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2023年10月24日11:25
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90年ぶりに返却された本 SNSで絶賛！親子2世代にわたる38年間ぬいぐるみの思い出、日本経済と共に
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10/24(火曜日）
今回は、SNSで話題になった2つの記事を紹介する。一つは米・ニューヨーク州リッチモントの図書館で90年ぶりに返却された本、もう一つはSNSで大絶賛された親子2世代にわたるぬいぐるみの思い出である。
第1章のテーマとなる公共の図書館は、市民権さえあれば、誰でも気軽に利用できる。運営において、利用者のマナーに委ねられ、借りた本を持ちっぱなしにしても、罰則はない。期日を守らない利用者が多くなると、貸し出しが滞る。90年ぶりに返却された本の出来事を持ち出して、図書館側は、改めて期日を厳守するように呼びかけた。
次に第2章で取り上げたぬいぐるみは、キーホルダーや置物代わりになる一方、時には家族の一員として迎えられる。近年大人の男性の間でもぬいぐるみ好きを公言するようになった。一組の家族の心温まる物語を紹介する。
目次
・� �90年間延滞した本が返却される 米・ニューヨーク州ラーチモンド市にて
第1章 図書館にて90年振りに本が返却される 当時1933年の経済 ニューディール政策
第2章 図書館を利用するうえでのマナー
・�◆．優奪箸農篁燭陵髻�38年間親子2世代にわたるぬいぐるみへの特別な思い
第1章 ぬいぐるみ「ぴー」がきた経緯 オイル・ショックからプラザ合意、バブルへ
第2章 バブル崩壊、娘の誕生
� �90年間延滞した本が返却される 米・ニューヨーク州ラーチモンド市にて
以下 本文で取り上げるニューディール政策について
・2023年2月5日付 ZARDの坂井泉水とバブル経済 3部作（前編）6thシングル「負けないで」をMステで熱唱して丁度30年 アメリカ経済レーガノミックス プラザ合意 世界大恐慌からニューディール政策
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・参考記事 BIGLOB NEWS 2023年10月17日付 https:/
第1章 図書館にて90年振りに本が返却される 当時1933年の経済 ニューディール政策
アメリカのニューヨーク州ラーチモント市でのこと、1926年に開館した公立図書館にて、義父が借りっぱなしにしていた本を、90年ぶりに返却した出来事があった。日本を含め、ヨーロッパでもニュースが発信されている。
写真＝ニューヨーク州ラーチモンド市の場所 掲載元 英語のサイトhttps:/
アメリカの公立図書館では、返却期限を守らなければ、延滞料金が発生する。義父の遺品整理の際、借りっぱなしの本を返却した男性は、延滞料金の上限により、経済的負担はほとんどなかったという。
場所は、ニューヨーク・シティ郊外のラーチモント市の公共図書館である。返却された書物は、1933年に行方がわからなくなっていた「ジョセフ・コンラッド著の『Youth and Two Other Stories』（日本語訳未出版）」だった。
本が紛失した1933年、アメリカは、大恐慌の影響により、失業者が増加していた。当時のフーバー大統領は、古典経済学に基づき、景気には波があると主張し、税金の投入をためらい、失業者を放置する。住む家を失った人々が、路上でテントを張り、寝泊りする生活を送っていた。名づけて「フーバー村」という。
失業者を救出するべく、立ち上がったのは、フランク＝ルーズヴェルトだった。民主党公認として大統領選に出馬し、共和党の現職フーヴァーと一騎打ちになった。民衆に経済再生の期待を託され、共和党の現職フーヴァーを破り、同1933年3月4日に第32代大統領として就任した。
写真 掲載元 X（旧ツィッター）2022年10月5日付 室生暁（解剖学者）
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ルーズヴェルトに求められたのは、大恐慌からの経済立て直すための、新政策である。日本語で新規まき直しを意味する「ニューディール政策」を発表し、議会の承認を得て、早速実行に移した。最初に取り組んだのは、失業者の削減である。公共事業を興すことにより、フーヴァー村の住民に仕事を与える。目玉となる公共事業は「テネシー川開発公社（TVA)」だった。1933年5月にアメリカ議会にて、承認され、早速着工した。テネシー川流域のダム建設に伴い、治水事業を始め、植林を行う。地域産業を興し、雇用を増やしたのである。TVAによって２０のダムが造られ、電力供給は安定し、農業生産性は向上した。
選挙選の公約どおり、労働者にも歩み寄った。1933年に、全国産業復興法(NIRA)により、各産業ごとの企業団体に協定（公正行為コード）を結ばせる。商品価格の適正化により、労働者の賃金を安定化させた。企業に対して、監督権を与える全国復興局(NRA)を設立し、週の労働は40時間、違法な残業や賃金未払いを厳しく取り締まった。。新規雇用において、公共事業局(PWA)を設立し、道路、学校、病院などを建設した。
