの墓標」*5をプレイさせてもらった。ある惑星で消息を絶つ調査隊の捜索へと向ったPC。その惑星で調査隊は、人類の宇宙拡散初期に入植した先史文明の痕跡を発見した。*6PCは最終段階で、貴重な情報を保存した記録媒体と、リーダーの博士を救出する目的でライバル企業のランサーとメックバトルを行う。
（２）
感想は「パイロット作成／メック作成」「判定」「戦闘」「物語」「評価」の順番で記す。最初は「キャラクター作成」。まず傾向から。ロボット作品のキャラクター作成は大抵が複雑で煩雑だ。*7本作は新世代／新時代のTRPGにふさわしく、その手間を大幅に緩和する。パイロットの能力は「背景」「タレント」「装備」以外は固定。*8メックも「機体」「兵装」「特殊能力」の決定をするだけだ。*9。
キャラクター作成時点にPCは、 ゼネラル・マッシブ・システム（以下“GMS”）のエヴェレスト*10 の名の機体だけしか使用できない。『LANCER』の代表的なメックメーカーはGMS以外に４社存在し、*11 それぞれ特徴あるメックを展開している。 極限まで進化した科学の恩恵で魔法のような能力を持つメックもある。*12 なおすべてのメックデザイン日本のロボットアニメライクである。*13 （３）上段に続く。
（３）
そのメックを操縦する本作のパイロットはメックの添え物ではない。*14 パイロットはナラティブ形式の本作のシナリオを進行する重要な役割を担う。*15 作品の世界設定において、ランサーの担当分野は、遺跡発掘、惑星調査、潜入、要人救出など多岐に渡る。*16 パイロットが単身で行う冒険と活躍も重要だ。本作はロボットと一緒に冒険を行うTRPG。この紹介は（６）上段で簡単に紹介する。
２番目は「判定」。『LANCER』で使用するダイスＤ20とＤ６だ。*17 判定は基本的に1D20の出目が10以上なら成功。対抗判定なら相手のダイスロールの結果や能力値を目標にロールを行う。このときPCは、自身／相手の能力、搭乗するメカの特性、様々な状況の有利／不利で、＋と−のＤ６ボーナスダイス（以下“BD”）を得る。＋BDは＋1D６。−BDは−1D６だ。なおBDは複数発生する。（４）上段に続く。
（４）
1D20 ± BDが発生したとき、ダイスロールの結果は、すべて合計しない、BDの最も高い出目を採用して1D20に加算する。*18 1D20 ＋ 3D６の結果が16 ＋ １、３、６だったならば、この判定の達成値は「22」だ。BDは打ち消し合う。たとえば＋DBと−DBが同時に１つ発生しているなら1D20のみロールする。達成値が20以上の場合はクリティカルだ。通常でも戦闘でも特殊な効果が発生する。*19
３番目は「戦闘」。「戦闘」は『LANCER』の主要要素だ。グリッド／ヘックスを使用する戦闘は、基本的にメックが持つ兵装で近接攻撃／遠隔攻撃を繰り返す。*20 メックは各機体ごとに特殊能力や特殊兵装を持つ。*21 （２）の下段で解説しているように、作成時点のキャラクターはGMSのエヴェレストしか搭乗できない。 だがエヴェレストも様々な兵装を選択して任意の装備を組み込める。*22 （５）上段へ続く。
（５）
たとえばPL／PCは、今回、タレット、*23 煙幕地雷、*24 開型型防護用遮蔽*25 を組み込んだ。防御陣地を設営。射線に突入した対象をタレットで射撃。煙幕地雷を踏む対象に近接攻撃を挑む戦法だ。*26 各機体のメックが持つ、特殊能力や兵装は通常のTRPGでキャラクターが持つ特殊能力に相当するものだが、パイロットがメック搭乗しているなら「タレント」*27 もメックの機体性能を拡大する。
パイロットのタレントは基本的にメックバトルのみ使用できるが、PLとGMはナラティブなゲームプレイに活用してもよいだろう。*28 主要要素のためにメックバトルはかなり複雑だ。機体の性能限界突破、*29 ロックオン、*30 電子戦、*31 サーチと、*32 複数の「できることが」あり「基本戦闘ルール」だけでいいぐらいだ。*33 とはいえベースルールはシンプル。ゆっくりと把握していけばいいだろう。
（６）
