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2022年08月18日01:50

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駅に現在時刻確認手段は不可欠です…現在の時計を撤去するならば

 駅から,特に改札口やホームから時計を撤去されるのは非常に困ります。JR東日本には是非再考を求めたいし,どうしてもやらざるを得ないというなら利用者が困らないような方策を取るべきだしそれは充分に可能です。僕は声を大にして,そのように訴えます。

 僕は毎日のように鉄道を利用しています。ほぼ際限無く列車の来る地下鉄や昔でいう「国電」などを別にすると,改札口付近には「何時何分 ○○行き」という表示が為されていることが多いですね。これは昔からで,僕の子供時代には改札口の上部には紐が張られていてそこに木の札をぶら下げて乗客への案内を行っていました。これがいつの間にか列車種別や愛称・出発時刻等をフラップ(開閉板)を回転させて表示する「パタパタ」(正式には「フラップ式列車発車案内表示装置」と称するのだとか)に変わり,今では以下の写真にあるようなLED式の表示機が使用されるようになっています。最近は地下鉄でも郊外鉄道と直通を行っている路線や,或いは直通運転は行わない地下鉄や「国電」でも長距離を走る列車がある路線の改札口にもLED式列車案内表示機の設置されることが増えました。

 僕も昔から,こうした案内表示には大変助けられています。「次の列車は途中止まりか。ではその次の列車に乗ろう」などと判断することも勿論ありますが,主に「列車が来るまでに7分あるから,手洗いに行ってからホームに向かおう」「あと3分か。では手洗いに寄っている時間は無いからこのままホームに向かおう」などと判断することが大部分です。これはホームで列車を待っている際も全く同様で「まだ列車到着までに10分あるから,キオスクで飲み物と軽食を買って来よう」などと判断をつけています。しかし考えてみれば,列車案内の表示だけではこうしたことは不可能です。表示機に「10時40分に高尾行きの列車が来る」と案内されていても,では今が何時何分なのかまでは判りません。当然「列車到着まで,あと何分あるのか」も判断のつけようがありません。それは列車案内表示機と時計とを併用することで初めて判断がつけられる事柄だと言えるでしょう。つまり時計の助けがあって初めて,列車案内はその効果を発揮するのです。
 ところがJR東日本は現在,駅の改札口やホームから時計の撤去を進めています。この記事にもあるとおり既に大月駅などでは撤去されてしまい,JRと無関係な大月市役所にまで「時計がなく不便を感じる」といった声が寄せられていることが紹介されています。これに対しJR東日本の広報部は「スマートフォンなどの普及により、多くのお客様がご自身で時間を確認する手段をお持ちであること、保守メンテナンスの負担軽減などを総合的に勘案して一部の駅構内の時計の設置を見直すことにしました」という説明を行っており,今後10年ほどの間に全ての駅から時計を取り外してしまう方針のようです。

 JR東日本の説明は,果たして妥当でしょうか。僕は少しも納得出来ません。まず「多くのお客様がご自身で時間を確認する手段をお持ちである」という話ですが,実際にはスマートフォンなど影も形も無かった昔から我々は容易に時間を確認出来ました。そう,腕時計のおかげです。しかし携帯電話でも時刻の確認が出来ることから,我々は腕時計をあまり身に付けなくなってしまっています。かく言う僕も中学生時代から社会人になりたての頃には必ず腕時計を巻いて家を出たものですが,今では腕時計を巻いて家を出るのは資格試験の受験時といった携帯電話の使用が不可能な特別な場合だけになってしまいました。「でも,携帯電話で時刻確認は出来るのでしょう?」と言われるかもしれませんが,腕に巻いている腕時計と異なり,携帯電話は剥き出しで持ち歩くものではありません。鞄やケースに入れているものを改札の前で取り出して確認するなど,列車到着直前かもしれない中では非現実的な話です。そんなことをして鞄の中身を落としでもしたら目も当てられませんね。本来は乗れるはずだった列車に乗り遅れてしまうことにもなるでしょう。では携帯電話を手に持って歩いたらどうなるか。それもまた問題です。ただでさえ人の流れが輻輳する駅のような場所で人にぶつけでもしたら大変ですし,そもそも「スマホを見て時刻を確認してくれ」というのは,鉄道会社が歩きスマホを奨励するも同然の振舞ではありませんか。
 ではJR東日本が乗客に対しそこまで本末転倒のことを求めるからには,時計の撤去はそれほどコスト縮減に有益なのか。この記事によると「駅の時計は、簡易な電波時計とは異なり自動で時刻を修正する高精度な時計だ」とありますが「時計設備の維持管理や更新費用で年間4億円程度かかり、撤去することで年間約3億円の経費削減になる」というお話です。3億円といえば通常であれば目も眩むほどの大金ですが,JR東日本にとっては全くそうではありません。同社は2022年3月末現在で43,013人もの従業員(関連企業を含まず。以下同じ)を擁する巨大企業であり,総資産は8兆3349億9400万円(純資産でも1兆8721億8400万円)。そして2021年度の売上高は1兆4241億5000万円という,我々の想像を絶する大企業です。たしかに現在は大きな赤字(2021年度の営業損失1495億8300万円・経常損失1777億1800万円・純損失991億5900万円)を出していますが,これはコロナ禍ゆえのことでそれ以前は毎年度大きな黒字を出していました。コロナ禍が永続することはありえず,いずれは黒字に復帰することは間違い無いでしょう。それで3億と言われても「その3億のために乗客に大きな不便を強いるのか」という疑問が膨らむばかりです。