企業が安い労働力として登用を防止するべく、法整備を行った。NIRA第７条において、労働組合結成および団体交渉の権利を認めた。
労働者に歩み寄った法律は、一部の大地主や企業家は頑なに反対し、「自由主義の原則に反する」と批判し、裁判所に提訴した。１９３５年に最高裁判所の違憲判決によって全国復興局（ＮＲＡ）は解散した。
代わりに1935年7月にワグナー法を制定する。NIRAと比べて、行政が企業へ監督する権利は、いくらか抑えられた。労働者の団結権・団体交渉権・ストライキ権は引き続き認められる。組合の代表権に多数決原理を採用した。労働者の権利を国家的に保障する機関として「全国労働関係委員会」（ＮＬＲＢ）に広範な権限を付与した。雇用者の「不当労働行為」（組合に対する干渉、抑圧、強制、援助、妨害、雇用条件による差別、組合活動を理由とした解雇、団体交渉の拒否）を禁止した。ワグナー法のねらいは、労働者の購買欲を高めることによる、景気浮遊を計ることにある。ワグナー法により、アメリカ国内で労働運動が組織化した。組合運動をめぐって旧来のアメリカ労働総同盟（ＡＦＬ）が分裂し、産業別組織会議（ＣＩＯ）が生まれる。１９３８年には公正労働基準法が改めて制定されて、最低賃金（全業種で８年後に４０セント）、労働時間（３年後に週４０時間）が統一された。
ワグナー法 詳細 世界史の窓 https:/
1935年に「ワグナー法」を制定し、
写真＝開発前後のテネシー川流域の山
掲載元 TVA物語 http://
大恐慌から脱したとはいえ、弊害も大きかった。大地主に利権が行き渡ってしまい、労働分配率が低かったのである。結果的には貧富の差が拡大したのである。
ルーズヴェルト大統領のニューディール政策は、富の偏在により、労働者層と経営陣との所得格差が拡大した。国内の多数派を形成する労働者層は、利益を独占する地主を初め経営陣に利用されているとの感覚を抱いていたのである。労働者層を、対外関係に目を向けさせるべく、植民地獲得の利権めぐりから始まった「アジア・太平洋戦争」に突き進んだといえる。ルーズヴェルトは、1940年11月に、史上初めて三選を果たし、戦時中の1945年4月に死去した。同年8月15日に、大日本帝国の降伏により、戦争は終結した。アメリカ至上最も在任暦が長く、戦勝へ導いた大統領として、後世に名を刻んだ。今なおアメリカは、世界の経済を牛耳る存在として君臨する。
第2章 図書館を利用するうえでのマナー
ラーチモント公立図書館にて、本が借りられた時代の1933年は、アメリカ経済の転機となる年だった。
借主の義父は、45年前の1978年にこの世を去り、そのまま本棚で眠っていた。長く放置されていたにも関わらず、遺品整理のために本棚を空けた義理の息子は、背表紙に貼り付けられた図書館名に目を留めた。借りたものを返すとの常識から、延滞料金のことを頭に入れずに、連絡したのである。
アメリカ国内の図書館において、利用者には返却日を厳守するように求めている。ラーチモント図書館の延滞料金は1日あたり20セント（約22円）に設定された。単純に1日辺りの延滞料金を換算して、90年に達すると、6,500ドル（約97万円）近くにも達する。ところが、現在のラーチモント公立図書館において、延滞料金の上限が5ドルに設定されていた。
借主が亡くなっても、遺産を受け継ぐ親戚に、支払い義務が生じる。ラーチモント図書館において、延滞料金の安さから、返却日を守らない利用者が多いという。90年ぶりに返却された本を大々的にアピールを展開し、「貸し出し期日を守る」ように訴えた。
写真＝ラーチモンド公立図書館で50年ぶりに返却された本 掲載元 ラーチモンド図書館のfacebookより 2023年10月12日付 https:/
日本の公立図書館では、一冊あたり利用機関は2週間と定められている。次に借主がいなければ、延長できる仕組みである。
CDやDVD＆ブルーレイを含め、光ディスクを取り扱うレンタルショップ「TSUTAYA」のように、公共図書館では、原則延滞料金は発生しない。借主は期日を意識せず、返却日を過ぎても所有していることが多い。
人気の図書では、常に借りたい人がまっている。図書館側は、利用者の要望にこたえるべく、経費を使って、新たに同じ書物を購入し、回転を早くする。結果的に利用者の延滞発生は、経費圧迫に繋がっていた。公共の図書館を利用するうえで、他人に配慮した利用を心がけるべきである。
過去にアメリカでは、110年前の本が公共図書館で戻ってきたことがあるという。イギリスでも50年ぶりに返却された本が、国内で話題になった。
米・ニューヨーク州ラーチモンド市の公立図書館の出来事は、ネットニュースを通して、遠い日本に住む人々にも知られるようになった。利用者は、「借りた本を期日まで返す」との原則に立ち返らなければならない。今日本の公共図書館は、民間事業者を呼び込み、カフェを併設するなど、画期的な運営を試みている。公共事業である以上、利益を追求はしない。運営の目的は、良書を手に取ることにより、活字に触れ、思考力を高めると共に、人間性を育むことにある。今改めて、図書館の利用マナーが求められている。