４番目は「物語」。『LANCER』のアドベンチャー（シナリオ）はナラティブ形式ですすむ。このとき物語の主役はパイロットたちとなる。PL／PCはパイロットの「背景」*34 「トリガー」*35 「装備」*36 をやりくりしてシナリオを進行させるが、この部分はデータ類重視のメックバトルとはことなり、物語を重視を意図したコントラストを感覚する。*37 ただコアルールだけでは特徴は見い出し辛い。*38
最後に「評価」。作者は確実に日本のロボットアニメファンだ。ただ、その“まねごと”にはせず、独自のロボットTRPGを作り上げた。*39 世界設定（いわゆる伝承／ロア）は大変優秀で、*40 テクノロジーから、社会の基盤技術まで、一から設定を作り込む作者の才気と才能を感覚する。ナラティブな物語的嗜好とメックバトルは水と油で、*41 こなれない印象も多少ある。この部分は現在発展途上で今後に期待だ。*42
●脚注
※１ https:/
※２ 『LANCER』の年表（タイムライン）はＣ（センチュリー） ＝ 西暦6000年代から始まり → BU（ユニオン紀元前／Before Union） → ユニオン成立以後のＵ（ユニオン紀元後／After Union）へ続く。 現在の年表はユニオン5016。作品世界は、おおよそ我々の知る現在から約１万５千年が経過した未来だ。
※３ 「序章/INTRODUCTION」（p16）の文章においてランサーのPCは「世界の運命をかえる存在」だと表現をされている。
※４ ちなみに自身の忘備録等の意味もある。他人へ説明する方法でかんがえる／表現するのが「一番の物事の習熟と整理の早道」だというのは本当だ。
※５ https:/
※６ ※２も参照。ユニオン紀元前の遺産は、一部現在でも解明されていない強力なテクノロジーを持つ。くわえて宇宙に拡散した初期人類は貴重な情報を蓄積している場合も多い。我々の知る歴史のスケールでも、数千年前を知る場合は、遺跡を発掘し、古代に学び、そして発見がある。『LANCER』も同様だ。
※７ たとえばフレーム、コア（エンジン）、装甲、センサー、兵装、残弾、全部を決定、全部数値を計算しないといけない作品も存在する。それはそれで「たのしい」が、それらはTRPGではなく、ウォーシミュレーションと呼ぶ方がふさわしい。
※８ すべてのパイロットの能力は【HP】６＋グリッド（パイロットレベルによって増加）、サイズ：1/2、回避：10、電子防御：10、速度：４の固定だ。パイロットの能力は「背景」「タレント」「トリガー」「装備」で変化する。※34、※35、※36も参照。
※９ 「機体」のフレームを決定した時点でメックの能力（数値）の大半が決定されることになる。メックの「兵装」は機体のマウント――補助武器×２（最大で２つ）、主武器×１、重武器×１――だけ選択。「特殊能力」は機体独自のものを選択する。この「特殊能力」を「コアシステム」と呼ぶ。「コアシステム」はパイロットレベルによって開放されるために、膨大な一覧から選択する必要がない。PL／PCが実際のゲームプレイのたびになれていくことができる。これらもキャラクター作成緩和の一手だ。
※10 最初にエヴェレストしか選択できないのも、数10種はあるメックから１つを選択する時間を緩和させるためだろう。ただ、エヴェレストは決して弱くない。コアシステムをふくめ多数の「特殊能力」を入れ替え可能なフレームはエヴェレストのみ。実際、PLの１人は「おれはずっとエヴェレストを使う」といっていた。
※11 GMSをのぞくメーカーは以下の４つ。ビッグフォーと呼ぶ、「IPSノーススター（IPS-NORTHSTAR/IPS-N)）」。近接戦闘と近接攻撃に特化したタフなフレームが特徴。対海賊用兵器から発展した。「スミス−シマノ・コルプロ（SMITH-SHIMANO CORPRO/SSC）」。生物素材と生物機構を組み込み“人間の延長”を目指す異形のフレームと特殊能力が特徴。「ホルス（HORUS）」。複雑なフレームシャーシで電子防御に高い性能を持つ。同時に相手への電子攻撃や機体加熱を引き起す能力が特徴。「ハリソン兵器工廠（HARRISON ARMORY）」。世界で最も先進的なメックを製造する。強力な核融合炉とそれを利用したエネルギー兵器が特徴。
※12 ※11も参照。たとえばSSCの機体は次元と次元の狭間を移動したりできる。
