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2023年10月16日21:31

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動物関連ニュース!ゲノム解読、ニホンミツバチとサワガニの進化系譜

 東京都多磨動物園は、国内で唯一飼育されていたタスマニアデビルが、死亡したことを明らかにした。性別はオス、年齢は7歳、名前はテイマーという。

オーストラリアタスマニア島の固有種は、伝染性の癌により、一時は野生の個体数が減少した。今免疫のある個体を、隔絶された島へ保護し、交配をすることにより、生き残っているという。タスマニアデビルは、今病に打ち勝ち、再び数を増やそうとしている。

 詳細 2020年5月2日付日記 致死率100%に近い伝染病と戦うタスマニアデビル 我々人類の生き方の参考になる NHKダーウィンが来た!より
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1975549582&owner_id=32437106

 写真は上記の日記より 飼育種の3ショット 掲載元 Vario 絶滅危惧種 黒い悪魔タスマニアデビルの天使な赤ちゃんの過酷な運命
https://www.vario-media.net/cute/20180915_42426/
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続いては、DNAの解析により、日本の身近な動物の運命について探っていく。第1章はニホンミツバチ、第2章はサワガニである。生物学において、飛翔能力のある鳥を除けば、海を隔てた陸地ごとに、同じ種でもそれぞれ固有のタイプの遺伝子が見つかる。ニホンミツバチは、地域ごとに大きく3つの分類に分けられた。対してサワガニは、本州、四国、九州、それぞれに固有のタイプが見つかる。一方で黒潮の影響により、千葉県房総半島から神奈川県三浦半島に生息する個体は、鹿児島県の屋久島付近の個体と遺伝子的に近いことがわかった
。詳しく紹介する。

 前回動物関連日記 2023年10月5日付 秋田県の民家に居座ったクマ3頭、兵庫県神戸市王子動物園のリニューアル、イリオモテヤマネコとツシマヤマネコ、キリンの祖先
 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986068339&owner_id=32437106
 
       第1章 ニホンミツバチのゲノム解読

 詳細 時事通信 2023年10月16日付  ニホンミツバチ、国内に3集団=全ゲノム解析で判明―東北大など https://sp.m.jiji.com/article/show/3074163

急速に発達するDNA鑑定により、我々人から、身近な昆虫のルーツを探れるようになった。このたび、東北大学と東京都立大学を中心とした研究グループは、ニホンミツバチの遺伝情報を網羅的に調べる「全ゲノム解析」を行った。過去に地域別にニホンミツバチを採取し、DNAを抽出したところ、大きく複数のタイプに分類されることが明らかになっていた。

写真 掲載元 上記の詳細サイトより
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 ニホンミツバチは、列島に生息する体長1センチ程度の在来種である。生息地の北限は青森県、北海道や沖縄、一部の離島を除き、住宅街に面した緑地にも生息している。

 研究グループは、東北から九州までの各地で採集した計105匹のニホンミツバチの全ゲノムを解析した。その結果、遺伝子の構成は(1)北部(東北から中部)(2)中央部(中国)(3)南部(九州)で異なっていたことを突き止めた。近畿や四国で見つかったニホンミツバチには、複数の地域の遺伝子が混在していたという。研究結果は、10月16日までアメリカの学術誌に掲載された。

 ニホンミツバチは、主に三つのタイプに分類できるとはいえ、体温の変化に弱いことがわかった。したがって、温暖化により、繁殖力に影響を及ぼす可能性がある。養蜂や飼育業は、死活問題にもなる。

 ミツバチの移動ルートの変化により、植物も影響を及ぼす。蜜を求めて、花から花へ移動する過程により、花粉を運搬する。温暖化により、ミツバチの個体数が減少すると、植物も育たなくなる。

 東北大の河田雅圭名誉教授は「花粉を運ぶニホンミツバチは、植物にとって重要な昆虫だ」と訴える。「より詳しい遺伝子解析を今後も進めることで保全に貢献していきたい」と話した。

