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2021年12月31日00:56
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ヒビノキ753（12月26日〜1月1日までの１週間／週前半）
2021/12/26〜2022/１/１までの日曜日〜水曜日の週前半の日記です。
■2021/12/26/日
12月25日（土）に都内でTRPGのセッション――。
『新クトゥルフ神話TRPG』のキーパーをやらせてもらいました。
https:/
参加したメンバーは感染対策ともども協力ありがとうございました。また今年１年大変お世話になりました。
キャラクターは死亡しなかったものの全員「不定の狂気」を発症する事態に――。だが一部はプレイヤーのせいです。
●登場キャラクター（50音順）
▼PC� ＾揃� 牙太郎 20歳／アスリート
幅広く取得した技能で知識面と肉体面の行動を両方そつなくこなして活躍。かんがえてみれば相手から猟銃をうばうなど戦闘の中心。
▼PC�◆＿崑� 薫 21歳／ディレッタント
\300,000を「ポン」とだせる現代の富豪刑事ではなく富豪学生。車輛の運転やチェイスで活躍する。最後は猟銃で神話生物と対決した。
▼PC�� 平柳 康太 20歳／兵士
非常に高い隠密能力と猟犬を連れ野伏のように活躍する。状況を先行する斥候の役目。以外の２人の行動が有利に働く土台を作り上げる。
●プレイの内容
（１）
まず全体の解説から。1969年、Ｋ県Ｋ村の山間部*1に建つ産学官の実験場に、リーギクス（ルキハグス）の住人（以下・“住人”）*2の乗り物が落下した。“住人”は放送と送電実験を行う人類の施設に注目した。施設の放送鉄塔に異形の放送システムを建造すると蝙蝠神ルログ（ニャルラトテップの化身）*3を招来しようとしたのだ。だが、この音波は人類の暴力衝動をあおるものであった。
音波は施設一帯の外に出ると「死亡」する異常な音域*4を作り出し、かつ内部の人間の暴動を誘発した。PCが所属する“大学”*5のOBは、現在のノイズキャンセリング技術を応用して「ザ・ハム」*6と命名したこの音波を消音しようとする。消音は成功。OBは生き残り、以後“大学”は音波を観測しつづけた。だがOBの建設した消音システムは経年劣化で停止。*7ふたたび「ザ・ハム」か鳴り響く。
（２）
2021年クリスマスイブ。先行して消音システム停止の原因を調査しに向った先輩（院瀬見まきお）。彼女から修理に必要な備品*8の連絡をうけて、PCは現在「八千原実験所」*9と名前の付く施設へと向った。クリスマスのパーティーグッズ満載。「明日の帰り道にはほうとうだ！」と、はゃしゃいでいたPC／PLの態度は、だが一変する。到着した駐車施設は破壊のかぎりをつくされていたからだ。
「もうかよ？」と驚く中で事前に【幸運度】を消費して獲得した装備*10 の懐中電灯をつけて駐車施設を調査するPCたち。併設した待合スペースで発見した先輩は負傷しており危険な状態だ。すぐさまPCは病院に向う目的で下山しようとする。そのPCらに先輩は「OBの手記」*11 を手渡す。「手記の内容以外に説明のしようがない異常な状況」先輩はいった。「オッカムの剃刀」だと――。*12
（３）
“とはいえ”であった。「手記の内容をはなから信じるべきか？」先輩は危険な状態だ。PLはなんやかんや理由をつけて花沢の車で下山を開始した。もちろん手記は“ただしい”のである。*13 わざとやっているのだ。*14 結果PCは大変な頭痛に鼻血を流し正気をけずる。「手記は本当なんだよ！ 音波を停止するしかない！」これこそ自然な物語をつくるために火中の栗を拾に行くベテランのロールプレイだ。*15
