毎年8月になると、“お盆”のほかにお約束のようにニュースで見かける「戦後●●年」といった見出し。いまもってその象徴と言えるのが、6日の広島原爆の日、9日の長崎原爆の日、そして15日の「終戦記念日」。
それぞれ、平和祈念式典であるとか、戦没者追悼式が毎年行われ、広島や長崎の市長さんや時の首相が、党派や個々の政治信条などを越えた立場で“平和への誓い”を刻んでいきます(まぁ、わざと核心部分を読み飛ばしたんじゃない?と思うような、昨年の某S首相とかはいたけれど)。ですが、あれだけわかっているはずなのに、70年以上経ってもどこかの大統領は「核を使うぞ
」と脅してみたり(“言ってみる”くらいの感覚なのかしらん…?)。別の国の主席は「この辺ぜーんぶうちのもの
」と理屈をこねてみたり(某国のお偉いさんはそもそもこういう思想なのかしらねぇ…)。それらに対して「やっぱり力が必要
」と言って真っ向勝負をしかねないように見えるのが、どっかの国の政権与党の重鎮だったり…。
これだけ毎年式典等々で想いを新たにしているはずなのに、こういった場面を見聞きすると、どうも式典は単にタテマエであって、実際は別なのよという理屈だけがあらわになっている感があります…
。まぁ、一般市民としては声を上げ続けるくらいしか方策がないのではありますが。
その“重要な象徴”である8月6日の夜に、二子玉川の東京音実劇場さんで執り行われたステージは、このようなお題が付いたものでした。
大森真理子さんが主宰する「Rainbow Ribbon Live 2022」シリーズの2回目。夏から秋にかけての全7回のシリーズで、虹の七色にちなむテーマカラーが、各回ごとに設定されています
。この日は青色。夏の青空の下でも、戦禍に巻き込まれざるを得なかった当時を、少しでも汲み取ろうとする意志がうかがえます
。
ということで、忘れてはいけない“平和への想い”にちなみ、本稿も「忘れてはいけない想い」をベースに綴っていこうと思うわけです。コロナ禍の趨勢でほぼ定着した、入場順を決めるくじ引きが比較的早い番号でしたので、当日記筆者としては珍しく最前列での観覧。それぞれの演者さんの“いろいろな想い”や“意外なところ”を間近に感じられます
。
【平和への想い
】
主宰の大森真理子さんは、サポートピアノの安保一平さんとの2人編成で、トリに登場。お衣装は白ベースで、パステルブルーの羽織ものをコーディネート。夏の青空に白い雲というイメージそのものです。
セットはこんな感じの5曲でしたが…
(以下、ご本人のブログより)
1:ありがとう
2:I am a dreamer
3:ニャンコの約束
4:Remember Love
5:.空へと歌う詩
やっぱり、「8月6日」に唄う「空へと歌う詩」が圧巻。夏のステージを中心によくセットに入る代表曲の一つですが、この日ははっきりと「反戦歌」と宣言してのパフォーマンス
。ここまで言い切ったシーンは、少なくとも筆者のこれまでの参戦の中では記憶にありません。ピアノとフルート、ご自身の唄声だけのシンプルな構成でありながら、いくらかの涙を浮かべつつのステージングに、完全に持っていかれた感がありました。
ことしは、先に書いたように「言うこと聞かなったら核を使うぞ
」と真顔で脅す国家元首が本当に現れてしまった状況。そんな中で、ご自身の出自を重ね合わせたその先の願いが、一段と深くしみわたるような一曲です。
【ダジャレへの想い
】
平和への想いという崇高なテーマを掲げた結果、本編中の真理子さんは本当に大真面目バージョン。最近では自己紹介用フライヤーにもしっかりと?書いてある「ダジャレンジャー」たるお姿は封印
だけど、「はやくダジャレ言いたーい
」と、めちゃくちゃ我慢してたんだろうな〜というのも、一方ではっきりとわかります
。
これを表に出してしまう(笑)のが、2番手に登場されたmarinaさん。