�◆．優奪箸農篁燭陵髻�38年間親子2世代にわたるぬいぐるみへの特別な思い
我々の生活において馴染み深いぬいぐるみは、表情が豊かな分、感情移入しやすい。時には、兄弟や子供を含め、家族の一員のように見てしまう。
ぬいぐるみに対する見方は、ある一組の家族によるエピソードにより、一般人の間でも大きく変わろうとしている。今回詳しく紹介する。
詳細 画像掲載元 ねとらぼ 2023年10月8日（日）11時公開 うさぎのぬいぐるみがつないだ遠距離恋愛が感動的と話題 メーカーも「すてきすぎる」「まるで絵本のよう」と反応 {宮原れい｝
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画像掲載元 Xユーザー ぴーちゃん https:/
ぬいぐるみ関連日記
2023年6月9日付 ZARDの坂井泉水とバブル経済第7回目 戦後復興期、6月4日（日）横浜市都筑区のアジサイ、中区山手西洋館 花と器のハーモニー展2023〜果てしない夢を〜 リリース30周年記念ZARD WANDS
第2章 （3）みなとみらい より
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写真＝上記の日記より 横浜人形の家で展示されたぬいぐるみ作家「ひがしちか」氏のもとにいた名前「ボー」 撮影者私 2023年6月4日（日）より
第1章 ぬいぐるみ「ぴー」がきた経緯 オイル・ショックからプラザ合意、バブルへ
ぬいぐるみに対する思いを発信したのは、Ｘ（旧ツィッター）のユーザー、ぴーちゃんである。私生活においては、一人の女の子を成人になるまで育て上げた母親だという。
その母親「ぴーちゃん」のぬいぐるみに関するエピソードは、1985年3月まで遡る。当時日本経済は、1978年末以降のOPEC（石油輸出国機構）の石油価格の段階的引き上げによる、オイル・ショックから立ち直っていた。翌79年2月には、イラン革命が起こり、イスラム原理主義者ルッラー・ホメイニー元帥が権力を握り、OPECに同調し、石油減産体制をとった。79年から宗派の違いや領土問題により、隣国イラクとの対立が先鋭化し、戦争に発展する。イラン・イラク戦争の影響も重なり、79年から82年までの間石油価格は2，7倍に跳ね上がった。73年に続き、石油価格が急騰したことにより、第2次オイル・ショックという。日本経済は、オイル・ショックの間じっと耐え抜き、83年頃から再び軌道に乗り始める。得意の物作り技術を生かして、海外へと輸出することにより、外貨を獲得していた。為替相場を円高へと誘導する85年9月22日のプラザ合意まで、1ドル200円台のドル円相場に支えられ、自動車産業を含め、輸出企業の業績は軒並み好調だった。
写真 掲載元 THE SANKEI NEWS 2020年7月29日 プラザ合意後「2度目の敗戦」外圧が生んだバブル経済 https:/
以下プラザ合意に関して書いた日記 2023年2月6日付け ZARDの坂井泉水とバブル経済 3部作(中篇）2月6日は坂井泉水の56回目の誕生日、高度経済成長期、バブルの始まり https:/
このたびＸで話題になったユーザー「ぴーちゃん」は、新年度を迎える前の1985年3月に転機を迎えた。心を通わせていた彼氏が、大学進学のため上京することになったのである。いつもそばにいてくれた彼氏が、離れてしまうことに一抹の不安を抱いていた。そこで、自分の身代わりとして、ウサギのぬいぐるみを渡した。
写真＝うさぎのぴー 掲載元 2023年10月3日付 X投稿記事 https:/
そのぬいぐるみは、パペットとなり、腹部を押すと、声変わりに「ピー」と鳴るという。彼氏は、快く受け取り、4月からの新生活において、そのパペットのぬいぐるみを、いつもそばに置くようになった。彼氏自身が鳴き声から、ウサギの名前を「ぴー」と名づけた。学生生活の長い休みの間、うさぎの「ぴー」と共に帰郷したという。ピーを通して、東京での暮らしについて、語った。短い休みの間、レストランでデートした際、背もたれのついた椅子にぴーを置いていた。店員さんから「かわいいですね」と声をかけられることもあったという。近くで小さい子が鳴いていると、一時的にぴーを連れ出した。丸くふっくらとした顔かたちに、つぶらな瞳のぴーは、子供を慰める効果があった。
写真＝ピーと鳴き声を発する際のぴー 2023年10月3日付X投稿 https:/
Ｘで話題になったユーザー「ぴーちゃん」は、上京した彼氏と、距離が離れていても、心は常に通じていた。二人を取り持ったのは、パペットのウサギ「ぴー」だったのである。遠距離の二人を繋ぐ「架け橋」として、存在しつづけていた。Xユーザー「ぴーちゃん」は地元で、彼氏は東京で、それぞれピーを通して、互いに思いながら、日常生活を送った。時はバブル期、土地神話によって、不動産売買が盛んに行われていた。銀行の貸し出し審査が簡略化したことにより、企業側もリスクを考えずに、投資を行う。事業規模の拡大により、新卒の若者は引く手あまたの状況だった。右肩上がりで経済成長を遂げる時代に青春を謳歌した。
第2章 バブル崩壊、娘の誕生