PC／PLは「ザ・ハム」の停止手順を確認する（地図と※11のハンドアウトを参照）。また先輩は手記の資料を「研究用ロッジ」へと置き忘れた。PLは以下の手順ですすむ。「研究用ロッジで資料を回収」→「中継施設でザ・ハムを逆の位相で消音していた周波数帯の音波を設定」→「配電用変電所で放送システムが存在する10番鉄塔への送電を停止」→「10番鉄塔に登り放送システムを修理」
（４）
最後に再度「配電用変電所で10番鉄塔に送電」して作業完了だ。*16 ここからPCは役割分担を行う。花沢は「装備」で持ち込んだ高性能SUVで施設各地に移動。平柳は隠密で施設侵入の皮切を作る。安健は平柳の補助をしつつ必要な装置や計器を操作する役割だ。*17 PLは「ザ・ハム」によって凶暴化した「ハム」の対象方針も決定する。「ハム」は人間だ。殺害すれば「殺人」になる。
本作はファンタジーではない。現代日本の一般市民が「ハム」を殺害したなら殺人の適用が厳格な日本では、まず間違いなく有罪である。*18 また「殺人の葛藤なき物語を作る気持ち」がPLにはさらさらない。*19 p116「ゼロ耐久力の効果」*20 、p121「ノックアウト打撃」*21 を確認して荒事は鈍器で行う。それでも偶然「殺人」をしたならば自身の罪をバックストーリーに記載するのだ。*22
（５）
もっともPCが「ハム」と戦闘したのは「10番鉄塔」の登攀へ挑む１回だけであった。以外は隠密行動でやりすごす。なぜなら先輩の名の「デスリミット」があったからだ。*23 GMがしめす「シナリオの経過時間」*24 を行動に織り込みシステム復旧をめざすPCたち。火を焚き四肢を切断した人間の周囲で踊る「ハム」。*25 「中継施設」では「ザ・ハム」を消音するただしい音波の周波数帯を求め思考錯誤。
ただくしない周波数帯にあわせると恐怖の映像が視界をジャックする。*26 周波数帯あわせを完了したPCは「配電用変電所」へ。そうして目撃する。触手をはやす銀色の立方体が人体を解剖する光景を。「“住人”を目撃したものの一時的狂気にはならなかった」この成功が今回のPCの勝因。*27 だが、“住人”はそもそも簡単にPCを殺害可能な能力を持つ。知恵をしぼりPC／PLは立ち回る。*28
（６）
「“住人”は臆病だ」手記の内容を頼り発煙筒や変電所で入手した信号拳銃*29 で立ち向かうPC。もっとも命中率をカバーするため「ゼロ距離」*30 に近付く捨て身の戦法だ。PCは“住人”を退却させ、いよいよ「10番鉄塔」へ。だが鉄塔の真下には猟銃を持つ「猟師ハム」と以外の「ハム」が！ 撃たれれば死ぬなかで、*31 安健は「猟師ハム」から銃を取り上げ全員が泥臭く「ハム」と戦う。*32
鉄塔を登るPCは「なぜ送電もなしにザ・ハムは鳴り続けたのか？」を理解する。“住人”がスピーカーに変形して蝙蝠神ルログのために歌うのを。平柳が状況を整え、*33 花沢が猟銃を撃ち込み“住人”が逃げ出す。*34 放送システムを修理。いそいで「配電用変電所」へ戻る間際PCは見た。鉄塔頂上の渦巻く雲の中で燃え上る３つの炎の目を。*35 以上が後日３人が発狂する年末の事件の内容だ。*36
●脚注
※１ モデルは神奈川県の清川村。参加したメンバーが「丹沢のあたり？」といったがそのとおり。全体のイメージは箱根にある仙石原のすすき野原。
※２ 『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1 クリーチャー編』のp157参照。冥王星で蝙蝠神ルログを信仰し、かつてはシャンたちの奴隷であった箱型の金属的生命体。実験的な性質を持ち、好奇心が強い。初出では人間を解剖している。
※３ 『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.2 神格編』のp184参照。ニャルラトテップの化身の１つ。小説『闇をさまようもの』でロバート・ブレイクを狂気へと追い込んだ神性。７版では複数の別名のニャルラトテップの化身が「闇をさまようもの」へ統合されることになった。これはゲームデータとしてはただしい。特別意味などなく分散／散逸したゲームデータなど使い難いだけだ。
