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2023年10月22日23:50

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ヒビノキ843（10月15日〜10月21日までの１週間／週後半）

2023/10/15～2023/10/21までの木曜日～土曜日の週後半の日記です。

■2023/10/19/木
インフルエンザの予防接種も、（おそらく無料では最後の）新型ウイルスの予防接種もどこも予約が一杯でさっばり空きがないな。

『呪術廻戦第2期』第38話　「赫鱗」
https://jujutsukaisen.jp/
虎杖 vs 脹相（ちょうそう）――。五条の救出に単身、渋谷駅地下街へ向う虎杖。その虎杖を弟らを殺された脹相が襲撃する。２人の一体一のバトルは見応えがあった。脹相の「赤血操術（せっけつそうじゅつ）」を何気に解説している構内のライト（アップ）パネルなんかの演出もおもしろい。とにかく両者が次の手を読み合う展開がバトルの真骨頂。両者が相手に苦戦する。

そもそも虎杖の戦い方は格闘の徒手空拳。その面倒な原作のコンタクト・アクションを拡大再現する作画はすごく手間がかかっている。そうして作品最大の謎で、現在も正体不明な虎杖の能力「存在しえない記憶」が脹相に宿る。虎杖が自身の兄弟だという、実際にありえない記憶。この異変で虎杖は生存。だが、その虎杖を夏油配下の枷場　菜々子（はさばななこ）・美々子（みみこ）の姉妹が回収する。

『魔法使いの嫁 SEASON2 第2クール』第16話　「Needs must when the devil drives.I」
https://mahoyome.jp/
なるほど。チセはフィロメラに過去の自分――「泣きたい」だが「泣けない」――泣くのを耐えている自身を見る。ですから彼女の世話を焼く。自身のように自由になれるはずだと信じ――。最後に学院の生徒が続々と体調を崩し、学院保険医のアレクサンドラのもとをおとずれる以外、今回はチセのクラスメイトの日常で展開。次回以降の伏線と、中心人物の過去の素性を掘り下げる。

前回ふれたように、２期の最終目的は「フィロメラが自立的意思を手に入れる」「そうして一族の呪縛を破り自由に得る」。SEASON1もSEASON2も、その着地地点へと向けた登場人物の「感情の積み上げ」……なんですけど、その積み上げ方がいささかしつこく、同じ事の繰り返しに見えるのは前期と一緒。すくわれてるのは前期にくらべ、多彩の魔法の文物が登場し、作品らしいテーマで見栄えするところ。

■2023/10/20/金
冷静にかんがえみると、これスターターセットに同梱してあるエリアドールの大判両面フルカラー地図いるよな。おそらくコアルールでプレイするとき雰囲気も利便性もぜんぜん違うと思うぞ。＞指輪物語TRPG

『葬送のフリーレン』第７話　「おとぎ話のようなもの」
https://frieren-anime.jp/
人類と魔族は双方を“理解できない”――。師匠フランメがいわく「死した者の霊が集う“天国”」をめざし、北方を歩くフリーレンたち一行。そのフリーレンらは、魔族と領主が手を取り合う街へ到着する。だが、フリーレンは「言葉で人をあざむきだます魔族」の本質を警告する。本作の基本設定の明示と実行。「人類と魔族は相互理解ができず対立して／対決する」。

この設定の秀逸な部分は、家族を作り、助け合う人類と、完全な実力主義のヒエラルキーの中で、個人主義／孤立主義を貫く魔族の基本概念。両者は種族としての“異質”さから完全に共感を欠き、融和できない。でも融和をめざす魔族も存在した事実で、物語はさらに拡大する。ともあれ今回登場したリュグナーたち３人の魔族は人類をたばかる。そうして来週に「葬送のフリーレン」のタイトルを回収。

■2023/10/21/土
午後から都内でTRPGのオフライン・セッション――。『THE ONE RING:一つの指輪TRPG』のPLをやらせてもらいました。LM（GM）と参加したメンバーは感染対策ともども協力ありがとうございました。

