これは、荒野に立つ電波塔の上に孤立した2人の女性がサバイバルを繰り広げるパニック・サスペンス。
監督は「ファイナル・スコア」のスコット・マン。主演は「シャザム!」のグレイス・フルトン。
クライミング中の事故で夫のダンを亡くしたベッキーは、悲しみから抜け出せないまま、1年が経とうとしていた。そんなベッキーを立ち直らせるため、親友のハンターが、新たなチャレンジを計画する。今は使われていないテレビ電波塔をターゲットに選んだ2人は、梯子を登り続け、地上600mの頂上に到達。そこでベッキーは遺灰を空から撒いてダンを偲び、新たな1歩を踏み出す決意を示すのだった。
ところが、老朽化した梯子が崩れ落ち、地上に戻れなくなってしまう。電波塔の頂部には携帯の電波が届かず、連絡も取れなくなった2人は、技術と知識をフル活用し、この危機を脱しようとするが……
この映画、印象に残るのは電波塔とおっぱい……もとい、ワンシチュエイションの“取り残され型”パニック映画の系譜に列なる高所恐怖ムービー。
まずは、舞台として、荒野にそそり立つ電波塔を思いついた着眼点が優れもので、取り残されるのが若い美女2人と言う狙い過ぎの設定でありながら、そこに、スマホ、ドローン、自撮り棒と現代ならではのガジェットを散りばめ、細かな伏線も漏れなく回収する脚本は、まずは見事と言っていいだろう――ただ、2人が通信手段として徹頭徹尾、スマホに固執、モールス信号を発しようとしない所に世代差を感じてしまった……ほんと、我ながらアナログ世代だな……
上昇と落下、吊り下がりのサスペンス、と言う高所スリルも満載で、これは高所恐怖症には耐えられない映画なのではないだろうか?高所の平気な自分でも、文字通り手に汗握るシーンの連続で、映画終盤には手がふやけてしまうのでは、と思う程だった。
強いて問題点を上げるなら、ワンシチュエイションとしてはちょっと長いし、終盤の展開にちょっと無理を感じた――実は……と言う話をするなら、2人の関係性や心情にスポットを当て、それ故のクライシスを描いた方がよかったのではないか、と思ったくらい。
低予算ながら、満足度の高いパニック映画に仕上がっているように思う。
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