※４ ※11も参照。実際、施設（八千原実験所）から１km以上はなれた場合、PCは大量の脳内出血で死亡する。はなれるほど頭痛が悪化して正気度をうしなうしかけ。
※５ https:/
※６ https:/
※７ 「当り前の事が原因」であったありがち展開。約半世紀といわず、ちゃんと引き継ができていないシステムの保守・点検が「おろそか」になる事例は無数にある。
※８ 修理に必要なホーンスピカ―がふたつ。※10を参照。
※９ 本文の地図参照。
※10 https:/
※11 https:/
※12 https:/
※13 そもそも無事下山できたらシナリオ終了だし。
※14 神話知識ゼロの一般人がそんな与太話をいきなり信じる方がおかしい。すぐれた物語とは総じて受け手を「順序」よく納得させるだけの理由と土台がしっかりしている。TRPGも一緒。
※15 「（キーパー）頭痛と鼻血で【耐久度】に1D4ダメ―ジと<正気度>が１ポイント減少する」「（ベテラン）<正気度>ロールなしで！？」
※16 修理した放送システムを再開するには「10番鉄塔」への送電が必要だ。PCは放送システムを修理したあと「配電用変電所」へ戻る必要があるのだ。
※17 花沢が<運転（自動車）>、平柳が<隠密>、安健が<電子工学>を担当する格好。
※18 ※14も参照。自衛のため武器携帯が許可されていない日本では「正当防衛」はほぼ成立しない（事実において判例が非常に少数だ）。防衛に武器を使用したなら大抵「過剰防衛」が適用されるし、「過剰防衛」の必要が許容されても傷害で懲役はまぬがれない。そもそも「相手が正気をうしなっていた」「ゆえ殺した」が事実でも、遺族は納得しないだろう。これこそ物語のリアリティの話だ。
※19 ようするにこのメンバーには「今回のシナリオを“作品”として第三者が見た／読んだ／聞いたときに不自然さや違和感がないか？」を視る視点があるということだ。
※20 「【耐久力】がゼロまで低下した対象はPCがとどめを刺さないと死亡はしない。やがては意識を取り戻す」。ただ自分（キーパー）はp116のゲームルールは「刃物」ではなく「鈍器」の場合のみ成立するとさせてもらった。
※21 「まったく注意をひいていない状態で対象の【耐久度】を鈍器で１ポイント以上減少させたら対象は気絶する（オプションルール）」。もっともシナリオで「ノックアウト打撃」が成功することはなかった。
※22 そのための７版の「バックストーリー」だ。有効に活用していきたい。
※23 シナリオ開始からゲーム時間で４時間が経過するとで先輩は意識不明となって【耐久力】が現在の半分になってしまう。８時間が経過した時点で死亡する。
※24 「ある地点からある地点へ徒歩で移動したとき＋１時間」「ある地点からある地点へ車輛で移動したとき＋30分間」「PCが【能力】ロール／<技能>ロールに失敗するたび＋15分間。プッシュによって失敗した場合は＋30分間」「チェイスや戦闘が発生した場合は＋30分間（チェイスや戦闘全体で行う【能力】ロール／<技能>ロールの失敗で時間は経過をしない）」「負傷の回復を行う場合は＋30分間」「シナリオで行う行動に指定時間があるならば＋指定時間」といった具合。
※25 （おそろしすぎて ＆ おぞましすぎて）素通りすることに。
※26 候補の周波数帯は８つ存在し中継装置へ登録してある。PCは正解の周波数を探し出しセットできればよい。このため総当りすれば、かならず正解に辿り着く……わけだが簡単にはいかない。不正解の周波数を耳に聞くとPCは「恐怖の映像」を見て<正気度>を失う。「現代の国外の裏町。女性と抱き合うロングコートの人物の身体が突然重力なく崩れて軟体と化し、絶叫をあげる女性を飲み込みひきずる」「巨大な蝙蝠のような化け物が空を割り姿を現し、その眼下で奇妙なペイントを塗る半裸の男女が踊り狂う。男女たちはやがて素手で殺し合いを始めて内蔵を取り合う」といった具合。
