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2022年11月29日22:52
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ZARD坂井泉水MUSEUMとSARD UNDER GROUND LIVE REPORT 羽田空港夜景 鉄道開業150周年展（港区立郷土資料館） 10月23日（日）より
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かつて一成を風靡したブラックビスケッツが、12月3日（土）放送の音楽特番「日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2022」（日本テレビ系）に出演することがわかった。グループ戸して活動するのは20年ぶりになる。https:/
今回の主題は、15年前の2007年5月27日に、40歳の若さでこの世を去ったZARDの坂井泉水から、トリビュートバンドのSARD UNDER GROUNDへ繋がる物語である。
前回 7月28日（木）SARD ＦＣイベント https:/
前年 SARD LIVE 2021年10月16日（土）https:/
ZARD坂井泉水からSARD UNDER GROUNDへ、10月23日（日）ＺＡＲＤミュージアム、SARDのライブレポート 羽田空港夜景 鉄道開業150周年展
今回は、10月23日（日）に訪れた都市部の各イベントや展覧会について紹介する。午前10時には、六本木で開催された「ZARD MUSEUM」の最終日に足を運び、坂井泉水の直筆歌詞からノート、写真まで、プライベートを紹介するコーナーだった。続いて訪れた場所は、港区郷土資料館、その次は、夜景撮影地となる羽田空港国際ターミナルである。最終4番目の舞台は、午後6時から始まるＳＡＲＤ UNDER GROUNDのライブ会場となる「Zepp Haneda」である。ＺＡＲＤの坂井泉水から、若いSARD UNDER GROUNDへと思いは確かに受け継がれていた。都市部で坂井泉水を感じる旅を振り返る。
目次
第1章 ZARD MUSEUM 知られざる作詞家坂井泉水の素顔
第2章 港区立郷土資料館、羽田空港国際ターミナルでのトワイライト夜景
第3章 SARD UNDER GROUND LIVE TOUR 2022 〜in the Twighlight〜 Zepp Haneda公演
舞台
・ZARD MUSEUM ZARDオフィシャルサイト https:/
・港区立郷土資料館ページ 特別展・企画展 https:/
・羽田空港第3ターミナル 夜景FUN https:/
・SARD UNDER GROUND LIVE TOUR2022 in the Twilight 会場Zepp Haneda
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第1章 ZARD MUSEUM 知られざる作詞家坂井泉水の素顔
10月23日（日）、朝方10時に六本木にあるビーイング鳥居坂スタジオにて、ZARD MUSEUM最終日が開催された。ZARDはデビュー2年目の1992年から1993年頃まで一時的に5人組みのバンド体制だった時期があった。ヴォーカルのインパクトの強さから坂井泉水のソロアーティストとしてのイメージが定着している。
会場内は、1時間半ごとの人数制限つきの入れ替え制だった。私は午前10時の会から参加した。撮影に関しては、スタジオ前に展示されたジャガー・Mk2のみ認められている。シングル「息もできない」のMusic Videoの撮影時に使用された車体である。
写真左＝ジャガー・Mk2(撮影者:私) 写真右＝SARD UNDER GROUNDのメンバー 掲載元 音楽ナタリー 2022年7月7日付 https:/
室内の方は、入場すると、いちはやく、トリビュートバンドの「SARD UNDER GROUND」の写真が飛び込んできた。メンバーはデビュー時4人だったものの、現在はヴォーカル、ベース、キーボードから成る3人体制である。共にビーインググループが開校した「GIZA MUSIC」の生徒だった。ZARDの曲を演奏する中、プロデューサーの長門大幸（ながとだいこう）氏に呼ばれて、デビューへ後押しされたのである。2019年3月に、スタジオでお披露目されたものの、正式デビューは、1stアルバム「ZARD Tribute」をリリースした同年9月18日だった。展示会では、ZARDが残した作品を後世に伝える存在として紹介されていた。
さて、主役の坂井泉水は、特大サイズの写真が、壁に立てかけてあった。アルバムのジャケットから、海外のロケの様子まで、多岐にわたる。彼女自身撮影のために出かけた際、小型のフィルムカメラを持ち歩き、写真を撮り続けたという。行く先々で新鮮な空気に触れ、新しい人々と出会いを通して、世界観を広げていた。
自作の歌詞を書いたノートは、ファイルの中にしっかりと保管されている。言葉を大切にしてきた彼女は、曲がついた後、実際歌ってみて、感触を確かめたのちに、修正をしていたという。
以下2枚の写真の掲載元 Memory〜ZARD/坂井泉水さん〜 止まっていた時間が動き出した 2008年8月15日（金）付け ZARD/BIRDMAN WEST�� #1２０
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写真左＝1995年頃 シングル「こんなにそばに居るのに」のレコーディング風景
写真右＝当時を再現したレコーディング風景
神奈川県秦野市で過ごした学生時代を振り返るコーナーもあった。衝立によって仕切られた中、正面には、秦野市立西中学時代に描いた花瓶の絵が展示されていた。中学生とは思えない程、繊細なタッチで、葉脈から花びらまで描かれている。衝立の内側には、表彰状が立てかけてあった。彼女が中学校2年生に当たる昭和56年2月11日に、第14回段位認定試験において、伝票算二段に合格している。
