知らんけど

年末が近づくとマスコミは今年あったことを振り返って一年を総括しようとする。
今年の重大ニュースとか、今年のレコード大賞、今年の流行語大賞等々…

流行語大賞はまずノミネートされた30語が発表される。
処が発表されたその30語のどれを取っても私は「え？そんな言葉が流行ったっけ？」だった。

オミクロン株
宗教二世
スマホショルダー
キーウ
大谷ルール
………

たしかにノミネートされた上記のような言葉はニュースでは盛んに聞いた。
けれど、私自身が口にしたことは殆どないし、友人達とのおしゃべりの中でも聞いたことがない。

「ちょっとだけよ〜」(古い)とか、「お呼びでない」(なお古い)とか、そう言う言葉は会話の中で使えたし、笑いも取れた。当時そういう言葉を使ったことがない子供はいなかった。
流行語とはそういうものではないのか。

でも上記のように「聞いたことはあるけど…」なら、まだいい。
30語の中には私も知らない単語がいくつもあって、私はバスに乗り遅れたのかと愕然とした。

顔パンツ
ヌン活
インボイス制度
OBN
ルッキズム
……

知らない言葉だけど、何となくわかったのはルッキズムだけだった。
要するに「見てくれ至上主義」？
カタカナ用語はさておいて「じゃあ顔パンツって何？」
(恥ずかしながら私は男の人が女性の下着を帽子のように被ることを言ってるのかと思ったわよっ)

すると「コロナで、ずっとマスクをしてたら、マスクを外すのが下着を脱ぐように恥ずかしくなっている」ことを指すのだとか。
(嘘だ！今の若い子はパンツと言ったらズボンとかスラックスとか(古い)で、下着ではない！絶対仕掛け人がいて、そいつはおっさんだ！)

じゃあ「ヌン活」とは？
何やら婚活みたいな言葉だから、そういう系の言葉かなと思ったら「アフタヌーンにお茶する」ことを言うんですと。
まあ、そりゃあデートに使われたら婚活もヌン活も同じようなものだけど。

とにかく今やテレビ離れが流行語の定義を変えたのかもしれないが、ミーハーの極みの私が知らない言葉を「流行語」って括りに入れるのはどうなの？

あ、そういえば…
ノミネートされた言葉の中にひとつだけ私の中で納得した言葉があった。

「知らんけど」

これが大賞に選ばれたら紅白やレコード大賞のように、流行語大賞が話題にもならなくなるのを数年くらいは遅らせられるかも。

もちろんそんな先のことなど、どうなったって「知らんけど」