●THE OME RING:一つの指輪／指輪物語TRPG

https://lotrtrpg.jp/

詳細は来週の日記で――。ルールブック巻末の「霧の星」をアレンジしたシナリオをやらせてもらう。PL全員が、そこそこは原作／映画の知識をかじっているため、まったく中つ国の冒険旅行／冒険活劇らしいものになった。

本作は良い意味でも悪い意味でも、中つ国の設定の大枠だけ用意して、それぞれのプレイグループの個々の経験や創造が「ある中つ国」を醸成するサンドボックス形式だ。また、実際、システムよりナラティブゲームを重視している。

正直なところ、システムだけで評価すると、現代的で合理的な整備をされたゲームルールとは言い辛い。ルールブックはルール的解説がまとまっておらず、飛び飛びで読み辛いし、ナラティブゲームにしても説明不足だ。

本作のメインテーマは、PCが行う中つ国の冒険旅行――「旅路」。PLが旅を物語る要素がナラティブゲームの中心となるが、経緯が浅い／深い、原作の知識ある／なしに関係なくシステムの説明不足を感覚する。

「こう旅路を進行させるとよい」の類例と進め方には、より多くの尺は割く必要があるし、「旅路」のイベントの方向をランダムで決定する、全体的／全般的なアイデアのセットピース／ヒントシードも提供されない。

GMが自由にやってもよいし、中つ国のイメージを固定したくはなかった構成はわかる。だが、GMへと担保され「てさぐり」する部分が強すぎるし多すぎる。まずGMは本作のナラティブゲームを、どう進めて、どう回すか構築しないとならない。

ゆえ個々のGMとグループによって、作品自体の進め方はまったくかわってしまうだろう。たとえば自分なら、今回のようにはやらず、より整備した季節の状況や物語の創造を取り決め用意するだろうし、今度それをやってみます。

地味だと思った戦闘は案外派手でエキサイティングだし、（やや煩雑だが）判定方法もおもしろい。GMがゲームプレイの進め方のハンドリングを明確に確立できれば、これ以上ないくらいの中つ国の冒険ができる。

ただ、上記でも説明したよう、システムの説明不足と曖昧さで、万人が共有可能かつ他所でも経験が通用するルール観／ルール性の通底を得る事が困難だ。この部分は“自由”ではなく作品の“弱点”だとはっきりいえるだろう。

●ワーリング・ウィッチクラフト

https://bodoge.hoobby.net/games/whirling-witchcraft

資源押し付け系ドラフト作品。魔女のPLはレシピカードに沿い、大釜で材料を錬成し、リソースを貯め、必要ない材料を相手へ押し付ける。保有材料の限界を超え、バ―ストした材料を相手に蓄積させ、ある魔女のバースト材料が５点以上になったら勝利。コンポーネントは雰囲気と空気感たっぷり。一見、複雑そうに見えるが、ゲームルールとゲームスルーが非常に単純で、大人から子供まで万人受けする内容。自身の保有材料のリソースを管理しながら、相手にいかに邪魔な材料を送り込むか？　戦略性と魔法のレシピカードの引き運が噛み合ったバランスが優秀。事前の説明のとおり、１回のゲームプレイ時間が短い所が大変よくできている。何度でもやりたくなる。

『SPY×FAMILY Season 2』第28話　「任務と家族／華麗なるボンドマン／OMAKE1「子ども心Ⅰ」／OMAKE2「子ども心Ⅱ」／OMAKE3「目覚まし」」
https://spy-family.net/
「任務と家族」。２期でユーリが初登場。もっともメインキャラクター――フォージャー一家が登場するのは最後だけ。保安局のユーリが西側のゴシップを流す郵便局員の監視を行う。ユーリが守る者はヨルたち家族と西側国家。だが、ユーリと同様、郵便局員も家族の父親へ愛を注ぐ。作者・遠藤達哉のキャリアを把握しているなら――『ＴISTA』とか――本当にやりたいテイストはこっち。