同じ中学2年生時の昭和55年6月1日に開催された第13回秦野市陸上競技大会において、女子中学校800m部門に参加し、2分40秒6の記録で、3位入賞を果たしていた。
短距離走においては、さらに良い成績を残している。同年7月27日に行われた秦野市民総合体育大会の女子中学校部門、200m走では、28秒5の記録で、優勝したのである。
ブレイク後テレビの前から姿を消したことにより、ZARDの坂井泉水は、物静かなイメージを持つ。学生時代は、スポーツが得意で、恋もしたことがあるという。何も特別変わった子ではなく、スポーツが出来て、美人な女子学生との評判だった。
展示室の中のガラスケースには、どこか懐かしいテレフォンカードが保管されていた。1stシングル「Good bye-My Lonelyness」、2ndシングル「もう探さない」、4thシングル「眠れない夜を抱いて」の3つのジャケットである。デビュー前の本名蒲池幸子（かまちさちこ）として活動していたカラオケクィーン時代の作品も2点置いてある。
写真左＝カラオケクィーン時代のテレカ 実際の展示品と一致 掲載元 1ST STYLEより
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写真真ん中＝1992年時 4ｔｈシングル「眠れない夜を抱いて」のジャケット
SPECIAL SALE (展示品と一致)
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写真右＝1991年時 シングル「もう探さない」のテレカ
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短大卒業1年目の1987年4月に、都内の不動産会社のOLとして就職した後、路上スカウトをきっかけに、レースクィーンとして活動する。彼女は、歌手になるための足がかりとして、芸能関係の事務所とコンタクトを重ねた。歌声を記録したデモテープが、ビーインググループの創設者長戸大幸（ながとだいこう）氏の目に留まり、歌手としてデビューに至ったのである。プロデューサーの方針から、作詞を任されると、ノートに書き溜めていた自作の詩を公開したという。小さい頃から、石川啄木の詩集を読みふけり、気づいたことをメモしていた。大人になり、ようやく詩人としての才能が開花したのである。
展示品の中で彼女の最期の様子を知る手がかりも隠されていた。白い布のカーテンに覆われた一室から、亡くなる1年前に調達した紫色の着物が飾ってあった。彼女自身が、注文したという。振り返ると、同じ2006年に生前最期となる44thシングル「ハートに火をつけて」のPV撮影において、自らウェディングドレスを着たい、とスタッフに思いを口にしたという。普段から寡黙だった彼女は、周りの人に要求することはなかった。坂井泉水の気持ちを汲み取り、ウェディングドレスを調達し、シングルのジャケット撮影に望んだ。39歳にして始めての花嫁姿だった。
写真左＝花嫁姿 詳細 2017年6月4日付 AERA dot. (アエラドット)
体調を崩したZARD・坂井泉水がウエディングドレスを着たがった理由
https:/
写真右＝2006年時 44ｔｈシングル「ハートに火をつけて」のMVの一場面
人間は、死を悟る能力があるといわれている。彼女自身も、若くして永遠の旅立ちに備えて、事を進めていたのか、真相は分からない。今作詞家として改めて評価されるようになった。SARD UNDER GROUNDへと思いは受け継がれている。
第2章 港区立郷土歴史館、大田区羽田空港国際ターミナルでの夜景撮影
昼頃に向ったのは、港区立郷土歴史館だった。10月14日（金）から12月18日（日）までの日程で、特別展「鉄道開業150周年記念 人物でみる日本の鉄道開業が開催中である。
写真撮影が許可された特別展から2点紹介する。
写真 左側＝1872年の開業時の新橋駅 真ん中＝リチャード・プリジェンス氏の墓
右側＝1872年の開業時の横浜駅（現桜木町駅）
必 リチャード・プリジェンス氏（1810−1891）は、幕末から明治にかけての技師、新橋駅と横浜駅の設計を担当した。
写真＝鉄道開業新橋夜景図 作者 歌川芳虎 明治5年（1872年）
常設展と企画展を含め、じっくり見学した後、港区立郷土歴史館から距離にしておよそ2,1km先の品川駅まで徒歩で向った。京線電鉄に乗り、国際線羽田空港第3ターミナル駅で下車した。5階の展望室から、トワイライト空港夜景を狙う。
入国制限が緩和されたとはいえ、国際線の搭乗手続きをする人は少なかった。対照的にスーツケースを抱えた外国人観光客が、案内書で列を作って並んでいた。円安の影響により、我々日本人が海外へ行くには金銭的に負担がかかる。対照的に外国人観光客は、低価格にて日本で旅行できる。現にウクライナ情勢により、世界中で物価が高騰する中、日本の各商品の値上がり幅は最小限にとどまっていた。外国人観光客が、ショッピングセンターで、まとめ買いする様子が、テレビなどで映し出されている。
夜景のベストタイムは、午後5時13分から23分までの10分間、明るいうちにも、展望室のフェンス越しに撮影した。方角的には、東側に向ってシャッターを切る。時折、南の海側から飛行機が着陸態勢に入ると、フェンス越しにシャッター音が鳴った。夕暮れ時になると、背景の都市部のビル群が浮かび上がり、一味違う雰囲気になる。
写真左＝16時51分撮影 機体ジャパン・エアラインズ
写真中＝17時14分撮影
写真右 17時18分撮影 機体ジャパン・エアラインズ
トワイライトタイム中にも、飛行機が滑走路を移動していた。シャッター速度を落としている分、さすがに動いている飛行機はぶれてしまう。青みを帯びた空の下、静止した機体に、照明器具が当たると、より際立つようになる。