二人の間に「ぴー」がやってきて6年後の1991年、日本のバブルが崩壊する年に、籍を入れた。日経平均株価は89年12月29日に記録した3万8957円をピークに、下がり始めていた。90年3月27日に大蔵省を通して、民間銀行に行き過ぎたお金の貸し出しを制限する「総量規制」を敷いたことにより、土地の売買頻度は低下した。1990年10月ごろに景気指数は下がった。91年夏ごろから地価も下がり始めた。
確かに一部の経済界の大物や、証券会社のトップ、大企業の経営陣の間では、バブル崩壊の前兆を察していた。一般の人々の間では、買った土地が、一時的に下がっても、ふたたび上昇すると信じられていたのである。93年には、多くの人々の間で、「バブル崩壊」に気付き、同年4月から企業側は軒並み新規採用人数を減らした。事業規模縮小によるリストラ刊行により、失業者が溢れたのである。
写真 掲載元 投資の森 https:/
日本の経済が混乱期を迎える中、上京した彼氏と無事に結ばれたＸのユーザー「ぴーちゃん」は、バブル崩壊を経験しながらも、無事に娘を育て上げた。娘自体も、両親の間を取り持ったうさぎの「ぴー」に感情移入し、自室に置いていたという。体も心も成長する娘を、うさぎの「ぴー」は黙って見守っていた。
時は過ぎて、娘も成人して、親元から自立するようになった。日本経済は、バブルの後遺症が長く続いていた。93年以降新卒での就職を逃した若者が、非正規雇用で働き、中年になり、将来の年金支給額の不足に伴い、老後に不安を抱えるようになった。2013年に転機を迎えた。当時の安倍晋三首相と、黒田東彦日銀総裁の下で、デフレ脱却のための金融政策を行った結果、為替相場を円安へと誘導した。輸出企業の業績が改善し、企業の株価を押し上げ、都市部の一等地を中心に土地の値段も上昇したのである。恩恵を受けるのは、一部の大企業の従業員と投資家にとどまった。一般の人々には、景気の良さを実感できず、バブル崩壊後の暗いトンネルから抜け出せずにいた。
バブル後に生まれたXユーザー、ぴーちゃんの娘は、日本の経済成長を知らない世代である。親世代と比べると、子供の頃からパソコンやスマホに触れていた。メールやLINEを通して、遠距離の仲間との連絡もとりやすい時代になった。自身の下には、産まれた頃からうさぎの「ぴー」がいた。
自分が躓いたとき、落ち込んだときも「ぴー」によって慰められた。人生の伴侶ともいえる「ぴー」は一体どこから来たのだろうか、ふとした拍子に、ルーツを探りたくなり、ネットで検索するようになった。
Ｘ（旧ツィッター）やFace bookなど、日常を発信するコンテツの増加に助けられ、ぬいぐるみ「ぴー」の産みの親が、老舗の人形メーカー「吉徳」であることを突き止めた。当時パペットのうさぎのぬいぐるみを「キャンディ」の名で世に送り出していたのである。
奇しくも2023年に、一時は生産がとまったキャンディを、再び蘇らせていたのである。生産元の吉徳は、昭和〜平成初期のぬいぐるみを忠実に再現した「レトロこれくしょん〜思い出のぬいぐるみ〜」と銘を打って、キャンディシリーズを、令和の子供たち向けに送り届けていたのである。
Ｘのユーザー「ぴーちゃん」の成人した娘は、うさぎのぬいぐるみ「ぴー」のルーツを知り、再び作られていたことに、感激したという。令和時代になり、昭和産まれの「ぴー」の妹として、購入した。
自分が小さい頃、うさぎの「ぴー」にいつか妹が出来たらと、願っていた。大人になり、それが叶ったことで、喜びはひとしおだった。
写真＝ぴーとその妹 10月3日付 X投稿記事
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早速、妹が手に入った気持ちを、母親に伝えた。母親も、1985年3月に我が家にきたウサギの「ぴー」に対する思いは同じだった。ぴーは、我が家で昭和から平成、令和へと3つの時代を共に生きてきたのである。母親の「ぴーちゃん」は、より多くの人々に、出来事を伝えるため、新たにX（旧ツィッター）のアカウントを作成した。早速これまでの出来事を簡潔に文章にまとめて投稿した。新規ユーザーにも関わらず、投稿からすぐに、他のユーザーの目にとまり、次第に共感の輪が広がっていった。
一つのSNSコンテツであるX（旧ツィッター）から、一般のネットニュースにも取り上げられるようになった。生産元の吉特にも情報が入り、社員一同で公式アカウントに、以下の内容のコメント文を掲載した。
「なんて素敵すぎるお話…！！まるで絵本のよう ぬいぐるみ部門一同、感動の嵐です」と気持ちを伝えた。
Xユーザー「ぴーちゃん」家族一同に向けて、「どうかこれからもご家族一緒に、ピーちゃんとキャンディを可愛がってあげてくださいね」とお言葉を述べた。
社員一同のコメント文 詳細 吉徳 Xアカウント 2023年10月3日午後2時18分 https:/
写真＝吉特 Xアカウント 2023年9月29日付 https:/
表情豊かなぬいぐるみは、時に家族のように大切にされる。確かに言葉を発することはなく、時がたっても、姿形はそのままである。反対に、我々人は、月日が立つに従い、子供から大人へとステップアップし、やがては老いていく運命にある。ぬいぐるみは、いつの時代も変わらずに、静かに寄り添ってくれた。今大人の間でも、ひそかにぬいぐるみブームが起きている。