※13 イラスト参照。なにしろサンプルパイロットの名前はODA TAROUでサンプルメックの名前はRAIJINだ。ほかにも随所に日本のロボットアニメの影響がみられる。
※14 自分はパイロットとロボットが一緒に冒険を行うTRPGをやりたいのだ。ウォーシミュレーションがやりたいわけではない。
※15 「ロボットにしかできないこと」「人間にしかできないこと」あるいは「人間とロボットが協力して成し遂げる」状況があるわけだ。
※16 一般に想像するロボット作品や、ロボットTRPGだと、PCは大抵、軍人で、軍事作戦に加担する。ただ（１）の下段で解説したよう『LANCER』でPCが請け負う仕事は多岐に渡る。それだけ冒険と物語の幅は広い。
※17 なおＤ３も使用されるが、これはＤ６の半分（端数切り上げ）で算出する。
※18 つまり『LANCER』におけるダイスロールの達成値は最低値が「０」で最大値が「26」だ。ただ、この達成値に様々な修正値が加算されることがあるので、それ以上になることもある。
※19 １番わかりやすい効果は戦闘でダメージが２倍になることだ。くわえて機体の「特殊能力」の追加効果を引き出すトリガーがクリティカルの場合は多い。
※20 もっとも、この基本攻撃すら、補助武器、主武器、重武器のどれで攻撃するのか違いがある。
※21 ※９も参照。機体の特殊能力の源の「コアシステム」は搭乗するパイロットの技量――パイロットレベル（ランサーレベル／LL）により開放される。同型の機体でもパイロットの技量によって大きく強さが違う。
※22 ※10も参照。組み込む兵装によって、まったくことなる能力を持つエヴェレストができる。
※23 タレットドローンを展開する。タレットは設置したスペースから10スペースに侵入した射線上の目標に３ダメージを自動であたえる。くわえて自身の周囲の目標をセンシング（センサー）する。
※24 スペースサイズ１／【HP】10／回避５の携帯遮蔽（ハードカバー）をPCのメックの隣のスペースに２つ設置／提供する。遮蔽は再収納／再展開／再配置が可能。
※25 投擲型と地雷型のスモークチャージャー（煙幕発生装置）。投擲した／設置したスペースの周囲に煙幕を展開。周辺にソフトカバーを提供する。
※26 こういう戦略の立案は本当にはやいよな。おまえら。なお近接攻撃の最大の利点は、接敵状態になった目標の移動を妨害できることだ。PL／PCは相手の移動を妨害して、まず博士を救出した。
※27 「パイロットとメックは別々に行動できるの？」とかんがえたヒトは非常にするどい。「特殊能力」で「AIタグ（AI制御に関る能力）」を組み込んだメックは、パイロットが搭乗してない状態でも行動することができる。ただ、メックはパイロットが搭乗した方が強い。パイロットが持つ「タレント」と機体補正修正がうけられるからだ。
※28 GMしだいだ。「理由の説明」と「ロールプレイ」はあるべきだ。
※29 オーバーチャージ。オーバーヒート覚悟でPCはメックの行動回数を増加させることができる。かっこいい！
※30 ロックオンした相手への攻撃に＋BDを１つ得る。
※31 対象の機体の電子防御を突破しオーバーヒートを引き起す。オーバーヒートが極限まで上昇した機体は核融合炉がメルトダウンして停止する。
※32 サーチした相手の兵装や能力を把握する。
※33 メックやパイロットの特殊能力がいらんぐらいだ。
※34 キャラクター作成では合計20種の背景を提供する。「背景」をロールプレイに上手く利用したPL／PCは、技能判定に＋BDを１つ得る。
※35 キャラクターの得意分野や行動のルーティーン。「トリガー」をロールプレイに上手く利用したPL／PCは、技能判定に＋２の修正を得る。非常に強力。
※36 キャラクターの装備。状況に見合った「装備」の使用は、単純にキャラクターの行動の幅を広げ、技能判定にBDをもらたすこともある。
※37 メックバトルは処理が多くて重い（それでも本作以外のロボットウォーシミュレーションよりはるかに軽量だが――）。
※38 いってみれば“普通”。従来のTRPGのシナリオ作成／構築／展開と変化ない。