17時20分過ぎまで、滞在して、すぐに東京モノレールと京急電鉄の上り方面に一駅先の天空橋駅で降りて、ライブ会場のZeppHanedaへと足を運んだ。
第3章 SARD UNDER GROUND LIVE TOUR 2022 〜in the Twighlight ライブReport Zepp Hanedaより
参考記事、無記載写真の掲載元 オリコンミュージック https:/
午後６時に、Zepp Hanedaにて、予定時刻どおりライブが始まった。昨年を振り返ると、全て着席指定だったものの、今回はスタンディングが認められた。満員の1200人の観衆は、声を出さずに、手拍子を通して、場を盛り上げた。
1曲目は、最新のミニアルバム日の名残りに収録された「花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ！」続く2曲目は、同じミニアルバムの収録曲「擦り傷だらけの純情」である。共に作詞者は、ヴォーカリストの神野友亜、恋に燃えた主人公が、花火のように、一心に相手にぶつける様子が見えてくる。Cメロのサビの一節では「叶わぬ君への気持ちを捨てれば、幸せになれますか」と問いかけている。歌詞の結末は、タイトル名通り「花火よ燃え尽きて舞い上がれ！」だった。アップテンポな曲を序盤に披露することにより、緊張感が増す。続く「擦り傷らだけの純情」も、ロックチューン、歌詞の内容から、傷ついた主人公の心の叫びが聞こえる。
写真＝全体像 写真＝神野友亜
Bメロのさびの一節：擦り傷だらけの純情、打ちひしがれている感情、あなただけ、あなただけ、ここにいて、敗れたハートに鍵をかけ、ヒーロー気取りの良い男、いつまでもずるい笑顔がいとしくて」
思いが届かず、相手が憎くなってしまう。好きな人に振られると、自暴自棄になりやすい。ラストとなるCメロのサビでは、次の表現で締めくくっている。「いつだって用意周到、拳銃みたいなものさ、優しい弾込めてよ 愛溢れる弾込めてよ 新しい弾込めないと錆付いちまうんだよ」
相手への猛アタックを、拳銃から発射される弾にたとえている。何度も弾を発射しても、命中しなければ、射止められない。次第にその拳銃も捨てられ、錆びて使えなくなる。装填する弾と同じように、人間のエネルギーも限りがある。作詞者は、恋に情熱を傾ける主人公の姿を実にテンポよく描いていた。
激しいナンバーを2曲披露すると、一端ステージ上のメンバーも手を休めた。ヴォーカリストの神野友亜は、「皆さんにお会いできて本当に嬉しいです。今日は楽しんでいってください」と挨拶をする。
ZARDのカバー曲「世界はきっと未来の中」、「IN MY ARMS TONIGHT」「もう少し あと少し…」「揺れる想い」の4曲が続いた。
神野友亜は、MCで次のように述べていた。「ZARDの坂井泉水さんの曲を聴くたびにもっともっと良さがわかってきました」
神野友亜自身、作詞家目線に立ち、坂井泉水の歌詞を読み込んでいる。若者の恋愛や友情をテーマにした坂井泉水の世界観を引き継ぎ、2021年以降自らも作詞家として挑戦した。最初に発表した曲が、ZARDの丁度デビュー30年目の記念日となる2021年2月10日に3rdシングルとしてリリースした「ブラックコーヒー」だった。ゆったりとしたテンポの曲は、街中の落ち着いたカフェの雰囲気をかもし出している。 Ｂメロのサビの一節「I Want to grow up 嫌いだったブラックコーヒー、いつの間にか好きになっていた。抱えている重たいもの二人で半分にしよう ずっとあなたとミルク色の夢を見たい」
写真左側 ブラックコーヒーのＭＶの一場面 掲載元 fumi Diary 2号店
ロケ地note 2021年9月5日付け http://
写真右側 主題歌を担当したショートアニメ「おかしなさばくのスナとマヌ」の一場面
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ブラックコーヒーといえば、苦味が特徴的である。いかにミルクを中心に、クリームなどを入れて、甘い味に仕上げるのか、バリスタの腕の見せ所だ。歌詞の中に登場する主人公の女性が、何もないブラックな状態から、ミルク色の甘い恋をするまでのストーリーである。
主人公の若い女性は、カフェで偶然見かけた男性に一目ぼれして、そっと様子をうかがっていた。隣の席に座り、何気なく、声をかけて、アプローチを開始した。
Ａメロのサビの歌詞の一節では、「偶然を装って何度も会いに行った」と書いている。相手の男性側も、主人公の女性との出会いを期待して、時間と場所を変えずに同じカフェに通い続けたに違いない。
何度も顔を合わすうちに、主人公の女性の方が、勇気をもって男性にアタックした。
二人の行方を最後のサビの一節で次のように表現している。「恋する世界はストロベリーのように想像した色で想像した香りに包まれていたい。夜は寒くても体は熱くなる。寒い夜は朝まで抱きしめて」
カフェで出会った二人は結ばれたのか、読者の想像にお任せである。作詞者神野友亜は、読み手が結末を決められるように余白を残していた。
物語の結末を読者にゆだねる坂井泉水と同じ手法を神野友亜も使っていたのである。
MCに入ると、3人は笑顔を交えながら、秋の季節について語る。真っ先に出てきたのは食べ物だった。坂本ひろ美（key）は好物について「梨、柿、イチジクなどの果物」と述べた。杉岡泉美（Ba）は「お芋」と端的に答えた。一方神野友亜（Vo）は、「オレンジが好きなので、紅葉を一人旅とかで見に行きたい」と希望を語った。メンバー3人で最もツィッターの更新頻度が高いのは神野友亜である。彼女は、休みの日に地元の滋賀県彦根市に帰省した際にも、写真をアップしている。高校3年時から住居を構える夕暮れ時の大阪の街中を写した写真も公開している。杉岡泉美は、ファンに対して、「めっちゃ上手くないですか？」と問いかけた。コロナ時代のライブにおいて、声を出すのは禁止、ファンは首を立てに振って、頷いていた。客席からの反応を見て、神野友亜は「皆さん、そういうのが嫌じゃなければ（これからも）載せてもいいですか？」と聞いた。客席から拍手喝采が起こった。彼女はライブ後、しばしの休暇中に訪れた琵琶湖に浮かぶ竹島行きのフェリーでの自撮写真、または11月8日（火）の20時代に皆既月食の写真を公開した。2022年9月に発売されたIPHONE14proで撮影しているという。