■90年間延滞した本が図書館に返却 「早く他の本も返して」司書が訴え
(Sirabee - 10月24日 08:30)
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今回は、SNSで話題になった2つの記事を紹介する。一つは米・ニューヨーク州リッチモントの図書館で90年ぶりに返却された本、もう一つはSNSで大絶賛された親子2世代にわたるぬいぐるみの思い出である。
第1章のテーマとなる公共の図書館は、市民権さえあれば、誰でも気軽に利用できる。運営において、利用者のマナーに委ねられ、借りた本を持ちっぱなしにしても、罰則はない。期日を守らない利用者が多くなると、貸し出しが滞る。90年ぶりに返却された本の出来事を持ち出して、図書館側は、改めて期日を厳守するように呼びかけた。
次に第2章で取り上げたぬいぐるみは、キーホルダーや置物代わりになる一方、時には家族の一員として迎えられる。近年大人の男性の間でもぬいぐるみ好きを公言するようになった。一組の家族の心温まる物語を紹介する。
目次
・� �90年間延滞した本が返却される 米・ニューヨーク州ラーチモンド市にて
第1章 図書館にて90年振りに本が返却される 当時1933年の経済 ニューディール政策
第2章 図書館を利用するうえでのマナー
・�◆．優奪箸農篁燭陵髻�38年間親子2世代にわたるぬいぐるみへの特別な思い
第1章 ぬいぐるみ「ぴー」がきた経緯 オイル・ショックからプラザ合意、バブルへ
第2章 バブル崩壊、娘の誕生
� �90年間延滞した本が返却される 米・ニューヨーク州ラーチモンド市にて
以下 本文で取り上げるニューディール政策について
・2023年2月5日付 ZARDの坂井泉水とバブル経済 3部作（前編）6thシングル「負けないで」をMステで熱唱して丁度30年 アメリカ経済レーガノミックス プラザ合意 世界大恐慌からニューディール政策
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・参考記事 BIGLOB NEWS 2023年10月17日付 https:/
第1章 図書館にて90年振りに本が返却される 当時1933年の経済 ニューディール政策
アメリカのニューヨーク州ラーチモント市でのこと、1926年に開館した公立図書館にて、義父が借りっぱなしにしていた本を、90年ぶりに返却した出来事があった。日本を含め、ヨーロッパでもニュースが発信されている。
写真＝ニューヨーク州ラーチモンド市の場所 掲載元 英語のサイトhttps:/
アメリカの公立図書館では、返却期限を守らなければ、延滞料金が発生する。義父の遺品整理の際、借りっぱなしの本を返却した男性は、延滞料金の上限により、経済的負担はほとんどなかったという。
場所は、ニューヨーク・シティ郊外のラーチモント市の公共図書館である。返却された書物は、1933年に行方がわからなくなっていた「ジョセフ・コンラッド著の『Youth and Two Other Stories』（日本語訳未出版）」だった。
本が紛失した1933年、アメリカは、大恐慌の影響により、失業者が増加していた。当時のフーバー大統領は、古典経済学に基づき、景気には波があると主張し、税金の投入をためらい、失業者を放置する。住む家を失った人々が、路上でテントを張り、寝泊りする生活を送っていた。名づけて「フーバー村」という。
失業者を救出するべく、立ち上がったのは、フランク＝ルーズヴェルトだった。民主党公認として大統領選に出馬し、共和党の現職フーヴァーと一騎打ちになった。民衆に経済再生の期待を託され、共和党の現職フーヴァーを破り、同1933年3月4日に第32代大統領として就任した。
写真 掲載元 X（旧ツィッター）2022年10月5日付 室生暁（解剖学者）
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ルーズヴェルトに求められたのは、大恐慌からの経済立て直すための、新政策である。日本語で新規まき直しを意味する「ニューディール政策」を発表し、議会の承認を得て、早速実行に移した。最初に取り組んだのは、失業者の削減である。公共事業を興すことにより、フーヴァー村の住民に仕事を与える。目玉となる公共事業は「テネシー川開発公社（TVA)」だった。1933年5月にアメリカ議会にて、承認され、早速着工した。テネシー川流域のダム建設に伴い、治水事業を始め、植林を行う。地域産業を興し、雇用を増やしたのである。TVAによって２０のダムが造られ、電力供給は安定し、農業生産性は向上した。
選挙選の公約どおり、労働者にも歩み寄った。1933年に、全国産業復興法(NIRA)により、各産業ごとの企業団体に協定（公正行為コード）を結ばせる。商品価格の適正化により、労働者の賃金を安定化させた。企業に対して、監督権を与える全国復興局(NRA)を設立し、週の労働は40時間、違法な残業や賃金未払いを厳しく取り締まった。。新規雇用において、公共事業局(PWA)を設立し、道路、学校、病院などを建設した。
企業が安い労働力として登用を防止するべく、法整備を行った。NIRA第７条において、労働組合結成および団体交渉の権利を認めた。