※39 「模倣だけのもの」と「発展をしたもの」は大きく違う。
※40 『LANCER』独自のものになっている。
※41 もう少々うまくまぜてほしい。
※42 実際、後発のサプリメントでナラティブな物語的嗜好に関るゲームルールは強化されているようだ。ただ、サプリメントは、まだ入手していないので、判断と評価は現在時点では保留しておく。
■2024/01/01/月
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。……といいたいところだが、新年早々、大変なことになってしまったな。この記述自体１日以降に記載しているけど、日数が経過するにつれ被害が深刻で甚大とわかる。
■2024/01/02/火
そして飛行機が羽田空港で事故を起す。乗客全員無事だったことはよかった。衝突した海保の固定翼機は気の毒だけれど。この事故も地震も交通インフラを機能不全にさせてしまい、支援や日常生活に影響を残す。
■2024/01/03/水
しょうがつやすみおわり。
『異修羅』 第一話 「柳の剣のソウジロウ」
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原作は「電撃の新文芸（KADOKAWA）」が刊行している珪素のライトノベル。今期の「なろう系作品」。超絶的な強さを持つ異修羅の戦いを描く群像劇。最初の異修羅は柳生新陰流最後の使い手――相手の命の場所を見抜く・柳の剣のソウジロウ vs 迷宮都市巨人。修羅の無類の強さを含めてダイナミックの演出はわかる。ただ、CG部分と手描き作画がなじんでおらず、バラバラ／スカスカな印象もうける。
剣士 vs 巨人の構図に、巨人をサンジンゲンのCGで描くコンセプトは理解できるけれどレイアウトの設計に密度がない。監督は高橋丈夫 × 小川優樹。制作はパッショーネ。制作協力のサンジゲンをふくめて、スタジオの“よくある”制作体制。パッショーネでは恒例だが、それでも１話時点で作監５人以上は不安要素。４月の元請け作品とどっちにリソースを分配しているのか？ とってはおきます。
『弱キャラ友崎くん 2nd STAGE』 Lv.1 「情報収集パートが退屈じゃないゲームは名作」
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原作は「ガガガ文庫（小学館）」が刊行している屋久ユウキのライトノベル。21年に放送した１期に続く２期。人生を「クソゲー」と呼ぶ友崎文也は、スマブラ風味の「アタックファミリーズ」を通し、クラスメイトで完璧ヒロインの日南 葵に共感。クソゲー人生の「攻略」へ挑む。事前説明なく直接の続編。友崎がクラスメイトのカースト女王・紺野エリカたちの周囲を探り、女王を球技大会でやる気にさせる。
監督は柳伸 亮。制作はproject No.9。スタッフは、ごく一部を除き１期のスライド。21年時点で原作は８巻ありストック十分。続編発表は22年。途中にコロナ禍時期があったとはいえ、３年経過したのは、単純にスタジオの手が空く時期をまっていたんだろう。スタッフの続投で１期と同等の品質を保持していますが、作画や美術をふくめ、目立った印象がないことも事実。とってはおきます。
■2023/12/31/日
30日（土）の午前から地元でオフライン・セッション――。『LANCER/ランサー（未訳）』のGMをやらせてもらいました。参加したメンバーは、正月の休み早々、午前から集合してもらってありがとうございました。
https:/
itch.ioを代表するロボットTRPGだけはあってよくできてる。ただ、メックバトル以外のシナリオ部分は「ナラティブ的物語構成」と表現しながら普通。外部で回す場合、もうちょっと翻訳が必要だがそれほど時間はかからない。
※無料版（https:/
●登場キャラクター（50音順）
▼PC� ．轡腑Ε献蹈ΑΕ皀船泥� NHP専門家
『LANCER』世界における人工知能NHPsに関る技術軍人。機体に搭載したタレットドローンで戦う。シナリオでは情報収集と電子解析担当。
▼PC�◆．妊�ルト・シャベス 僧侶
クリスチャン。遺失した地球の唯一神教の復活をめざす。機体が携帯する展開式重遮蔽には当然十字模様を刻む。シナリオでは交渉担当。
