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2023年01月15日20:32

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読響川崎マチネシリーズ第7回@ミューザ川崎

先日13日にサントリーホールで行われた第659回名曲シリーズと同一内容で、すでに
東条さんがコンサート日記にその感想を上げておられます
ネタバレになるかもしれませんが、東条さんは東条さん、ワタシはワタシですから
特に見ないようにするということもなく、拝読いたしました
結果、あぁなるほどということもありましたし、異なる感想を持ったこともあります

まず、黛敏郎氏の曼荼羅交響曲はワタシにとって(多分)初めての演目
涅槃交響曲ならば、かつてワグネルに出演依頼があったということもあって(結局辞
退いたしましたが)拝聴したことがあります
黛氏と仏教音楽についてその程度の知識では正しい評価を下すことはできません
本日の演奏も、むしろ1960年の邦人による洋楽というのがいかなるものであったか、
という興味に尽きてしまいます

当時としては前衛的であったのかもしれませんが、音響優先であったのではないかと
いうのが正直なところです

本日のフォーメーションは、ピアノ・チェレスタ・ハープを中央に置き、弦楽は2群
にわかれ、ヴァイオリン11・ヴィオラ5・チェロ4・コントラバス3の編成を×2、管
楽器は木管が下手に金管が上手にという具合に、シンメトリーではない、さらに打楽
器は最後列でこれらをとりまくように配置されています
曼荼羅では本尊の右側に胎蔵界、左側に金剛界ということになっているのだそうです
が、このことを音響的に表したのかよくわかりません(不勉強で申し訳ない)

結局読響の豊かな音響を味わうという感じでした(演奏予定時間よりかなり早く終わ
ってしまいました)

読響の休憩時間は15分なので、客席にそのまま残って次のマーラーの6番の予習
東条さんのおかげでスケルツォが2楽章に来る版だということはわかっております
楽員が入場してきて16型なのですが、16・12・11・10・8というのは変わってますね
ホルンが9というのも、団員に合わせたのでしょうか

ワタシは最近ではヤルヴィ氏指揮のN響、アラン・ギルバート氏指揮の都響と聴いて
おりまして、家ではハイティンク氏指揮のコンセルトヘボウ(YouTubeのもの)と
いう具合に結構耳に馴染んでいるつもりでしたが、やはりナマで聴くと違いますね

東条さんは「意外に軽い」と書かれていますが、ワタシはそうは思わない、ザクザク
という重い足取りは(前に書いたと思うけれど)勝ち目のない戦に向かう心情を表し
ているように聞こえました
また読響の演奏も、相変わらず模範的で破綻が無いので、音響的にも申し分なく、
ミューザ川崎のアコースティック特性によるものか、各楽器がストレートに聞こえて
これがミストーンだと致命的ですが、マーラーの楽器遣いの意図がよくわかります

先日のシェーンベルク編のブラームスは、骨組みをブラームス、語法をヴァーグナー
と書きましたが、楽器の使い方はマーラーだということを本日理解しました

スケルツォを第2楽章に持ってくるというのも納得できる本日の演奏、それはそのは
ずですよね、マーラーが悩んだのも緩急の配置を優先すべきか、ストーリーの流れ
を優先すべきかということだったのだと思います

ということで本日はザクザクの音型を並べることにした(1楽章は4拍子、2楽章は
3拍子ですが)、これを3楽章の歌謡性の後にすべきではないということでしょう
少なくともワタシにはそう思えました

そうなると3楽章は亡き子を偲ぶ歌や少年の不思議な角笛を思わせるフレーズが次々
繰り出され、それは先立つ2つの楽章の重苦しさを払拭するものがあります
就中ホルンのメロディーの心に迫ること(日橋さんの音色はこの上もなく美しい)は、
これだけでもこの楽章配置の正当性の証左であります

終楽章はマーラー特有のスキゾな性格がモロに出て、これは何度聴いてもよくわから
ないのですが、本日のマエストロ・ヤマカズさんはとにかくそれを前に前に持って行
って、最後のあの弱奏でいったん終わった後の意表を突く終わり方まで周到な音楽
造りです(本日の演奏は終始それでしたね)

演奏予定時間は80分と書いてあって、第1楽章のテンポはそれを裏付けるようでした
が、結果としてはそれを大きく上回る90分、改めてスケールの大きな演奏であった
のだと思い知らされました

カーテンコールでは真っ先にホルンの日橋さんにソロ・オヴェイションで、これには
満場一致の大拍手(もちろんワタシも両手がパンパンに腫れるほど)
最後に楽員がみな捌けた後マエストロはコンマスの林さんを伴って再入場、舞台上に
残っていた打楽器奏者を見つけて合図すると、彼は終楽章のハンマー奏者、そのハン
マーを振り上げて観客の拍手に応えました(これについても東条さんは画竜点睛を欠
くと書いておられましたが、今日のミューザ川崎の音響では申し分ありませんでした)

うーん、今年のミュージックシーンは始まったばかりですが、ベスト入りになりそう
ですね(これを超える演奏が続くことに期待します)

コンサート終了後はラゾーナの北海道アンテナショップで帰省叶わぬ埋め合わせを
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