※27 本当に一度も発狂しなかったな。
※28 自身以上の能力を持つクリーチャーに「アイデア」で立ち向かう四苦八苦と試行錯誤が本作の醍醐味だ。
※29 いわゆるフレアガンをあらわす。ルールブックのp405を参照。なお取り扱いには公安委員の許可が必要だ。通販やオークションの購入自体もＮＧだぞ。
※30 一般のPCは<射撃（拳銃）>技能は取得できない。つまりはフレアガンの基本命中率は20％しかない。ただp105で解説する「ゼロ射程」をすることによって、PCは攻撃にボーナスダイスを１つ受け取る。これへと賭けたのだ。
※31 「猟師ハム」が持つ12ゲージショットガン／二連式のダメージは4D6だ。 命中をすれば平均ダメージ（12）。大抵のPCは死亡する。
※32 というか普通の鈍器をもった「ハム」でもダメージ1D6ですから２回でPCは死ぬ。戦闘こわすぎやろ。
※33 先行して登攀した平柳は「配電用変電所」の備品倉庫から発見したストレチャーからハーネスを取り外し各自の命綱とした。
※34 ディレッタントの花沢は<ショットガン>技能をもっているのだ。攻撃は命中して17ダメージ。“住人”の10ポイントの装甲も貫く。なお自分（キーパー）は“住人”が【耐久力】に５ポイント以上のダメージをうけたときは逃亡することにしていた。ルールブックのp205にあるように、知性ある神話生物は死亡するまで戦闘はしない。我々と一緒だ。死ぬまで戦うのはファンタジーのモンスターだけである。もっともすぐれたファンタジーにはきっと「そのモンスターが死ぬまで戦いつづける理由」が設定してある。
※35 自分は振り返らんでいいといったからな！ いったからな！ 「（安健のPL）振り返ります――」
※36 自分（キーパー）が今回のシナリオで「実験」したのは、シナリオ時間を“作為”して１日に限定したなら「PCは“不定の狂気”になるか？」であった。もろちん余計なことをした安健はのぞくけれども、シナリオ時間が１日だと、おそらくかなりの確立でPCは「不定の狂気」へ突入する。ちなみにPCの不定の狂気の結果は安健が「鳥恐怖症」。花沢が「パニック」。「平柳」が「睡眠マニア」であった。
『鬼滅の刃 遊郭編』 第４話 「今夜」
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善逸／善子が姿を消し、天元は炭治郎たちに吉原・遊郭をはなれるようにつたえる。だが炭治郎と伊之助は独自調査を開始する。結局のところ堕姫が身を滅ぼす引き金って我慢がきないところよね。善逸と出会い、鬼狩りが吉原にいることはわかっていた。でも鯉夏を食う事を我慢できなかった。ですから無残に「ああいう評価」をもらって退場するんだけど自制がきかないやつってやっぱり小物よな。
とはいえ炭治郎にとって強敵であることは間違いはない。ただ「やれるぞ」「みえるぞ」と堕姫と相対して炭治郎は実感する。たしかにつよくなったもんな。階級も“庚”に。村田先輩をぬいた……てか本当に伊之助の階級説明の一言のために村田先輩が登場するのわろた。これが「予算潤沢」の効果か。いよいよ上弦の鬼・堕姫の存在を炭治郎たちが把握して本格対決。簡単にはいかんだろうが。
■2021/12/27/月
緊急連絡のときのためにグループウェア自体は稼働してるんだが、特別重要な用事がないならば、あらたなスレッドたてるなっていったじゃろ。休みなんだから休め。年始のToDOも年明けにやったら十分じゃない。
『境界戦機』 第13話 「隠岐の島戦（後編）」
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最終回。２期は４月から。ただテレビアニメでは放送時期ははっきりとしめされなかった。大抵の視聴者たちが予想できたようにアモウとケンブ、ガイはゴーストと相打ちで生死不明に。ガシンとシオンは後悔し、ブラッドはゴーストの自立思考AIを回収して破滅的フラグを立て終幕。今回で折り返し。１期の感想は駄作ではない。かといえ凡作にもなれない印象。普通以下かな。