▼PC�� バンガバナン 兵士
肉体の大半を機械に換装した遠方惑星の戦士（設定）。煙幕装備を展開しながら相手に近接して重斧で機体を叩く。シナリオでは探索担当。
●プレイの内容
（１）
『LANCER/ランサー（未訳）（以下“LANCER”）』は、アメリカのitch.io*1のコミニュティから誕生したロボットTRPGだ。はるかな未来。ユニオン5016。*2宇宙に進出した人類は数兆の人々を抱え繁栄していた。PCは、この時代の様々な分野――労働から戦争にまで使用されるメック（ロボット）を操る傭兵ランサー*3だ。新作と未訳作品の通例どおりに、感想では、ゲームプレイではなく、作品の紹介を中心に記す。*4
当日は、 itch.ioで配布しているチュートリアルを意識したアドベンチャー「デリオスの墓標」*5をプレイさせてもらった。ある惑星で消息を絶つ調査隊の捜索へと向ったPC。その惑星で調査隊は、人類の宇宙拡散初期に入植した先史文明の痕跡を発見した。*6PCは最終段階で、貴重な情報を保存した記録媒体と、リーダーの博士を救出する目的でライバル企業のランサーとメックバトルを行う。
（２）
感想は「パイロット作成／メック作成」「判定」「戦闘」「物語」「評価」の順番で記す。最初は「キャラクター作成」。まず傾向から。ロボット作品のキャラクター作成は大抵が複雑で煩雑だ。*7本作は新世代／新時代のTRPGにふさわしく、その手間を大幅に緩和する。パイロットの能力は「背景」「タレント」「装備」以外は固定。*8メックも「機体」「兵装」「特殊能力」の決定をするだけだ。*9。
キャラクター作成時点にPCは、 ゼネラル・マッシブ・システム（以下“GMS”）のエヴェレスト*10 の名の機体だけしか使用できない。『LANCER』の代表的なメックメーカーはGMS以外に４社存在し、*11 それぞれ特徴あるメックを展開している。 極限まで進化した科学の恩恵で魔法のような能力を持つメックもある。*12 なおすべてのメックデザイン日本のロボットアニメライクである。*13 （３）上段に続く。
（３）
そのメックを操縦する本作のパイロットはメックの添え物ではない。*14 パイロットはナラティブ形式の本作のシナリオを進行する重要な役割を担う。*15 作品の世界設定において、ランサーの担当分野は、遺跡発掘、惑星調査、潜入、要人救出など多岐に渡る。*16 パイロットが単身で行う冒険と活躍も重要だ。本作はロボットと一緒に冒険を行うTRPG。この紹介は（６）上段で簡単に紹介する。
２番目は「判定」。『LANCER』で使用するダイスＤ20とＤ６だ。*17 判定は基本的に1D20の出目が10以上なら成功。対抗判定なら相手のダイスロールの結果や能力値を目標にロールを行う。このときPCは、自身／相手の能力、搭乗するメカの特性、様々な状況の有利／不利で、＋と−のＤ６ボーナスダイス（以下“BD”）を得る。＋BDは＋1D６。−BDは−1D６だ。なおBDは複数発生する。（４）上段に続く。
（４）
1D20 ± BDが発生したとき、ダイスロールの結果は、すべて合計しない、BDの最も高い出目を採用して1D20に加算する。*18 1D20 ＋ 3D６の結果が16 ＋ １、３、６だったならば、この判定の達成値は「22」だ。BDは打ち消し合う。たとえば＋DBと−DBが同時に１つ発生しているなら1D20のみロールする。達成値が20以上の場合はクリティカルだ。通常でも戦闘でも特殊な効果が発生する。*19
３番目は「戦闘」。「戦闘」は『LANCER』の主要要素だ。グリッド／ヘックスを使用する戦闘は、基本的にメックが持つ兵装で近接攻撃／遠隔攻撃を繰り返す。*20 メックは各機体ごとに特殊能力や特殊兵装を持つ。*21 （２）の下段で解説しているように、作成時点のキャラクターはGMSのエヴェレストしか搭乗できない。 だがエヴェレストも様々な兵装を選択して任意の装備を組み込める。*22 （５）上段へ続く。
（５）