 このように申し上げると,或いは「他人事だと思ってJR東日本という企業に3億もの出費を強要するのか」という反論があるかもしれませんね。しかしJR東日本にとって時計の設置は全くの不可能事と言えるほどの重い負担なのか。「簡易な電波時計とは異なり自動で時刻を修正する高精度な時計」だから高いのであって,普通の時計は決してそんなに高額なものではありませんし「簡易な電波時計」でも自動で時刻を修正してくれるのです。ネットショッピングサイトで確認したところ,1台2,000円弱の電波式掛け時計が販売されていました。JR東日本の駅数は現在1,677ですから,仮に1台2,000円の時計を各駅に20台ずつ設置しても6,708万円です。念の為に有人駅であれば駅員さんが始業時に時刻の正確さを確認し,無人駅についても巡回担当者や保線担当者が同様に確認を行うことも決して不可能な話ではないでしょう。先ほどは「各駅20台」で計算しましたが,実際には無人駅に20台もの時計を設置する筈も無いのですから。
 或いは有人駅においては,列車案内表示機に現在時刻を表示するということも考えられますね。実際に東京メトロの列車案内表示機には現在時刻表示欄があり,列車の情報と同時に時刻を確認することも可能です(写真上参照。東京メトロ池袋駅)。JR東日本の列車案内表示機に時刻表示欄はありませんが,これは将来的には東京メトロ式の列車案内表示機を導入するとして,現在の表示機についても「1番下の列に現在時刻を表示する」という方法で対応可能でしょう。大きな駅の列車案内表示機は3列,小さな駅の表示機でも2列での情報表示が可能です(写真下参照。JR東日本国立駅。国立駅の表示機は3列)から,1番下の列に現在時刻を表示すれば良い。2列分の情報しか表示出来ない表示機であっても「2列目には,2本目の列車についての情報と現在時刻とを交互に表示する」という方法での対応は可能です。現在でも2列目は「2本目の列車についての情報と,1本目の列車の停車駅等に関する情報」を交互に表示しているのですから。

 本来であれば,JR東日本のような巨大企業にとって3億円という「端金」を惜しんで乗客に不便を掛けるような真似はして欲しくない。実際,その3億円を節約しないとJR東日本が倒産してしまうかといえば,そのようなことは絶対に有り得ないでしょう。しかしどうしても「節約」のために時計を撤去するというなら「代わりに安価な時計を設置する」「列車案内表示機に現在時刻を表示する」といった代替措置をしっかり取って頂きたい。「何時何分に列車が来ます」とだけ情報提供しても「そもそも今現在は何時何分なのか」が判らなければ,それは役に立つ情報ではないのですから。
 皆様は,この問題についてどのように思われますか。



消える駅のアナログ時計 コロナ禍の煽りうけるJR東、経費削減策に反対の声も
https://dot.asahi.com/aera/2022042000045.html
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