１つめは物語全体の平凡さ。日本が独立する主題は「コードギアス」が想像できるし、本作の独自要素もとぼしい。２つめは監督のアナクロ（時代錯誤）な思考。老人が現実の日本に憂う所が散見し、ジャパン・イズ・No.1を回顧する感覚。でも若者に丸投げ。３つめはＣＧを排除した影響で出る作画の乱調。ハサウェイなんかでは見事にＣＧと作画が融合する時代。メカやるなら全面に押し出すべきだ。
■2021/12/28/火
めちゃくちゃさむくて朝方は電気ストーブだけだと無理。
■2021/12/29/水
『キングスマン:ファースト・エージェント』――。
作品自体がキングスマンの誕生譚／前日譚。ですからしょうがないんだけど我々が想像する「キングスマン」らしさに結実するのは最後も最後。史実を取り込み、第１次世界大戦の背後で暗躍する組織の陰謀をくじく。
マシュー・ヴォーンはちゃんと社会的テーマを抱く娯楽作品を描く事のできる監督。無用に命が散った一次大戦への“義憤”は主題の１つ。そのまじめな部分が、コミカルな「キングスマン」の要素と喧嘩している感覚はあるな。
■2021/12/26/日
12月25日（土）に都内でTRPGのセッション――。
『新クトゥルフ神話TRPG』のキーパーをやらせてもらいました。
https:/
参加したメンバーは感染対策ともども協力ありがとうございました。また今年１年大変お世話になりました。
キャラクターは死亡しなかったものの全員「不定の狂気」を発症する事態に――。だが一部はプレイヤーのせいです。
●登場キャラクター（50音順）
▼PC� ＾揃� 牙太郎 20歳／アスリート
幅広く取得した技能で知識面と肉体面の行動を両方そつなくこなして活躍。かんがえてみれば相手から猟銃をうばうなど戦闘の中心。
▼PC�◆＿崑� 薫 21歳／ディレッタント
\300,000を「ポン」とだせる現代の富豪刑事ではなく富豪学生。車輛の運転やチェイスで活躍する。最後は猟銃で神話生物と対決した。
▼PC�� 平柳 康太 20歳／兵士
非常に高い隠密能力と猟犬を連れ野伏のように活躍する。状況を先行する斥候の役目。以外の２人の行動が有利に働く土台を作り上げる。
●プレイの内容
（１）
まず全体の解説から。1969年、Ｋ県Ｋ村の山間部*1に建つ産学官の実験場に、リーギクス（ルキハグス）の住人（以下・“住人”）*2の乗り物が落下した。“住人”は放送と送電実験を行う人類の施設に注目した。施設の放送鉄塔に異形の放送システムを建造すると蝙蝠神ルログ（ニャルラトテップの化身）*3を招来しようとしたのだ。だが、この音波は人類の暴力衝動をあおるものであった。
音波は施設一帯の外に出ると「死亡」する異常な音域*4を作り出し、かつ内部の人間の暴動を誘発した。PCが所属する“大学”*5のOBは、現在のノイズキャンセリング技術を応用して「ザ・ハム」*6と命名したこの音波を消音しようとする。消音は成功。OBは生き残り、以後“大学”は音波を観測しつづけた。だがOBの建設した消音システムは経年劣化で停止。*7ふたたび「ザ・ハム」か鳴り響く。
（２）
2021年クリスマスイブ。先行して消音システム停止の原因を調査しに向った先輩（院瀬見まきお）。彼女から修理に必要な備品*8の連絡をうけて、PCは現在「八千原実験所」*9と名前の付く施設へと向った。クリスマスのパーティーグッズ満載。「明日の帰り道にはほうとうだ！」と、はゃしゃいでいたPC／PLの態度は、だが一変する。到着した駐車施設は破壊のかぎりをつくされていたからだ。