たとえばPL／PCは、今回、タレット、*23 煙幕地雷、*24 開型型防護用遮蔽*25 を組み込んだ。防御陣地を設営。射線に突入した対象をタレットで射撃。煙幕地雷を踏む対象に近接攻撃を挑む戦法だ。*26 各機体のメックが持つ、特殊能力や兵装は通常のTRPGでキャラクターが持つ特殊能力に相当するものだが、パイロットがメック搭乗しているなら「タレント」*27 もメックの機体性能を拡大する。
パイロットのタレントは基本的にメックバトルのみ使用できるが、PLとGMはナラティブなゲームプレイに活用してもよいだろう。*28 主要要素のためにメックバトルはかなり複雑だ。機体の性能限界突破、*29 ロックオン、*30 電子戦、*31 サーチと、*32 複数の「できることが」あり「基本戦闘ルール」だけでいいぐらいだ。*33 とはいえベースルールはシンプル。ゆっくりと把握していけばいいだろう。
（６）
４番目は「物語」。『LANCER』のアドベンチャー（シナリオ）はナラティブ形式ですすむ。このとき物語の主役はパイロットたちとなる。PL／PCはパイロットの「背景」*34 「トリガー」*35 「装備」*36 をやりくりしてシナリオを進行させるが、この部分はデータ類重視のメックバトルとはことなり、物語を重視を意図したコントラストを感覚する。*37 ただコアルールだけでは特徴は見い出し辛い。*38
最後に「評価」。作者は確実に日本のロボットアニメファンだ。ただ、その“まねごと”にはせず、独自のロボットTRPGを作り上げた。*39 世界設定（いわゆる伝承／ロア）は大変優秀で、*40 テクノロジーから、社会の基盤技術まで、一から設定を作り込む作者の才気と才能を感覚する。ナラティブな物語的嗜好とメックバトルは水と油で、*41 こなれない印象も多少ある。この部分は現在発展途上で今後に期待だ。*42
●脚注
※１ https:/
※２ 『LANCER』の年表（タイムライン）はＣ（センチュリー） ＝ 西暦6000年代から始まり → BU（ユニオン紀元前／Before Union） → ユニオン成立以後のＵ（ユニオン紀元後／After Union）へ続く。 現在の年表はユニオン5016。作品世界は、おおよそ我々の知る現在から約１万５千年が経過した未来だ。
※３ 「序章/INTRODUCTION」（p16）の文章においてランサーのPCは「世界の運命をかえる存在」だと表現をされている。
※４ ちなみに自身の忘備録等の意味もある。他人へ説明する方法でかんがえる／表現するのが「一番の物事の習熟と整理の早道」だというのは本当だ。
※５ https:/
※６ ※２も参照。ユニオン紀元前の遺産は、一部現在でも解明されていない強力なテクノロジーを持つ。くわえて宇宙に拡散した初期人類は貴重な情報を蓄積している場合も多い。我々の知る歴史のスケールでも、数千年前を知る場合は、遺跡を発掘し、古代に学び、そして発見がある。『LANCER』も同様だ。
※７ たとえばフレーム、コア（エンジン）、装甲、センサー、兵装、残弾、全部を決定、全部数値を計算しないといけない作品も存在する。それはそれで「たのしい」が、それらはTRPGではなく、ウォーシミュレーションと呼ぶ方がふさわしい。
※８ すべてのパイロットの能力は【HP】６＋グリッド（パイロットレベルによって増加）、サイズ：1/2、回避：10、電子防御：10、速度：４の固定だ。パイロットの能力は「背景」「タレント」「トリガー」「装備」で変化する。※34、※35、※36も参照。
※９ 「機体」のフレームを決定した時点でメックの能力（数値）の大半が決定されることになる。メックの「兵装」は機体のマウント――補助武器×２（最大で２つ）、主武器×１、重武器×１――だけ選択。「特殊能力」は機体独自のものを選択する。この「特殊能力」を「コアシステム」と呼ぶ。「コアシステム」はパイロットレベルによって開放されるために、膨大な一覧から選択する必要がない。PL／PCが実際のゲームプレイのたびになれていくことができる。これらもキャラクター作成緩和の一手だ。
※10 最初にエヴェレストしか選択できないのも、数10種はあるメックから１つを選択する時間を緩和させるためだろう。ただ、エヴェレストは決して弱くない。コアシステムをふくめ多数の「特殊能力」を入れ替え可能なフレームはエヴェレストのみ。実際、PLの１人は「おれはずっとエヴェレストを使う」といっていた。