写真左＝2022年9月5日に投稿された写真 掲載元 神野友亜 オフィシャルツィッターhttps:/
写真右＝2022年11月28日付 杉岡泉美とのカフェで2ショット
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11曲目に披露された「恋が待ち伏せしていた午後」は、明るいポップナンバーである。ミニアルバム「日の名残り」に収録された曲は、先行してショートアニメ「おかしなさばくのスナとマヌ」の主題歌としてONAIRされていた。Aメロの一節「神様はパレットいっぱいの色で世界を描いた。影まで温かいその絵には運命がたくさん眠っている」
天上の神様は、色彩豊かな世界を作った。我々人の世界では個性に例えられる。坂井泉水のように、容姿や運動能力、作詞能力に恵まれた方もいれば、南米やアフリカの貧民街に産まれ、生活も間々ならない子供も存在する。産まれた環境は変えることはできない。与えられた能力を最大限に発揮することが求められる。また産まれた国や地域に問わず、先天性の体に障害を持って生まれてくる子供もいる。第2次世界大戦後、経済発展に伴い、社会にゆとりが出てくると、障害をサポートする体制が整った。21世紀以降、体は健康でも、自閉症や発達障害など、社会生活に馴染めない人たちの存在が認識された。今、障害を個性と理解し、長期的かつ包括的に支援する取り組みが始まっている。
物語の主人公は、青年期の若者である。恋をすることによって、物の見方が変わっていた。
Aメロの一節：君に出会うまでの私は、モノクロの世界に生きていたみたいだったよ。こんなにもきれいな色があるとは知らずに
一人ぼっちで空虚な日々を送る主人公が、好きな人に出会い、目の前の景色が一変する。
Cメロのサビの一節：恋が待ち伏せていた午後に勇気絞りだせてよかった。溢れ出す君への想い、はちみつ頬張った時のよう、Ah ときめき感じていたい 振り返らず歩いていこう、（略）愛に満ちた物語であるように
黙っていても時だけが過ぎていく。思いっきり相手に気持ちを打ち明けた際、蜂蜜を舐めたときのように、甘い香りがした。恋する二人は、共に将来を歩んでいった。
ライブの方は、オリジナル曲とZARDのカバー曲を程よく織り交ぜながら進んでいく。13曲目のイチゴジャムでは、杉岡泉水の肩に手を乗せながら、ステージの客を見つめながら熱唱した。続く14曲目の「空っぽの心」は、名探偵コナンのエンディング曲、ミステリアスな雰囲気が漂う。空っぽの心は、幼馴染の新一を待つヒロインの毛利欄の姿と実に合わさる。
写真左＝空っぽの心をイメージした3人のメンバーと名探偵コナンのイラスト 掲載元ツィッターうしおushio 2022年6月14日付 https:/
写真真ん中＝空っぽの心のＭＶの一場面
写真右＝撮影地 山手迎賓館 神戸 掲載元 fumi Daily 2号店 2022年5月28日付
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Cメロのサビ：空っぽの心に愛をリロードしていく、君は美しい、愛を絶え間なくくれるの。さえぎるものがない私は、気付けばとまらない、だってもう既に君を愛しているの。あぁ、空っぽの心で」
新一を追い求める蘭は、もはや心を変えさせることはできない。気付けば、彼は小学校1年生の江戸川コナンとして、姿を見せてくれる。蘭は、窮地に陥ったとき助けてくれるコナンを心強い弟とみていた。
ZARDのヒットナンバーを熱唱し、アンコールには「遠い日のNostalgia」を披露した。都会に出た若者が、故郷を振り返る様子を綴った同曲は、作詞者坂井泉水の故郷秦野市の田園風景と重なる。小田急線で新宿まで一本でアクセスできる同市は、秦野盆地を走る小田急線の駅前を中心に、ベッドタウンとして開発された。一歩離れ、丘陵地を歩くと、昔ながらの里山の風情が残る。牧場と共に、水車小屋、畑と田んぼが隣り合い、古い一軒屋が並ぶ。見晴らしの良い丘は、夕暮れ時に灯りが瞬く秦野盆地の町並みを一望できる。坂井泉水は、都会の喧騒から離れ、デビュー後もしばらく秦野市で暮らしていた。ブレイク後、テレビから姿を消し、静かに作詞にも取り掛かった。今、坂井泉水を倣い、SARD UNDER GROUNDが役割をしっかり引き継いでいる。
写真＝秦野市今泉町からの田園風景
2021年6月19日（日） 2022年11月3日（水・祝）
アンコール２曲目、最後に披露するのは「Don’t you see」、明るい未来へ突き進む若者への応援歌は、1997年1月6日に19thシングルとして発売された。彼女がブレイクしたのは、1993年1月26日にリリースされた6thシングルの「負けないで」だった。日本は平成の大不況に陥り、戦後うなぎ上りに上昇した経済成長率が、初めてマイナスに転じた。資金繰りに行き詰った企業が、事業規模の縮小、または新規採用人数を抑えた結果、若者の就職難に見舞われた。不景気から抜け出せず、暗いトンネルに迷い込んだ中、坂井泉水は、歌を通してエールを送った。日本は、1991年のバブル崩壊から、先進国では唯一賃金は上がっていない。少子高齢化が進む中、いかに少ない若者が、働いて経済を支えるか、日本の未来を左右する。SARD UNDER GROUNDのメンバーは、2019年9月18日に１ｓｔアルバム「ZARD Tribute」でデビューし、坂井泉水の残したメッセージを、ファンに伝えている。年々進化を遂げる彼女たちから目が離せなくなった。