労働者に歩み寄った法律は、一部の大地主や企業家は頑なに反対し、「自由主義の原則に反する」と批判し、裁判所に提訴した。１９３５年に最高裁判所の違憲判決によって全国復興局（ＮＲＡ）は解散した。
代わりに1935年7月にワグナー法を制定する。NIRAと比べて、行政が企業へ監督する権利は、いくらか抑えられた。労働者の団結権・団体交渉権・ストライキ権は引き続き認められる。組合の代表権に多数決原理を採用した。労働者の権利を国家的に保障する機関として「全国労働関係委員会」（ＮＬＲＢ）に広範な権限を付与した。雇用者の「不当労働行為」（組合に対する干渉、抑圧、強制、援助、妨害、雇用条件による差別、組合活動を理由とした解雇、団体交渉の拒否）を禁止した。ワグナー法のねらいは、労働者の購買欲を高めることによる、景気浮遊を計ることにある。ワグナー法により、アメリカ国内で労働運動が組織化した。組合運動をめぐって旧来のアメリカ労働総同盟（ＡＦＬ）が分裂し、産業別組織会議（ＣＩＯ）が生まれる。１９３８年には公正労働基準法が改めて制定されて、最低賃金（全業種で８年後に４０セント）、労働時間（３年後に週４０時間）が統一された。
ワグナー法 詳細 世界史の窓 https:/
1935年に「ワグナー法」を制定し、
写真＝開発前後のテネシー川流域の山
掲載元 TVA物語 http://
大恐慌から脱したとはいえ、弊害も大きかった。大地主に利権が行き渡ってしまい、労働分配率が低かったのである。結果的には貧富の差が拡大したのである。
ルーズヴェルト大統領のニューディール政策は、富の偏在により、労働者層と経営陣との所得格差が拡大した。国内の多数派を形成する労働者層は、利益を独占する地主を初め経営陣に利用されているとの感覚を抱いていたのである。労働者層を、対外関係に目を向けさせるべく、植民地獲得の利権めぐりから始まった「アジア・太平洋戦争」に突き進んだといえる。ルーズヴェルトは、1940年11月に、史上初めて三選を果たし、戦時中の1945年4月に死去した。同年8月15日に、大日本帝国の降伏により、戦争は終結した。アメリカ至上最も在任暦が長く、戦勝へ導いた大統領として、後世に名を刻んだ。今なおアメリカは、世界の経済を牛耳る存在として君臨する。
第2章 図書館を利用するうえでのマナー
ラーチモント公立図書館にて、本が借りられた時代の1933年は、アメリカ経済の転機となる年だった。
借主の義父は、45年前の1978年にこの世を去り、そのまま本棚で眠っていた。長く放置されていたにも関わらず、遺品整理のために本棚を空けた義理の息子は、背表紙に貼り付けられた図書館名に目を留めた。借りたものを返すとの常識から、延滞料金のことを頭に入れずに、連絡したのである。
アメリカ国内の図書館において、利用者には返却日を厳守するように求めている。ラーチモント図書館の延滞料金は1日あたり20セント（約22円）に設定された。単純に1日辺りの延滞料金を換算して、90年に達すると、6,500ドル（約97万円）近くにも達する。ところが、現在のラーチモント公立図書館において、延滞料金の上限が5ドルに設定されていた。
借主が亡くなっても、遺産を受け継ぐ親戚に、支払い義務が生じる。ラーチモント図書館において、延滞料金の安さから、返却日を守らない利用者が多いという。90年ぶりに返却された本を大々的にアピールを展開し、「貸し出し期日を守る」ように訴えた。
写真＝ラーチモンド公立図書館で50年ぶりに返却された本 掲載元 ラーチモンド図書館のfacebookより 2023年10月12日付 https:/
日本の公立図書館では、一冊あたり利用機関は2週間と定められている。次に借主がいなければ、延長できる仕組みである。
CDやDVD＆ブルーレイを含め、光ディスクを取り扱うレンタルショップ「TSUTAYA」のように、公共図書館では、原則延滞料金は発生しない。借主は期日を意識せず、返却日を過ぎても所有していることが多い。
人気の図書では、常に借りたい人がまっている。図書館側は、利用者の要望にこたえるべく、経費を使って、新たに同じ書物を購入し、回転を早くする。結果的に利用者の延滞発生は、経費圧迫に繋がっていた。公共の図書館を利用するうえで、他人に配慮した利用を心がけるべきである。
過去にアメリカでは、110年前の本が公共図書館で戻ってきたことがあるという。イギリスでも50年ぶりに返却された本が、国内で話題になった。
米・ニューヨーク州ラーチモンド市の公立図書館の出来事は、ネットニュースを通して、遠い日本に住む人々にも知られるようになった。利用者は、「借りた本を期日まで返す」との原則に立ち返らなければならない。今日本の公共図書館は、民間事業者を呼び込み、カフェを併設するなど、画期的な運営を試みている。公共事業である以上、利益を追求はしない。運営の目的は、良書を手に取ることにより、活字に触れ、思考力を高めると共に、人間性を育むことにある。今改めて、図書館の利用マナーが求められている。
�◆．優奪箸農篁燭陵髻�38年間親子2世代にわたるぬいぐるみへの特別な思い
我々の生活において馴染み深いぬいぐるみは、表情が豊かな分、感情移入しやすい。時には、兄弟や子供を含め、家族の一員のように見てしまう。
