今朝は瓶ごみを捨てる水曜日なので、そこらを片付けてたら、亡くなった大家が使ってたらしい整髪料の瓶が出てきた。たぶん50年かそれ以上はたってる。僕が知ってる大家は頭の真ん中が薄くなってて、もじゃもじゃのくせ毛が耳の上に茂ってた。つまり整髪料など縁のなさそうなおつむだった。ので、ずいぶん古いんだと思う。
写真左の細長い円筒の瓶には、資生堂ブラバス“ヘアスチック”とある。これがうわさの“チック”らしい。アルファベットによるとヘアスティック。そうかチックとは、スティックの略、そうなのか。鹿島市の祐徳稲荷のお土産に、これそっくりの棒状の羊羹がある。厚紙の円筒の内側が銀紙で黄色い羊羹がはいってる。ケツを押して出た分だけ食べる仕掛け。糸がついててそれで切る。
写真真ん中がポマード、次がヘアトニック。僕はこういう整髪料というものを買ったことがない。僕の父も兄も、ポマードのにおいをぷんぷんさせてたなー。大家も含め全員たばこ吸い。僕は全部やらない。
そういえば最近亡くなった帰ってきたウルトラマン≒団次郎は、MG5のCMのほうがイメージだ。ブラバスとは商売敵か。
大家は、着物の紋の型を作る職人の前は、トランジスタラジオの工場で働いてたといってたが、たぶん20代ころのものなんだろう。くせっ毛のリーゼントを決めた50年代ニーちゃんだったんじゃないか。
いつも、櫛(くし)をシャツのポケットに突っ込んで、ポマードびかりのするリーゼントを直したりするニーちゃんだったかもしれない。彼の音楽の趣味は、なんと言ってもプレスリーだもんね。ビートルズは新しすぎるなどといってた。
でも気がちっちゃい彼は、女の子に声なんかかけられるタイプじゃなかったろう。
リーゼントを決めたようなにーちゃんを、昔はテディボーイなどと言ったらしい。皆さんは、昔の「サンセット77」というアメリカのテレビ映画に出てくる、“クーキー”というハンサムなにーちゃんを覚えているだろうか。九州の呼子という片田舎にも、ジャンパーの胸ポケットにスティールの櫛をさしたクーキーもどきみたいなポマード臭い兄ちゃんがいっぱいいたもんです。
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