写真左＝10月10日（月・祝）Zepp Namba公演後のショット 掲載元 同日 神野友亜ツィッターより https:/
写真右＝10月23日（日）Zepp Haneda公演後のショット 掲載元 同日 杉岡泉水ツィッター https:/
今回の主題は、15年前の2007年5月27日に、40歳の若さでこの世を去ったZARDの坂井泉水から、トリビュートバンドのSARD UNDER GROUNDへ繋がる物語である。
前回 7月28日（木）SARD ＦＣイベント https:/
前年 SARD LIVE 2021年10月16日（土）https:/
ZARD坂井泉水からSARD UNDER GROUNDへ、10月23日（日）ＺＡＲＤミュージアム、SARDのライブレポート 羽田空港夜景 鉄道開業150周年展
今回は、10月23日（日）に訪れた都市部の各イベントや展覧会について紹介する。午前10時には、六本木で開催された「ZARD MUSEUM」の最終日に足を運び、坂井泉水の直筆歌詞からノート、写真まで、プライベートを紹介するコーナーだった。続いて訪れた場所は、港区郷土資料館、その次は、夜景撮影地となる羽田空港国際ターミナルである。最終4番目の舞台は、午後6時から始まるＳＡＲＤ UNDER GROUNDのライブ会場となる「Zepp Haneda」である。ＺＡＲＤの坂井泉水から、若いSARD UNDER GROUNDへと思いは確かに受け継がれていた。都市部で坂井泉水を感じる旅を振り返る。
目次
第1章 ZARD MUSEUM 知られざる作詞家坂井泉水の素顔
第2章 港区立郷土資料館、羽田空港国際ターミナルでのトワイライト夜景
第3章 SARD UNDER GROUND LIVE TOUR 2022 〜in the Twighlight〜 Zepp Haneda公演
舞台
・ZARD MUSEUM ZARDオフィシャルサイト https:/
・港区立郷土資料館ページ 特別展・企画展 https:/
・羽田空港第3ターミナル 夜景FUN https:/
・SARD UNDER GROUND LIVE TOUR2022 in the Twilight 会場Zepp Haneda
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第1章 ZARD MUSEUM 知られざる作詞家坂井泉水の素顔
10月23日（日）、朝方10時に六本木にあるビーイング鳥居坂スタジオにて、ZARD MUSEUM最終日が開催された。ZARDはデビュー2年目の1992年から1993年頃まで一時的に5人組みのバンド体制だった時期があった。ヴォーカルのインパクトの強さから坂井泉水のソロアーティストとしてのイメージが定着している。
会場内は、1時間半ごとの人数制限つきの入れ替え制だった。私は午前10時の会から参加した。撮影に関しては、スタジオ前に展示されたジャガー・Mk2のみ認められている。シングル「息もできない」のMusic Videoの撮影時に使用された車体である。
写真左＝ジャガー・Mk2(撮影者:私) 写真右＝SARD UNDER GROUNDのメンバー 掲載元 音楽ナタリー 2022年7月7日付 https:/
室内の方は、入場すると、いちはやく、トリビュートバンドの「SARD UNDER GROUND」の写真が飛び込んできた。メンバーはデビュー時4人だったものの、現在はヴォーカル、ベース、キーボードから成る3人体制である。共にビーインググループが開校した「GIZA MUSIC」の生徒だった。ZARDの曲を演奏する中、プロデューサーの長門大幸（ながとだいこう）氏に呼ばれて、デビューへ後押しされたのである。2019年3月に、スタジオでお披露目されたものの、正式デビューは、1stアルバム「ZARD Tribute」をリリースした同年9月18日だった。展示会では、ZARDが残した作品を後世に伝える存在として紹介されていた。
さて、主役の坂井泉水は、特大サイズの写真が、壁に立てかけてあった。アルバムのジャケットから、海外のロケの様子まで、多岐にわたる。彼女自身撮影のために出かけた際、小型のフィルムカメラを持ち歩き、写真を撮り続けたという。行く先々で新鮮な空気に触れ、新しい人々と出会いを通して、世界観を広げていた。
自作の歌詞を書いたノートは、ファイルの中にしっかりと保管されている。言葉を大切にしてきた彼女は、曲がついた後、実際歌ってみて、感触を確かめたのちに、修正をしていたという。
以下2枚の写真の掲載元 Memory〜ZARD/坂井泉水さん〜 止まっていた時間が動き出した 2008年8月15日（金）付け ZARD/BIRDMAN WEST�� #1２０
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写真左＝1995年頃 シングル「こんなにそばに居るのに」のレコーディング風景
写真右＝当時を再現したレコーディング風景
神奈川県秦野市で過ごした学生時代を振り返るコーナーもあった。衝立によって仕切られた中、正面には、秦野市立西中学時代に描いた花瓶の絵が展示されていた。中学生とは思えない程、繊細なタッチで、葉脈から花びらまで描かれている。衝立の内側には、表彰状が立てかけてあった。彼女が中学校2年生に当たる昭和56年2月11日に、第14回段位認定試験において、伝票算二段に合格している。
同じ中学2年生時の昭和55年6月1日に開催された第13回秦野市陸上競技大会において、女子中学校800m部門に参加し、2分40秒6の記録で、3位入賞を果たしていた。
短距離走においては、さらに良い成績を残している。同年7月27日に行われた秦野市民総合体育大会の女子中学校部門、200m走では、28秒5の記録で、優勝したのである。