ぬいぐるみに対する見方は、ある一組の家族によるエピソードにより、一般人の間でも大きく変わろうとしている。今回詳しく紹介する。
詳細 画像掲載元 ねとらぼ 2023年10月8日（日）11時公開 うさぎのぬいぐるみがつないだ遠距離恋愛が感動的と話題 メーカーも「すてきすぎる」「まるで絵本のよう」と反応 {宮原れい｝
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画像掲載元 Xユーザー ぴーちゃん https:/
ぬいぐるみ関連日記
2023年6月9日付 ZARDの坂井泉水とバブル経済第7回目 戦後復興期、6月4日（日）横浜市都筑区のアジサイ、中区山手西洋館 花と器のハーモニー展2023〜果てしない夢を〜 リリース30周年記念ZARD WANDS
第2章 （3）みなとみらい より
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写真＝上記の日記より 横浜人形の家で展示されたぬいぐるみ作家「ひがしちか」氏のもとにいた名前「ボー」 撮影者私 2023年6月4日（日）より
第1章 ぬいぐるみ「ぴー」がきた経緯 オイル・ショックからプラザ合意、バブルへ
ぬいぐるみに対する思いを発信したのは、Ｘ（旧ツィッター）のユーザー、ぴーちゃんである。私生活においては、一人の女の子を成人になるまで育て上げた母親だという。
その母親「ぴーちゃん」のぬいぐるみに関するエピソードは、1985年3月まで遡る。当時日本経済は、1978年末以降のOPEC（石油輸出国機構）の石油価格の段階的引き上げによる、オイル・ショックから立ち直っていた。翌79年2月には、イラン革命が起こり、イスラム原理主義者ルッラー・ホメイニー元帥が権力を握り、OPECに同調し、石油減産体制をとった。79年から宗派の違いや領土問題により、隣国イラクとの対立が先鋭化し、戦争に発展する。イラン・イラク戦争の影響も重なり、79年から82年までの間石油価格は2，7倍に跳ね上がった。73年に続き、石油価格が急騰したことにより、第2次オイル・ショックという。日本経済は、オイル・ショックの間じっと耐え抜き、83年頃から再び軌道に乗り始める。得意の物作り技術を生かして、海外へと輸出することにより、外貨を獲得していた。為替相場を円高へと誘導する85年9月22日のプラザ合意まで、1ドル200円台のドル円相場に支えられ、自動車産業を含め、輸出企業の業績は軒並み好調だった。
写真 掲載元 THE SANKEI NEWS 2020年7月29日 プラザ合意後「2度目の敗戦」外圧が生んだバブル経済 https:/
以下プラザ合意に関して書いた日記 2023年2月6日付け ZARDの坂井泉水とバブル経済 3部作(中篇）2月6日は坂井泉水の56回目の誕生日、高度経済成長期、バブルの始まり https:/
このたびＸで話題になったユーザー「ぴーちゃん」は、新年度を迎える前の1985年3月に転機を迎えた。心を通わせていた彼氏が、大学進学のため上京することになったのである。いつもそばにいてくれた彼氏が、離れてしまうことに一抹の不安を抱いていた。そこで、自分の身代わりとして、ウサギのぬいぐるみを渡した。
写真＝うさぎのぴー 掲載元 2023年10月3日付 X投稿記事 https:/
そのぬいぐるみは、パペットとなり、腹部を押すと、声変わりに「ピー」と鳴るという。彼氏は、快く受け取り、4月からの新生活において、そのパペットのぬいぐるみを、いつもそばに置くようになった。彼氏自身が鳴き声から、ウサギの名前を「ぴー」と名づけた。学生生活の長い休みの間、うさぎの「ぴー」と共に帰郷したという。ピーを通して、東京での暮らしについて、語った。短い休みの間、レストランでデートした際、背もたれのついた椅子にぴーを置いていた。店員さんから「かわいいですね」と声をかけられることもあったという。近くで小さい子が鳴いていると、一時的にぴーを連れ出した。丸くふっくらとした顔かたちに、つぶらな瞳のぴーは、子供を慰める効果があった。
写真＝ピーと鳴き声を発する際のぴー 2023年10月3日付X投稿 https:/
Ｘで話題になったユーザー「ぴーちゃん」は、上京した彼氏と、距離が離れていても、心は常に通じていた。二人を取り持ったのは、パペットのウサギ「ぴー」だったのである。遠距離の二人を繋ぐ「架け橋」として、存在しつづけていた。Xユーザー「ぴーちゃん」は地元で、彼氏は東京で、それぞれピーを通して、互いに思いながら、日常生活を送った。時はバブル期、土地神話によって、不動産売買が盛んに行われていた。銀行の貸し出し審査が簡略化したことにより、企業側もリスクを考えずに、投資を行う。事業規模の拡大により、新卒の若者は引く手あまたの状況だった。右肩上がりで経済成長を遂げる時代に青春を謳歌した。
第2章 バブル崩壊、娘の誕生
二人の間に「ぴー」がやってきて6年後の1991年、日本のバブルが崩壊する年に、籍を入れた。日経平均株価は89年12月29日に記録した3万8957円をピークに、下がり始めていた。90年3月27日に大蔵省を通して、民間銀行に行き過ぎたお金の貸し出しを制限する「総量規制」を敷いたことにより、土地の売買頻度は低下した。1990年10月ごろに景気指数は下がった。91年夏ごろから地価も下がり始めた。
