渡河

何度か明言しているが、私は殆どの人間よりも速く歩ける。腹すべり（トボガン）だと
更にスピードが出る。なので、行軍時には先頭にいるのが理想的なのだが、そうそう
好条件に恵まれる訳ではない。仕方なく先行者の速度に合わせていると、多少の
ストレスになる。積雪すると歩道が狭くなるので、もっと条件が悪くなる。
無理をすれば雪を蹴散らしながら追い抜くことも可能だが、そこまで必死になる理由が
ない。
本日は兄貴の絶唱盤を求めて駅前まで遠征。ぺんぎん邸は東区なので、河幅のある
創成川を渡らないと中央区へ出られない。これが一苦労で私の能力をもってしても
青信号になった瞬間にスタートしないと、向こう岸へ辿り着く前に赤信号で
ストップがかかる。横断歩道はブロックの南北の角にあって、青信号になって
10秒以上経っていたら渡らず、河に沿ってつまり南北方向へ移動して次の横断歩道で
チャンスを待つ。然し都合の悪いことに、通常のスピードだと青信号になったと同時に
南北方向の横断歩道を渡ると、次の渡河ポイントの手前ぐらいで東西方向の信号が
青になる。なので其処でも渡れず信号待ちをして更に南北へ進むことになるのだ。
要するにスタートで南北へ移動を開始すると何処までも流される訳だ。これを
終わらせるには、南北方向の横断歩道を渡ったら時間ロスを承知で東西方向の信号が
変わるのを待つ。この方法ならば確実に渡れる、筈である（創生川沿いの車道は
一方通通行で交通量が多く、なかなか横断歩道のターンにならない。この待ち時間を
嫌って渡れない場合は南北へ移動しておくのだ）。本日は其れを実行すると、
信号待ちの最中に女性が私の前に割り込んできた。私は車道から距離を取るから、
そういうことが偶にある。急いでいる人の場合は仕方ないだろう。ところが
渡り始めても女性の速度が上がらない。最初から１ターンで渡るつもりが
なかったようだ。後続の私も道連れになって橋の上で信号待ちをするはめになった。
この待ち方は塩梅が悪く、逃げ場がないのでアクシデントがあっても対処できない。
若し滑った車が橋に突っ込んできても、黙って轢かれるしかない。久々に居心地の
悪い時間を過ごした。