ブレイク後テレビの前から姿を消したことにより、ZARDの坂井泉水は、物静かなイメージを持つ。学生時代は、スポーツが得意で、恋もしたことがあるという。何も特別変わった子ではなく、スポーツが出来て、美人な女子学生との評判だった。
展示室の中のガラスケースには、どこか懐かしいテレフォンカードが保管されていた。1stシングル「Good bye-My Lonelyness」、2ndシングル「もう探さない」、4thシングル「眠れない夜を抱いて」の3つのジャケットである。デビュー前の本名蒲池幸子（かまちさちこ）として活動していたカラオケクィーン時代の作品も2点置いてある。
写真左＝カラオケクィーン時代のテレカ 実際の展示品と一致 掲載元 1ST STYLEより
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写真真ん中＝1992年時 4ｔｈシングル「眠れない夜を抱いて」のジャケット
SPECIAL SALE (展示品と一致)
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写真右＝1991年時 シングル「もう探さない」のテレカ
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短大卒業1年目の1987年4月に、都内の不動産会社のOLとして就職した後、路上スカウトをきっかけに、レースクィーンとして活動する。彼女は、歌手になるための足がかりとして、芸能関係の事務所とコンタクトを重ねた。歌声を記録したデモテープが、ビーインググループの創設者長戸大幸（ながとだいこう）氏の目に留まり、歌手としてデビューに至ったのである。プロデューサーの方針から、作詞を任されると、ノートに書き溜めていた自作の詩を公開したという。小さい頃から、石川啄木の詩集を読みふけり、気づいたことをメモしていた。大人になり、ようやく詩人としての才能が開花したのである。
展示品の中で彼女の最期の様子を知る手がかりも隠されていた。白い布のカーテンに覆われた一室から、亡くなる1年前に調達した紫色の着物が飾ってあった。彼女自身が、注文したという。振り返ると、同じ2006年に生前最期となる44thシングル「ハートに火をつけて」のPV撮影において、自らウェディングドレスを着たい、とスタッフに思いを口にしたという。普段から寡黙だった彼女は、周りの人に要求することはなかった。坂井泉水の気持ちを汲み取り、ウェディングドレスを調達し、シングルのジャケット撮影に望んだ。39歳にして始めての花嫁姿だった。
写真左＝花嫁姿 詳細 2017年6月4日付 AERA dot. (アエラドット)
体調を崩したZARD・坂井泉水がウエディングドレスを着たがった理由
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写真右＝2006年時 44ｔｈシングル「ハートに火をつけて」のMVの一場面
人間は、死を悟る能力があるといわれている。彼女自身も、若くして永遠の旅立ちに備えて、事を進めていたのか、真相は分からない。今作詞家として改めて評価されるようになった。SARD UNDER GROUNDへと思いは受け継がれている。
第2章 港区立郷土歴史館、大田区羽田空港国際ターミナルでの夜景撮影
昼頃に向ったのは、港区立郷土歴史館だった。10月14日（金）から12月18日（日）までの日程で、特別展「鉄道開業150周年記念 人物でみる日本の鉄道開業が開催中である。
写真撮影が許可された特別展から2点紹介する。
写真 左側＝1872年の開業時の新橋駅 真ん中＝リチャード・プリジェンス氏の墓
右側＝1872年の開業時の横浜駅（現桜木町駅）
必 リチャード・プリジェンス氏（1810−1891）は、幕末から明治にかけての技師、新橋駅と横浜駅の設計を担当した。
写真＝鉄道開業新橋夜景図 作者 歌川芳虎 明治5年（1872年）
常設展と企画展を含め、じっくり見学した後、港区立郷土歴史館から距離にしておよそ2,1km先の品川駅まで徒歩で向った。京線電鉄に乗り、国際線羽田空港第3ターミナル駅で下車した。5階の展望室から、トワイライト空港夜景を狙う。
入国制限が緩和されたとはいえ、国際線の搭乗手続きをする人は少なかった。対照的にスーツケースを抱えた外国人観光客が、案内書で列を作って並んでいた。円安の影響により、我々日本人が海外へ行くには金銭的に負担がかかる。対照的に外国人観光客は、低価格にて日本で旅行できる。現にウクライナ情勢により、世界中で物価が高騰する中、日本の各商品の値上がり幅は最小限にとどまっていた。外国人観光客が、ショッピングセンターで、まとめ買いする様子が、テレビなどで映し出されている。
夜景のベストタイムは、午後5時13分から23分までの10分間、明るいうちにも、展望室のフェンス越しに撮影した。方角的には、東側に向ってシャッターを切る。時折、南の海側から飛行機が着陸態勢に入ると、フェンス越しにシャッター音が鳴った。夕暮れ時になると、背景の都市部のビル群が浮かび上がり、一味違う雰囲気になる。
写真左＝16時51分撮影 機体ジャパン・エアラインズ
写真中＝17時14分撮影
写真右 17時18分撮影 機体ジャパン・エアラインズ
トワイライトタイム中にも、飛行機が滑走路を移動していた。シャッター速度を落としている分、さすがに動いている飛行機はぶれてしまう。青みを帯びた空の下、静止した機体に、照明器具が当たると、より際立つようになる。
17時20分過ぎまで、滞在して、すぐに東京モノレールと京急電鉄の上り方面に一駅先の天空橋駅で降りて、ライブ会場のZeppHanedaへと足を運んだ。
第3章 SARD UNDER GROUND LIVE TOUR 2022 〜in the Twighlight ライブReport Zepp Hanedaより
参考記事、無記載写真の掲載元 オリコンミュージック https:/