※11 GMSをのぞくメーカーは以下の４つ。ビッグフォーと呼ぶ、「IPSノーススター（IPS-NORTHSTAR/IPS-N)）」。近接戦闘と近接攻撃に特化したタフなフレームが特徴。対海賊用兵器から発展した。「スミス−シマノ・コルプロ（SMITH-SHIMANO CORPRO/SSC）」。生物素材と生物機構を組み込み“人間の延長”を目指す異形のフレームと特殊能力が特徴。「ホルス（HORUS）」。複雑なフレームシャーシで電子防御に高い性能を持つ。同時に相手への電子攻撃や機体加熱を引き起す能力が特徴。「ハリソン兵器工廠（HARRISON ARMORY）」。世界で最も先進的なメックを製造する。強力な核融合炉とそれを利用したエネルギー兵器が特徴。
※12 ※11も参照。たとえばSSCの機体は次元と次元の狭間を移動したりできる。
※13 イラスト参照。なにしろサンプルパイロットの名前はODA TAROUでサンプルメックの名前はRAIJINだ。ほかにも随所に日本のロボットアニメの影響がみられる。
※14 自分はパイロットとロボットが一緒に冒険を行うTRPGをやりたいのだ。ウォーシミュレーションがやりたいわけではない。
※15 「ロボットにしかできないこと」「人間にしかできないこと」あるいは「人間とロボットが協力して成し遂げる」状況があるわけだ。
※16 一般に想像するロボット作品や、ロボットTRPGだと、PCは大抵、軍人で、軍事作戦に加担する。ただ（１）の下段で解説したよう『LANCER』でPCが請け負う仕事は多岐に渡る。それだけ冒険と物語の幅は広い。
※17 なおＤ３も使用されるが、これはＤ６の半分（端数切り上げ）で算出する。
※18 つまり『LANCER』におけるダイスロールの達成値は最低値が「０」で最大値が「26」だ。ただ、この達成値に様々な修正値が加算されることがあるので、それ以上になることもある。
※19 １番わかりやすい効果は戦闘でダメージが２倍になることだ。くわえて機体の「特殊能力」の追加効果を引き出すトリガーがクリティカルの場合は多い。
※20 もっとも、この基本攻撃すら、補助武器、主武器、重武器のどれで攻撃するのか違いがある。
※21 ※９も参照。機体の特殊能力の源の「コアシステム」は搭乗するパイロットの技量――パイロットレベル（ランサーレベル／LL）により開放される。同型の機体でもパイロットの技量によって大きく強さが違う。
※22 ※10も参照。組み込む兵装によって、まったくことなる能力を持つエヴェレストができる。
※23 タレットドローンを展開する。タレットは設置したスペースから10スペースに侵入した射線上の目標に３ダメージを自動であたえる。くわえて自身の周囲の目標をセンシング（センサー）する。
※24 スペースサイズ１／【HP】10／回避５の携帯遮蔽（ハードカバー）をPCのメックの隣のスペースに２つ設置／提供する。遮蔽は再収納／再展開／再配置が可能。
※25 投擲型と地雷型のスモークチャージャー（煙幕発生装置）。投擲した／設置したスペースの周囲に煙幕を展開。周辺にソフトカバーを提供する。
※26 こういう戦略の立案は本当にはやいよな。おまえら。なお近接攻撃の最大の利点は、接敵状態になった目標の移動を妨害できることだ。PL／PCは相手の移動を妨害して、まず博士を救出した。
※27 「パイロットとメックは別々に行動できるの？」とかんがえたヒトは非常にするどい。「特殊能力」で「AIタグ（AI制御に関る能力）」を組み込んだメックは、パイロットが搭乗してない状態でも行動することができる。ただ、メックはパイロットが搭乗した方が強い。パイロットが持つ「タレント」と機体補正修正がうけられるからだ。
※28 GMしだいだ。「理由の説明」と「ロールプレイ」はあるべきだ。
※29 オーバーチャージ。オーバーヒート覚悟でPCはメックの行動回数を増加させることができる。かっこいい！
※30 ロックオンした相手への攻撃に＋BDを１つ得る。
※31 対象の機体の電子防御を突破しオーバーヒートを引き起す。オーバーヒートが極限まで上昇した機体は核融合炉がメルトダウンして停止する。