「もうかよ？」と驚く中で事前に【幸運度】を消費して獲得した装備*10 の懐中電灯をつけて駐車施設を調査するPCたち。併設した待合スペースで発見した先輩は負傷しており危険な状態だ。すぐさまPCは病院に向う目的で下山しようとする。そのPCらに先輩は「OBの手記」*11 を手渡す。「手記の内容以外に説明のしようがない異常な状況」先輩はいった。「オッカムの剃刀」だと――。*12
（３）
“とはいえ”であった。「手記の内容をはなから信じるべきか？」先輩は危険な状態だ。PLはなんやかんや理由をつけて花沢の車で下山を開始した。もちろん手記は“ただしい”のである。*13 わざとやっているのだ。*14 結果PCは大変な頭痛に鼻血を流し正気をけずる。「手記は本当なんだよ！ 音波を停止するしかない！」これこそ自然な物語をつくるために火中の栗を拾に行くベテランのロールプレイだ。*15
PC／PLは「ザ・ハム」の停止手順を確認する（地図と※11のハンドアウトを参照）。また先輩は手記の資料を「研究用ロッジ」へと置き忘れた。PLは以下の手順ですすむ。「研究用ロッジで資料を回収」→「中継施設でザ・ハムを逆の位相で消音していた周波数帯の音波を設定」→「配電用変電所で放送システムが存在する10番鉄塔への送電を停止」→「10番鉄塔に登り放送システムを修理」
（４）
最後に再度「配電用変電所で10番鉄塔に送電」して作業完了だ。*16 ここからPCは役割分担を行う。花沢は「装備」で持ち込んだ高性能SUVで施設各地に移動。平柳は隠密で施設侵入の皮切を作る。安健は平柳の補助をしつつ必要な装置や計器を操作する役割だ。*17 PLは「ザ・ハム」によって凶暴化した「ハム」の対象方針も決定する。「ハム」は人間だ。殺害すれば「殺人」になる。
本作はファンタジーではない。現代日本の一般市民が「ハム」を殺害したなら殺人の適用が厳格な日本では、まず間違いなく有罪である。*18 また「殺人の葛藤なき物語を作る気持ち」がPLにはさらさらない。*19 p116「ゼロ耐久力の効果」*20 、p121「ノックアウト打撃」*21 を確認して荒事は鈍器で行う。それでも偶然「殺人」をしたならば自身の罪をバックストーリーに記載するのだ。*22
（５）
もっともPCが「ハム」と戦闘したのは「10番鉄塔」の登攀へ挑む１回だけであった。以外は隠密行動でやりすごす。なぜなら先輩の名の「デスリミット」があったからだ。*23 GMがしめす「シナリオの経過時間」*24 を行動に織り込みシステム復旧をめざすPCたち。火を焚き四肢を切断した人間の周囲で踊る「ハム」。*25 「中継施設」では「ザ・ハム」を消音するただしい音波の周波数帯を求め思考錯誤。
ただくしない周波数帯にあわせると恐怖の映像が視界をジャックする。*26 周波数帯あわせを完了したPCは「配電用変電所」へ。そうして目撃する。触手をはやす銀色の立方体が人体を解剖する光景を。「“住人”を目撃したものの一時的狂気にはならなかった」この成功が今回のPCの勝因。*27 だが、“住人”はそもそも簡単にPCを殺害可能な能力を持つ。知恵をしぼりPC／PLは立ち回る。*28
（６）
「“住人”は臆病だ」手記の内容を頼り発煙筒や変電所で入手した信号拳銃*29 で立ち向かうPC。もっとも命中率をカバーするため「ゼロ距離」*30 に近付く捨て身の戦法だ。PCは“住人”を退却させ、いよいよ「10番鉄塔」へ。だが鉄塔の真下には猟銃を持つ「猟師ハム」と以外の「ハム」が！ 撃たれれば死ぬなかで、*31 安健は「猟師ハム」から銃を取り上げ全員が泥臭く「ハム」と戦う。*32
鉄塔を登るPCは「なぜ送電もなしにザ・ハムは鳴り続けたのか？」を理解する。“住人”がスピーカーに変形して蝙蝠神ルログのために歌うのを。平柳が状況を整え、*33 花沢が猟銃を撃ち込み“住人”が逃げ出す。*34 放送システムを修理。いそいで「配電用変電所」へ戻る間際PCは見た。鉄塔頂上の渦巻く雲の中で燃え上る３つの炎の目を。*35 以上が後日３人が発狂する年末の事件の内容だ。*36
●脚注