午後６時に、Zepp Hanedaにて、予定時刻どおりライブが始まった。昨年を振り返ると、全て着席指定だったものの、今回はスタンディングが認められた。満員の1200人の観衆は、声を出さずに、手拍子を通して、場を盛り上げた。
1曲目は、最新のミニアルバム日の名残りに収録された「花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ！」続く2曲目は、同じミニアルバムの収録曲「擦り傷だらけの純情」である。共に作詞者は、ヴォーカリストの神野友亜、恋に燃えた主人公が、花火のように、一心に相手にぶつける様子が見えてくる。Cメロのサビの一節では「叶わぬ君への気持ちを捨てれば、幸せになれますか」と問いかけている。歌詞の結末は、タイトル名通り「花火よ燃え尽きて舞い上がれ！」だった。アップテンポな曲を序盤に披露することにより、緊張感が増す。続く「擦り傷らだけの純情」も、ロックチューン、歌詞の内容から、傷ついた主人公の心の叫びが聞こえる。
写真＝全体像 写真＝神野友亜
Bメロのさびの一節：擦り傷だらけの純情、打ちひしがれている感情、あなただけ、あなただけ、ここにいて、敗れたハートに鍵をかけ、ヒーロー気取りの良い男、いつまでもずるい笑顔がいとしくて」
思いが届かず、相手が憎くなってしまう。好きな人に振られると、自暴自棄になりやすい。ラストとなるCメロのサビでは、次の表現で締めくくっている。「いつだって用意周到、拳銃みたいなものさ、優しい弾込めてよ 愛溢れる弾込めてよ 新しい弾込めないと錆付いちまうんだよ」
相手への猛アタックを、拳銃から発射される弾にたとえている。何度も弾を発射しても、命中しなければ、射止められない。次第にその拳銃も捨てられ、錆びて使えなくなる。装填する弾と同じように、人間のエネルギーも限りがある。作詞者は、恋に情熱を傾ける主人公の姿を実にテンポよく描いていた。
激しいナンバーを2曲披露すると、一端ステージ上のメンバーも手を休めた。ヴォーカリストの神野友亜は、「皆さんにお会いできて本当に嬉しいです。今日は楽しんでいってください」と挨拶をする。
ZARDのカバー曲「世界はきっと未来の中」、「IN MY ARMS TONIGHT」「もう少し あと少し…」「揺れる想い」の4曲が続いた。
神野友亜は、MCで次のように述べていた。「ZARDの坂井泉水さんの曲を聴くたびにもっともっと良さがわかってきました」
神野友亜自身、作詞家目線に立ち、坂井泉水の歌詞を読み込んでいる。若者の恋愛や友情をテーマにした坂井泉水の世界観を引き継ぎ、2021年以降自らも作詞家として挑戦した。最初に発表した曲が、ZARDの丁度デビュー30年目の記念日となる2021年2月10日に3rdシングルとしてリリースした「ブラックコーヒー」だった。ゆったりとしたテンポの曲は、街中の落ち着いたカフェの雰囲気をかもし出している。 Ｂメロのサビの一節「I Want to grow up 嫌いだったブラックコーヒー、いつの間にか好きになっていた。抱えている重たいもの二人で半分にしよう ずっとあなたとミルク色の夢を見たい」
写真左側 ブラックコーヒーのＭＶの一場面 掲載元 fumi Diary 2号店
ロケ地note 2021年9月5日付け http://
写真右側 主題歌を担当したショートアニメ「おかしなさばくのスナとマヌ」の一場面
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ブラックコーヒーといえば、苦味が特徴的である。いかにミルクを中心に、クリームなどを入れて、甘い味に仕上げるのか、バリスタの腕の見せ所だ。歌詞の中に登場する主人公の女性が、何もないブラックな状態から、ミルク色の甘い恋をするまでのストーリーである。
主人公の若い女性は、カフェで偶然見かけた男性に一目ぼれして、そっと様子をうかがっていた。隣の席に座り、何気なく、声をかけて、アプローチを開始した。
Ａメロのサビの歌詞の一節では、「偶然を装って何度も会いに行った」と書いている。相手の男性側も、主人公の女性との出会いを期待して、時間と場所を変えずに同じカフェに通い続けたに違いない。
何度も顔を合わすうちに、主人公の女性の方が、勇気をもって男性にアタックした。
二人の行方を最後のサビの一節で次のように表現している。「恋する世界はストロベリーのように想像した色で想像した香りに包まれていたい。夜は寒くても体は熱くなる。寒い夜は朝まで抱きしめて」
カフェで出会った二人は結ばれたのか、読者の想像にお任せである。作詞者神野友亜は、読み手が結末を決められるように余白を残していた。
物語の結末を読者にゆだねる坂井泉水と同じ手法を神野友亜も使っていたのである。
MCに入ると、3人は笑顔を交えながら、秋の季節について語る。真っ先に出てきたのは食べ物だった。坂本ひろ美（key）は好物について「梨、柿、イチジクなどの果物」と述べた。杉岡泉美（Ba）は「お芋」と端的に答えた。一方神野友亜（Vo）は、「オレンジが好きなので、紅葉を一人旅とかで見に行きたい」と希望を語った。メンバー3人で最もツィッターの更新頻度が高いのは神野友亜である。彼女は、休みの日に地元の滋賀県彦根市に帰省した際にも、写真をアップしている。高校3年時から住居を構える夕暮れ時の大阪の街中を写した写真も公開している。杉岡泉美は、ファンに対して、「めっちゃ上手くないですか？」と問いかけた。コロナ時代のライブにおいて、声を出すのは禁止、ファンは首を立てに振って、頷いていた。客席からの反応を見て、神野友亜は「皆さん、そういうのが嫌じゃなければ（これからも）載せてもいいですか？」と聞いた。客席から拍手喝采が起こった。彼女はライブ後、しばしの休暇中に訪れた琵琶湖に浮かぶ竹島行きのフェリーでの自撮写真、または11月8日（火）の20時代に皆既月食の写真を公開した。2022年9月に発売されたIPHONE14proで撮影しているという。