※32 サーチした相手の兵装や能力を把握する。
※33 メックやパイロットの特殊能力がいらんぐらいだ。
※34 キャラクター作成では合計20種の背景を提供する。「背景」をロールプレイに上手く利用したPL／PCは、技能判定に＋BDを１つ得る。
※35 キャラクターの得意分野や行動のルーティーン。「トリガー」をロールプレイに上手く利用したPL／PCは、技能判定に＋２の修正を得る。非常に強力。
※36 キャラクターの装備。状況に見合った「装備」の使用は、単純にキャラクターの行動の幅を広げ、技能判定にBDをもらたすこともある。
※37 メックバトルは処理が多くて重い（それでも本作以外のロボットウォーシミュレーションよりはるかに軽量だが――）。
※38 いってみれば“普通”。従来のTRPGのシナリオ作成／構築／展開と変化ない。
※39 「模倣だけのもの」と「発展をしたもの」は大きく違う。
※40 『LANCER』独自のものになっている。
※41 もう少々うまくまぜてほしい。
※42 実際、後発のサプリメントでナラティブな物語的嗜好に関るゲームルールは強化されているようだ。ただ、サプリメントは、まだ入手していないので、判断と評価は現在時点では保留しておく。
■2024/01/01/月
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。……といいたいところだが、新年早々、大変なことになってしまったな。この記述自体１日以降に記載しているけど、日数が経過するにつれ被害が深刻で甚大とわかる。
■2024/01/02/火
そして飛行機が羽田空港で事故を起す。乗客全員無事だったことはよかった。衝突した海保の固定翼機は気の毒だけれど。この事故も地震も交通インフラを機能不全にさせてしまい、支援や日常生活に影響を残す。
■2024/01/03/水
しょうがつやすみおわり。
『異修羅』 第一話 「柳の剣のソウジロウ」
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原作は「電撃の新文芸（KADOKAWA）」が刊行している珪素のライトノベル。今期の「なろう系作品」。超絶的な強さを持つ異修羅の戦いを描く群像劇。最初の異修羅は柳生新陰流最後の使い手――相手の命の場所を見抜く・柳の剣のソウジロウ vs 迷宮都市巨人。修羅の無類の強さを含めてダイナミックの演出はわかる。ただ、CG部分と手描き作画がなじんでおらず、バラバラ／スカスカな印象もうける。
剣士 vs 巨人の構図に、巨人をサンジンゲンのCGで描くコンセプトは理解できるけれどレイアウトの設計に密度がない。監督は高橋丈夫 × 小川優樹。制作はパッショーネ。制作協力のサンジゲンをふくめて、スタジオの“よくある”制作体制。パッショーネでは恒例だが、それでも１話時点で作監５人以上は不安要素。４月の元請け作品とどっちにリソースを分配しているのか？ とってはおきます。
『弱キャラ友崎くん 2nd STAGE』 Lv.1 「情報収集パートが退屈じゃないゲームは名作」
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原作は「ガガガ文庫（小学館）」が刊行している屋久ユウキのライトノベル。21年に放送した１期に続く２期。人生を「クソゲー」と呼ぶ友崎文也は、スマブラ風味の「アタックファミリーズ」を通し、クラスメイトで完璧ヒロインの日南 葵に共感。クソゲー人生の「攻略」へ挑む。事前説明なく直接の続編。友崎がクラスメイトのカースト女王・紺野エリカたちの周囲を探り、女王を球技大会でやる気にさせる。
監督は柳伸 亮。制作はproject No.9。スタッフは、ごく一部を除き１期のスライド。21年時点で原作は８巻ありストック十分。続編発表は22年。途中にコロナ禍時期があったとはいえ、３年経過したのは、単純にスタジオの手が空く時期をまっていたんだろう。スタッフの続投で１期と同等の品質を保持していますが、作画や美術をふくめ、目立った印象がないことも事実。とってはおきます。
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