非難轟々の映画、『大怪獣のあとしまつ』。
一応、京成ローザで見てきた。
Twitterの色々な意見を見て「こういう映画なんじゃないのかな〜」と予想していたのだが、実際かなりそれに近かった。
予想ってのは、『熱海の捜査官』みたいな映画なんだろうな〜というもの。
そしたら、本当にそうだったのだ。あのドラマ、最初は期待したんだけど、なんかつまんないな〜ってなって、最後まで見てもやっぱり「なんじゃこりゃ」だった記憶がある。
あれも、とっかかりの切り口は興味深かった。
この映画もとっかかりは実に興味深い。特に怪獣がネタとなれば、ジャンル的にも興味がある。
だが、その先の見せ方が私の好みじゃない。まったく『熱海の捜査官』と一緒。
思わせぶりなセリフか、説明不足のシーンか、独特のギャグの応酬か――が続き、「登場人物だけが理解している何か」を、見ているこっちはさっぱりわからない。
あの手法を怪獣映画（と思っちゃうような題材）でやるのかよ、という……。
私は『熱海の捜査官』もイマイチ面白くなかったし、正直、『ツイン・ピークス』も好きじゃない。
ただ『大怪獣のあとしまつ』は、激しく非難されるような作品とは思わなかった。
とにかく、合わない人には徹底的に合わない方法論で作られてるだけだと思う。
特に、その手法を相性の悪い怪獣とか特撮という題材（そのジャンルが好きな人に全く向いていないという意味も含む）でやっちゃった――ってことなのではないかと。
怪獣映画や特撮好きの人にとってこの映画は、二時間もかけて好きなジャンルの盛大な皮肉を見せられるみたいな感じになるわけだから、そりゃ怒る人もいるだろう。
ラストなんか「『こんなバカなオチを思いついちゃったよ、どうだ面白いだろう？』って、そんなオチ今更やられてもさあ……」ってなるだろうな。
といって、手法が似ているからといって『熱海の捜査官』が好きな人が楽しめるかというと、そっちの層には怪獣ものへの思い入れがないだろうから、そもそも興味がないかもしれないし……。
お話の作りが、ずーっと何もかもがふわふわしていて中途半端で、盛り上がる仕掛けや積み重ねもわざと仕込んでない感じだから、急に派手なアクションシーンになっても、恋愛ドラマになっても、結局シーン自体がふわふわしてる。観客は「なぜそうなって、どうしてそうするのか」を登場人物と一緒に体感できない作りになっている。
わくわくしないまんま、フラットに見始めてフラットに見終わるのだ。元々そういうスタイルだというのはわかるが、そのスタイルが好きじゃないんだよ。私は楽しめない。
ていうかまあ、誰が楽しむのかもよくわかってないんだけども。
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