『スパイ大作戦』をリブートした96年の第1作目を皮切に、世界の危機を何度も救い、奮闘してきたイーサンたちIMFチーム。今回の相手は人間ではなくAIだ。
世界を一変させてしまう能力をもった新型AI「エンティティ」。イーサンたちは「エンティティ」を制御する2本の“鍵”をめぐり世界をかけめぐる。
生成AIなど、一大AIブームである現在。
ヴィランは、AIと、AIに協力するイーサン因縁の相手だ。この内容は、あくまで偶然ではあるがタイムリー。 *1 あらゆるコンピューターネットワークに侵入して、人々を操るAIが、世界の諜報機関が収集する機密情報へせまる。
各国のインテリジェンスは紙とペンの時代に逆戻り。通信は冷戦時代の衛星を使う状況へ――。 *2 この状況の中で“鍵”に一番肉薄するイーサンを各国が追う。
今回はIFMすらが敵に回り、まさしく相手は世界全体だ。
孤立無援のハント・チームは、アラビア砂漠、ワシントンD.C.、アブダビ国際空港、イタリア、オリエント急行列車内と、様々な舞台をめぐる。その状況にあわせ展開する、銃撃、格闘、チェイス、騙し合い、そうしてAIとの頭脳合戦。*3
トム・クルーズ本人のはげしいスタントとスリリングなアクションは健在で、 *4 やや見慣れたオールドスクールな展開を、現代的な活劇へとアップデートしている。
まさしくもってクリフハンガーで終る前半。
世界を変革するAIとイーサンとの対決はどう決着するか? 物語はPART TOWへ続く。
※1 本作はコロナ禍渦中の20年から撮影を開始していた(トム・クルーズが感染対策をおろそかにしたスタッフに激怒した場面は有名)。当然それ以前に脚本は完成していないとならない。結果において、本作は、現在における「急速なAI発展」を言い当てた格好になったわけだ。
※2 本当にAIが暴走したならこうなってしまうかもな。
※3 こういう世界を転々と移動して、かつ様々なアクションシーンを展開するスケールの巨大な作品は本当にすくなくなってしまったな。
※4 特別映像でも流れた非常に危険なジャンプスタント(
https://www.youtube.com/watch?v=0AeneChzBGY&pp=ygUS44OI44Og44Kv44Or44O844K6)をふくめ、60歳で、ほとんどのスタントをこなすトム・クルーズは本当にすごい。トム・クルーズは専属のスタントダブルもいないからな。
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