「華麗なるボンドマン」「OMAKE1／子ども心Ⅰ」「OMAKE2／子ども心Ⅱ」「OMAKE3／目覚まし」。基本、短編４本を10分程度にまとめ展開。どれもおもしろかったけれど、「映像にする必要あるか？」と想像しなくもない。「そもそも前提において２期は原作をどこまでやるのか？」があるけれど、ロイドの過去編まではやらないだろうし、豪華客船の一件までなのかな？

『薬屋のひとりごと』第１話　「猫猫」
https://kusuriyanohitorigoto.jp/
原作は「ヒーロー文庫（主婦の友社）」が刊行している日向夏のライトノベル。今期の「なろう系作品」。コミックをふくめ累計発行部数2400万部の今期最大の目玉作品のひとつ。同時に今期最後に新番放送を開始する。医師の義父を持つ薬師の少女・猫猫（マオマオ）は、あるとき人買いへとさらわれ、後宮の下女となる。だが、非凡な毒と薬の才能が彼女の運命をかえる。

初回は３話連続放送。「葬送～」と同様に今期の日本テレビ系列局はテレビアニメIPへと賭ける。その１本が本作。初回は猫猫が、白粉（おしろい）の鉛毒が、後宮の妃の赤子の体調異変の原因だと気付いて指摘。その知識と見分に彼女を侍女へすえる玉葉と出会う。制作はTOHO animation STUDIO × OLMの共同製作、OLMは製作別のチームの表記はなし。作画と美術は良好。とってはおきます。

『薬屋のひとりごと』第２話　「無愛想な薬師」
https://kusuriyanohitorigoto.jp/
大媚薬まつり。身の丈に合う生活をめざし下女のままで奉公を終え、自由になるはずだった猫猫（マオマオ）。だが、玉葉の侍女となった彼女は、嫌々ながらも玉葉の寝所へ引っ越し。その猫猫の能力をためすために、玉葉や、猫猫に興味を抱く無駄にイケメンの壬氏（ジンシ）が彼女へと接する。展開としては玉葉の周囲の女官や人物を紹介していく内容。シリアスさよりもコミカルな一話。

同時に猫猫の特異な能力や性癖もしめしていく。毒や薬に比類なき興味をしめし、包帯をまいた左腕で毒を試す猫猫は変態。同時に彼女は“毒身（どくしん）”。様々な毒や薬に耐性を持つ。頭の中の知識と一緒に、この能力がヒロインとしての猫猫の能力で、なろう的能力。「十二国記のような中華ファンタジーの血を引く女性対象の後宮もの」の基本設定をしめしていく。

『薬屋のひとりごと』第３話　「幽霊騒動」
https://kusuriyanohitorigoto.jp/
ヒロインのその包帯は「趣味」と「実益」をかねた“変態”の所業ですよ。猫猫の包帯に悲劇の過去を勝手に妄想する侍女たちやさしすぎるだろう。後宮に幽霊が出る噂の解決を、壬氏に依頼され、幽霊が帝の妃の１人・芙蓉だと知った猫猫が、夢遊病者の彼女の真実を探る。芙蓉の病気は詐病。彼女は故郷の武官を想い、その武官へと下賜（かし）されるために病気だといつわり、皇帝の寵愛から逃れた。

女性作者の後宮作品の話の進め方は、大抵、後宮内部のヒエラルキーや人情をベクトルにすすむ。本作も例に漏れず。１話の白粉（おしろい）の鉛毒をふくめ、実際のところ薬や毒や病気の治療は物語の中核ではない。登場人物の動機や感情を励起（れいき）させるための触媒。純粋な医療ものではない。物語の目的ではないというべきか。視聴は継続しようと思うけれど、これなら１話ずつ放送でよかったな。

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