ふだんのステージとは様子がだいぶん違って「楽屋でもダジャレがでてこない」真理子さんを、marinaさん、相当に寂しく思ったらしい
。そのせいかどうかはともかく、弾き語りのソロスタイルでのご出演でも、セットの中には幾分激しめの曲が入っていたりします。夏の青空を楽しみ、そして突き抜けるといった感じがあったでしょうか
。
しかし、寂しいままではすませない
のがmarinaさんのmarinaさんたるところ(と、筆者は思っております)。
ダジャレが封印されているなら自らが…とばかり、この日のお衣裳を「ほら、テーマカラーの青がちょこっと入ってるでしょ(笑)」と幾分強引に?納得させてみたり、「真理子サマがダジャレ言ってくれないの…」と“様付け”でちょこっとあおってみたり…
(どんな感じだったかはチェキからどうぞ…。ご本人の解説によれば、青緑っぽい小さな花柄がちりばめられています。肩口がちょっと見えるくらいですが。。)
すると、それに応えて…
本編が終わった後の3人そろい踏みの頃になると、それまで我慢していたぶんまでマシンガンのようにダジャレが飛び出してくる真理子さんのお姿が、ステージ上にはありました(笑)。ダジャレだけではなく、この間に観察を重ねた?共演の皆様のツッコミどころも、容赦なく暴露されていきます
。それに対して、負けじと応酬?するまわりのみなさま。さしずめ爆笑ネタが打ちあがる様子を楽しむ花火大会のようでしたねぇ(笑)。
めでたしめでたし
【ほんとうは4人という“想い”
】
外看板にも注釈がありましたが、もともとはこういう予定メンバー。
このうち、椛島恵美さんが体調不良でお休みに
。
そこで、ピンチヒッターとしてお呼びだてされたのが近藤佑香さん。当日記ではお初
な方になりますが…
なんと、主宰の真理子さんとも初共演(それどころか、はじめまして…だったそうな
)。
このおふたりをつないだのがmarinaさん
。
ということで、どんな感じのひとなのかな?と思いながら、1番手で登場してくる佑香さんがステージに上がってくると…
本来はギター弾き語りのかたですが、手には赤いミトンのようなものをはめています。すると…
ちょきちょき
〜
ちょきちょき
〜
そのままずばり「かにのうた
」。
ちなみに、ご出身は北海道という佑香さん。ちゃんと音源化されていて、定番のつかみ曲らしいのですが、とにもかくにも最初がこの曲
。
聴衆も、いやおうなく両手でちょきちょきさせられます(笑)。チョキしか出せなーい
ということで、アーティスト写真での印象よりは、明らかにお茶目(笑)。そういえば、椛島恵美さんも同じように実ステージでは相当にお茶目だったような気が。なるほど、確“かに
”このひとだったら大丈夫
ですね。やるなぁ、marinaさん
こうしてこの場に溶け込んだ佑香さんは、はじめましての真理子さんとのやり取りの様子なども交えつつ、場内をご自分の空気感に染めていかれました。6月末にレコ発ワンマンをされたばかりということで、セットにはその新譜の中の曲(こんな日に限って)も入っています。真理子さんも感銘を受けたというそのワンマンへの想いは、筆者のような勤め人にも突き刺さるところがありますね
。
そして、恵美さんの想いは、オープニングSEの形に昇華
。真理子さんも折に触れて恵美さんのことに触れておられます。期せずしてのかたちではあるけれど、4人で結ぶ青色リボンの想いは、存分に伝わったのではないでしょうか
。
いろんな想いを詰め込んだこの日のステージ。
どれもだいじ。
そして、笑うのもだいじ
。
筆者もまた想いを新たにする…、そんな夜だったかと。
あ、掛け値なしの楽しさも満載でした
ありがとうございましたぁ
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