 童話にも描かれるミツバチは、身近な昆虫だった。今温暖化により、姿を消そうとしている。

  第2章 サワガニのDNA解析 サワガニの起源が詳しく解明される。海水でも生存可能。

 詳細ページ 写真掲載元 基礎生物学的研究所 2023年10月10日付け 生涯を渓流で過ごすサワガニなのに,「海流分散」の歴史あり! 陸・海の2つのルートで分布拡大,そして新天地での2次的接触 複数の未記載種(新種)を新たに発見!
https://www.nibb.ac.jp/press/2023/10/10.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%EF%BC%8C%E4%B8%80%E9%83%A8%E3%81%AE%E6%96%87%E7%8C%AE,%E7%8E%87%E3%81%8C%E7%A4%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%EF%BC%89%E3%80%82

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 山あり谷ありの険しい地形の日本において、渓流に生息するサワガニは、かつて身近な存在だった。今なお人里離れた里山では、姿が確認されている。このたび信州大学と筑波大学、自然科学研究機構 基礎生物学研究所は、DNAの解析から詳しいルーツを探った。海によって隔てられている列島内において、本州、四国、九州、周辺諸島の4つの地域に、体色が異なる同一種が暮らす。緯度が最も高い北海道には生息が確認されていない。このたび研究チームは、北海道を除く、列島に分布するサワガニのルーツを辿るべく、DNA解析を行った。

以下 詳細ページ引用文

日本列島のサワガニの分布域を網羅するような広域的な地域集団を対象にサンプリングを実施し,合計126地点(地域集団)の268個体を試料として用い,遺伝子を抽出・精製し,分子系統解析を実施した。
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図1.日本列島におけるサワガニの体色多型.地域集団によって体色は多様.A) 長野県,B) 佐渡島,C) 九州,D) 伊豆半島の地域集団
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【結果・考察】
サワガニ類における分子系統解析
ミトコンドリアDNA(mtDNA)COI領域,16S rRNA領域,および核DNA(nDNA) histone H3領域の塩基配列(1,796-bp)に基づく系統解析を実施した結果,サワガニの近縁種(同属別種)が国内では南西諸島に比較的種類が多く,また海外のサワガニ類についても東南アジア地域の種多様性が高いことから,日本産サワガニ類の祖先系統は,列島の南西地域に起源し,より北方へと分布域を拡大していった進化プロセスが支持された(図2)。

                           <引用終わり>
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 移動能力が低いサワガニは、予想されたとおり、それぞれ地域ごとに固有のDNAを持っていることが分かった。本州、九州、四国、諸島とそれぞれの地域ごとの種が交わる機会はなかった。瀬戸内海が形成された7000年前頃から、海峡が遺伝的流動性の障壁となり、それぞれ固有の島、または大陸ごとに進化した。

 生物学者の間では、海によって隔てられた大陸ごとに、固有の遺伝子を持っていることは容易に想像がついた。今回新たな疑問にぶつかった背景には、千葉県房総半島と三浦半島の個体群と、南西諸島から屋久島の個体群との遺伝子が比較的近かったことにある。

 研究チームは、南西諸島から、房総半島に流れる黒潮の存在に注目した。そこでサワガニを海水にさらして、経過観察をした。耐塩実験の結果、2週間ほど黒潮にさらされても、生存できることが明らかになった。

 DNA解析精度が上がるにつれて、我々人は、身近な生き物のルーツを探れるようになった。近年は、開発により、野山が住宅街によって隔てられることにより、サワガニはさらに他地域への行き来が阻まれ、遺伝的多様性を失う結果になった。時を経て、地域ごとに固有の特徴を持った個体が出現する可能性がある。我々人によって、種分化が起きようとしている。










■国内唯一のタスマニアデビル、安らかに 「生きようと頑張った」
(朝日新聞デジタル - 10月16日 20:44)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7600056
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