先週末の映画。
最近、なかなか感想が書けずで……今回は短評のみ。
まず、金曜、TOHOシネマズ海老名で、
「東京2020オリンピック SIDE:A」。
これは河瀬直美監督による、2021年開催の東京2020オリンピック競技大会を記録したオリンピック公式映画二部作の一つ。
アスリートを中心としたオリンピック関係者に焦点をあて、新型コロナウィルス感染拡大を受けて1年延期され、無観客開催となった大会に臨む選手たちの情熱や苦悩を描き出す。
つまらない映画だ。何しろ、コロナ禍最中に強行開催され、国民の支持を失った東京オリンピック自体が盛り上がらなかったのだから、面白い映画になりようがない。
アスリートに着目した本作だが、競技内容や勝ち負けではなく、選手の抱えるバックグラウンドや、生き様を描く、と言う視点も盛り上がらなかった理由であると思う――確かに、河瀬直美らしい着目点ではあるし、映像は美しい……しかし、運動競技のダイナミズムや躍動感を描き出さない本作の監督として、河瀬直美が適任であったかは疑問を覚える。
安倍晋三は、河瀬直美を、レネ・リーフェンシュタールにしたかったようだが、それは果たされなかったのではないだろうか。
そして、
「河?直美はパワハラ・モラハラの暴力監督だから、観たくもない、上映もまかりならん」
と言う声も多し。
それにしても、まいじつは、
「どんな映画でも客が入るTOHOシネマズ新宿で、週末3日で25人しか入ってない大爆死」
とか嘘を書いてはいかん。
常にガラガラのTOHOシネマズ海老名でさえ金曜夕方、5人も入っていた。海老名でさえ、週末3日で25人はありえないぞ。
土曜、Kinoシネマみなとみらいで、
「オフィサー・アンド・スパイ」。
これは、ロマン・ポランスキー監督による、ドレフィス事件の映画化。
出演は、「アーティスト」のジャン・デュジャルダン、「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」のルイ・ガレル。
19世紀末、フランス。ユダヤ系陸軍大尉ドレフュスは、スパイ容疑で終身刑を宣告される。ピカール中佐はドレフュスの無実を示す証拠を発見するが……
見応えのある映画だ……が、この映画、スパイサスペンスではなく、ユダヤ人差別の映画なんだがな……その辺りを感じさせない予告編には問題あり。
また、日本人的にはとっつきにくい内容だと思う。
そして、
「ロマン・ポランスキーはロリコンの性犯罪者だから、観たくもない、上映もまかりならん」
と言う声も多し。
(ネットだけではなく、「キネ旬」のレビュアーまでもがレビューと採点を拒否していた)
日曜、T−JOY横浜で、
「太陽とボレロ」。
水谷豊が監督・脚本・出演の三役を兼任したヒューマンドラマ。
ある地方都市で長年活動してきたアマチュア交響楽団の解散が決定。苦渋の決断を下した主宰の花村理子は、ラストコンサートを計画するが、様々な事情を抱えた楽団員たちの足並みはなかなか揃わず……
よくない。水谷豊の映画監督としての至らなさ、社会人経験のなさが露呈……日常描写にリアリティがなさすぎる。
これでは映画に入り込めない。演技巧者を集め、更に俳優が実際に演奏までしていると言う力作ではあるのだが、残念だ。
この映画の上映中、後ろの客が椅子を蹴って来るので振り向いたら、体格のいい大学生で、足を組み替える度に足が椅子に当たるのだった。幾度か振り返って、アピールはしたが気にする素振りもなし。
ほんと、映画鑑賞マナーは、高校〜大学当たりの男が一番悪い、と思う。
もう1本、Kinoシネマみなとみらいで、
「冬薔薇」。
これは、「半世界」の阪本順治監督が、き逃げ事故で謹慎していた伊藤健太郎をイメージして脚本を当て書きした人間ドラマ。
ある港町。渡口淳は不良仲間とつるみ、他人から金をせびってはだらだらと暮らしていた。ある日仲間が何者かに襲われ、その犯人像に思いがけない人物が浮かび上がって……
伊藤健太郎の復帰作。
冬に咲く薔薇、「冬薔薇(ふゆそうび)」をモチーフに、人が、寒さに耐えて花開かせることを諦めたかのような現代を描く――大人たちは、時の流れにその居場所を失い、崩壊した家庭にこぼれ落ちた若者が縋るのは、“反社”と言う疑似家族……いい映画だと思う……「人は判り合えない。それが家族でも。勿論、親子でも」と言うテーマは辛辣であるし、半グレと言うアウトロー集団の絆がどのように生まれるのかを描くのにも説得力がある。
だが、
「伊藤健太郎はひき逃げ事故を起こした交通犯罪者だから、観たくもない、上映もまかりならん」
と言う声も多し――映画が描くのは、正にそうした、一度過ちを犯した者に二度と社会復帰を許さない、と言う歪んだ正義感が生み出す“不寛容社会”そのものなのだが、映画の中の淳同様、伊藤健太郎が、その不寛容社会に押し潰されないよう、祈るばかりだ。
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