写真左＝2022年9月5日に投稿された写真 掲載元 神野友亜 オフィシャルツィッターhttps:/
写真右＝2022年11月28日付 杉岡泉美とのカフェで2ショット
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11曲目に披露された「恋が待ち伏せしていた午後」は、明るいポップナンバーである。ミニアルバム「日の名残り」に収録された曲は、先行してショートアニメ「おかしなさばくのスナとマヌ」の主題歌としてONAIRされていた。Aメロの一節「神様はパレットいっぱいの色で世界を描いた。影まで温かいその絵には運命がたくさん眠っている」
天上の神様は、色彩豊かな世界を作った。我々人の世界では個性に例えられる。坂井泉水のように、容姿や運動能力、作詞能力に恵まれた方もいれば、南米やアフリカの貧民街に産まれ、生活も間々ならない子供も存在する。産まれた環境は変えることはできない。与えられた能力を最大限に発揮することが求められる。また産まれた国や地域に問わず、先天性の体に障害を持って生まれてくる子供もいる。第2次世界大戦後、経済発展に伴い、社会にゆとりが出てくると、障害をサポートする体制が整った。21世紀以降、体は健康でも、自閉症や発達障害など、社会生活に馴染めない人たちの存在が認識された。今、障害を個性と理解し、長期的かつ包括的に支援する取り組みが始まっている。
物語の主人公は、青年期の若者である。恋をすることによって、物の見方が変わっていた。
Aメロの一節：君に出会うまでの私は、モノクロの世界に生きていたみたいだったよ。こんなにもきれいな色があるとは知らずに
一人ぼっちで空虚な日々を送る主人公が、好きな人に出会い、目の前の景色が一変する。
Cメロのサビの一節：恋が待ち伏せていた午後に勇気絞りだせてよかった。溢れ出す君への想い、はちみつ頬張った時のよう、Ah ときめき感じていたい 振り返らず歩いていこう、（略）愛に満ちた物語であるように
黙っていても時だけが過ぎていく。思いっきり相手に気持ちを打ち明けた際、蜂蜜を舐めたときのように、甘い香りがした。恋する二人は、共に将来を歩んでいった。
ライブの方は、オリジナル曲とZARDのカバー曲を程よく織り交ぜながら進んでいく。13曲目のイチゴジャムでは、杉岡泉水の肩に手を乗せながら、ステージの客を見つめながら熱唱した。続く14曲目の「空っぽの心」は、名探偵コナンのエンディング曲、ミステリアスな雰囲気が漂う。空っぽの心は、幼馴染の新一を待つヒロインの毛利欄の姿と実に合わさる。
写真左＝空っぽの心をイメージした3人のメンバーと名探偵コナンのイラスト 掲載元ツィッターうしおushio 2022年6月14日付 https:/
写真真ん中＝空っぽの心のＭＶの一場面
写真右＝撮影地 山手迎賓館 神戸 掲載元 fumi Daily 2号店 2022年5月28日付
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Cメロのサビ：空っぽの心に愛をリロードしていく、君は美しい、愛を絶え間なくくれるの。さえぎるものがない私は、気付けばとまらない、だってもう既に君を愛しているの。あぁ、空っぽの心で」
新一を追い求める蘭は、もはや心を変えさせることはできない。気付けば、彼は小学校1年生の江戸川コナンとして、姿を見せてくれる。蘭は、窮地に陥ったとき助けてくれるコナンを心強い弟とみていた。
ZARDのヒットナンバーを熱唱し、アンコールには「遠い日のNostalgia」を披露した。都会に出た若者が、故郷を振り返る様子を綴った同曲は、作詞者坂井泉水の故郷秦野市の田園風景と重なる。小田急線で新宿まで一本でアクセスできる同市は、秦野盆地を走る小田急線の駅前を中心に、ベッドタウンとして開発された。一歩離れ、丘陵地を歩くと、昔ながらの里山の風情が残る。牧場と共に、水車小屋、畑と田んぼが隣り合い、古い一軒屋が並ぶ。見晴らしの良い丘は、夕暮れ時に灯りが瞬く秦野盆地の町並みを一望できる。坂井泉水は、都会の喧騒から離れ、デビュー後もしばらく秦野市で暮らしていた。ブレイク後、テレビから姿を消し、静かに作詞にも取り掛かった。今、坂井泉水を倣い、SARD UNDER GROUNDが役割をしっかり引き継いでいる。
写真＝秦野市今泉町からの田園風景
2021年6月19日（日） 2022年11月3日（水・祝）
アンコール２曲目、最後に披露するのは「Don’t you see」、明るい未来へ突き進む若者への応援歌は、1997年1月6日に19thシングルとして発売された。彼女がブレイクしたのは、1993年1月26日にリリースされた6thシングルの「負けないで」だった。日本は平成の大不況に陥り、戦後うなぎ上りに上昇した経済成長率が、初めてマイナスに転じた。資金繰りに行き詰った企業が、事業規模の縮小、または新規採用人数を抑えた結果、若者の就職難に見舞われた。不景気から抜け出せず、暗いトンネルに迷い込んだ中、坂井泉水は、歌を通してエールを送った。日本は、1991年のバブル崩壊から、先進国では唯一賃金は上がっていない。少子高齢化が進む中、いかに少ない若者が、働いて経済を支えるか、日本の未来を左右する。SARD UNDER GROUNDのメンバーは、2019年9月18日に１ｓｔアルバム「ZARD Tribute」でデビューし、坂井泉水の残したメッセージを、ファンに伝えている。年々進化を遂げる彼女たちから目が離せなくなった。
写真左＝10月10日（月・祝）Zepp Namba公演後のショット 掲載元 同日 神野友亜ツィッターより https:/
写真右＝10月23日（日）Zepp Haneda公演後のショット 掲載元 同日 杉岡泉水ツィッター https:/
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