確かに一部の経済界の大物や、証券会社のトップ、大企業の経営陣の間では、バブル崩壊の前兆を察していた。一般の人々の間では、買った土地が、一時的に下がっても、ふたたび上昇すると信じられていたのである。93年には、多くの人々の間で、「バブル崩壊」に気付き、同年4月から企業側は軒並み新規採用人数を減らした。事業規模縮小によるリストラ刊行により、失業者が溢れたのである。
写真 掲載元 投資の森 https:/
日本の経済が混乱期を迎える中、上京した彼氏と無事に結ばれたＸのユーザー「ぴーちゃん」は、バブル崩壊を経験しながらも、無事に娘を育て上げた。娘自体も、両親の間を取り持ったうさぎの「ぴー」に感情移入し、自室に置いていたという。体も心も成長する娘を、うさぎの「ぴー」は黙って見守っていた。
時は過ぎて、娘も成人して、親元から自立するようになった。日本経済は、バブルの後遺症が長く続いていた。93年以降新卒での就職を逃した若者が、非正規雇用で働き、中年になり、将来の年金支給額の不足に伴い、老後に不安を抱えるようになった。2013年に転機を迎えた。当時の安倍晋三首相と、黒田東彦日銀総裁の下で、デフレ脱却のための金融政策を行った結果、為替相場を円安へと誘導した。輸出企業の業績が改善し、企業の株価を押し上げ、都市部の一等地を中心に土地の値段も上昇したのである。恩恵を受けるのは、一部の大企業の従業員と投資家にとどまった。一般の人々には、景気の良さを実感できず、バブル崩壊後の暗いトンネルから抜け出せずにいた。
バブル後に生まれたXユーザー、ぴーちゃんの娘は、日本の経済成長を知らない世代である。親世代と比べると、子供の頃からパソコンやスマホに触れていた。メールやLINEを通して、遠距離の仲間との連絡もとりやすい時代になった。自身の下には、産まれた頃からうさぎの「ぴー」がいた。
自分が躓いたとき、落ち込んだときも「ぴー」によって慰められた。人生の伴侶ともいえる「ぴー」は一体どこから来たのだろうか、ふとした拍子に、ルーツを探りたくなり、ネットで検索するようになった。
Ｘ（旧ツィッター）やFace bookなど、日常を発信するコンテツの増加に助けられ、ぬいぐるみ「ぴー」の産みの親が、老舗の人形メーカー「吉徳」であることを突き止めた。当時パペットのうさぎのぬいぐるみを「キャンディ」の名で世に送り出していたのである。
奇しくも2023年に、一時は生産がとまったキャンディを、再び蘇らせていたのである。生産元の吉徳は、昭和〜平成初期のぬいぐるみを忠実に再現した「レトロこれくしょん〜思い出のぬいぐるみ〜」と銘を打って、キャンディシリーズを、令和の子供たち向けに送り届けていたのである。
Ｘのユーザー「ぴーちゃん」の成人した娘は、うさぎのぬいぐるみ「ぴー」のルーツを知り、再び作られていたことに、感激したという。令和時代になり、昭和産まれの「ぴー」の妹として、購入した。
自分が小さい頃、うさぎの「ぴー」にいつか妹が出来たらと、願っていた。大人になり、それが叶ったことで、喜びはひとしおだった。
写真＝ぴーとその妹 10月3日付 X投稿記事
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早速、妹が手に入った気持ちを、母親に伝えた。母親も、1985年3月に我が家にきたウサギの「ぴー」に対する思いは同じだった。ぴーは、我が家で昭和から平成、令和へと3つの時代を共に生きてきたのである。母親の「ぴーちゃん」は、より多くの人々に、出来事を伝えるため、新たにX（旧ツィッター）のアカウントを作成した。早速これまでの出来事を簡潔に文章にまとめて投稿した。新規ユーザーにも関わらず、投稿からすぐに、他のユーザーの目にとまり、次第に共感の輪が広がっていった。
一つのSNSコンテツであるX（旧ツィッター）から、一般のネットニュースにも取り上げられるようになった。生産元の吉特にも情報が入り、社員一同で公式アカウントに、以下の内容のコメント文を掲載した。
「なんて素敵すぎるお話…！！まるで絵本のよう ぬいぐるみ部門一同、感動の嵐です」と気持ちを伝えた。
Xユーザー「ぴーちゃん」家族一同に向けて、「どうかこれからもご家族一緒に、ピーちゃんとキャンディを可愛がってあげてくださいね」とお言葉を述べた。
社員一同のコメント文 詳細 吉徳 Xアカウント 2023年10月3日午後2時18分 https:/
写真＝吉特 Xアカウント 2023年9月29日付 https:/
表情豊かなぬいぐるみは、時に家族のように大切にされる。確かに言葉を発することはなく、時がたっても、姿形はそのままである。反対に、我々人は、月日が立つに従い、子供から大人へとステップアップし、やがては老いていく運命にある。ぬいぐるみは、いつの時代も変わらずに、静かに寄り添ってくれた。今大人の間でも、ひそかにぬいぐるみブームが起きている。
■90年間延滞した本が図書館に返却 「早く他の本も返して」司書が訴え
(Sirabee - 10月24日 08:30)
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