mixiユーザー(id:124952)

2023年02月25日15:41

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「バビロン」感想

 これは、「ラ・ラ・ランド」のデミアン・チャゼル監督がブラッド・ピットを主演に迎え、1920年代のハリウッドを舞台にした群像劇。

 1920年代のハリウッド。当時、娯楽産業の花形として盛り上がっていた映画業界の豪華なパーティーの主役は、大スター、ジャック。
 そのパーティー会場で、スターを夢見る新人女優ネリーと、映画製作を目指す青年マニーが運命的な出会いを果たしていた。
 奔放なネリーはチャンスを得て、スターへの道を駆け上がり、マニーはジャックの助手として映画界での一歩を踏み出して行く――しかし、サイレント映画からトーキーへと移り変わる激動の時代の渦が、3人の運命を呑込んでいく……

 この映画、冒頭の豪邸での乱痴気騒ぎに始まり、翌日、ジャック、マニー、ネリーの3人の1日を並行させて描きながら、当時の映画製作の現場を、怒濤の勢いで見せていく。この辺りは圧巻の出来栄えで、圧巻の一語に尽きる。
 パーティー会場での、酒とセックス、ドラッグの描写、そこで吹き飛ぶモラル……露悪的、と言うよりもブラックコメディでしかないパーティー描写もそうだが、ルール無用のはちゃめちゃさは翌日の映画撮影現場とて変わらない。これが、嬉々として描いているように見えたのは、現在、様々な規則に縛られた現場を生きている現在の映画製作者のストレス発散ではないか、と思ってしまったり……

 だが、「ラ・ラ・ランド」もそうだったのだが、物語が動き出し、ドラマが描かれ出すと、途端に描写が陳腐になってテンポが悪くなるのは、デミアン・チャゼルの弱点だ――しかも、この映画、3時間以上と長いものだから、ドラマパートに入ってからのぐだぐだぶりは目に余るものがある。
 実際、中盤以降は、テンポがはっきりと悪くなるし、余計に思えるエピソードも少なくない――最後のギャングの地下迷宮描写など、蛇足もいい所だ。

 勿論、それでも随所にいい場面はあるし、ブラピはカッコよく、マーゴット・ロビーも素晴らしい演技だ。デミアン・チャゼルの映画愛もよく判る、悪い映画ではない――料理に例えれば、味はよいが、盛り付けが下品な上に量が3人前、と言う感じで、食いきれずに悪評を言う人がいるのは判ると言うもの。
 そこも含めて、これが「映画」だと言う人向きとは言えるかも知れないが……

 それにしても、「ラ・ラ・ランド」ではミュージカル、「ファースト・マン」ではアポロ計画、本作ではハリウッド勃興期と、正にアメリカの誇り、もしくは象徴とされるものを作品テーマに選ぶデミアン・チャゼル監督の勇気には毎度感心……
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