※１ モデルは神奈川県の清川村。参加したメンバーが「丹沢のあたり？」といったがそのとおり。全体のイメージは箱根にある仙石原のすすき野原。
※２ 『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1 クリーチャー編』のp157参照。冥王星で蝙蝠神ルログを信仰し、かつてはシャンたちの奴隷であった箱型の金属的生命体。実験的な性質を持ち、好奇心が強い。初出では人間を解剖している。
※３ 『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.2 神格編』のp184参照。ニャルラトテップの化身の１つ。小説『闇をさまようもの』でロバート・ブレイクを狂気へと追い込んだ神性。７版では複数の別名のニャルラトテップの化身が「闇をさまようもの」へ統合されることになった。これはゲームデータとしてはただしい。特別意味などなく分散／散逸したゲームデータなど使い難いだけだ。
※４ ※11も参照。実際、施設（八千原実験所）から１km以上はなれた場合、PCは大量の脳内出血で死亡する。はなれるほど頭痛が悪化して正気度をうしなうしかけ。
※５ https:/
※６ https:/
※７ 「当り前の事が原因」であったありがち展開。約半世紀といわず、ちゃんと引き継ができていないシステムの保守・点検が「おろそか」になる事例は無数にある。
※８ 修理に必要なホーンスピカ―がふたつ。※10を参照。
※９ 本文の地図参照。
※10 https:/
※11 https:/
※12 https:/
※13 そもそも無事下山できたらシナリオ終了だし。
※14 神話知識ゼロの一般人がそんな与太話をいきなり信じる方がおかしい。すぐれた物語とは総じて受け手を「順序」よく納得させるだけの理由と土台がしっかりしている。TRPGも一緒。
※15 「（キーパー）頭痛と鼻血で【耐久度】に1D4ダメ―ジと<正気度>が１ポイント減少する」「（ベテラン）<正気度>ロールなしで！？」
※16 修理した放送システムを再開するには「10番鉄塔」への送電が必要だ。PCは放送システムを修理したあと「配電用変電所」へ戻る必要があるのだ。
※17 花沢が<運転（自動車）>、平柳が<隠密>、安健が<電子工学>を担当する格好。
※18 ※14も参照。自衛のため武器携帯が許可されていない日本では「正当防衛」はほぼ成立しない（事実において判例が非常に少数だ）。防衛に武器を使用したなら大抵「過剰防衛」が適用されるし、「過剰防衛」の必要が許容されても傷害で懲役はまぬがれない。そもそも「相手が正気をうしなっていた」「ゆえ殺した」が事実でも、遺族は納得しないだろう。これこそ物語のリアリティの話だ。
※19 ようするにこのメンバーには「今回のシナリオを“作品”として第三者が見た／読んだ／聞いたときに不自然さや違和感がないか？」を視る視点があるということだ。
※20 「【耐久力】がゼロまで低下した対象はPCがとどめを刺さないと死亡はしない。やがては意識を取り戻す」。ただ自分（キーパー）はp116のゲームルールは「刃物」ではなく「鈍器」の場合のみ成立するとさせてもらった。
※21 「まったく注意をひいていない状態で対象の【耐久度】を鈍器で１ポイント以上減少させたら対象は気絶する（オプションルール）」。もっともシナリオで「ノックアウト打撃」が成功することはなかった。
※22 そのための７版の「バックストーリー」だ。有効に活用していきたい。
※23 シナリオ開始からゲーム時間で４時間が経過するとで先輩は意識不明となって【耐久力】が現在の半分になってしまう。８時間が経過した時点で死亡する。
※24 「ある地点からある地点へ徒歩で移動したとき＋１時間」「ある地点からある地点へ車輛で移動したとき＋30分間」「PCが【能力】ロール／<技能>ロールに失敗するたび＋15分間。プッシュによって失敗した場合は＋30分間」「チェイスや戦闘が発生した場合は＋30分間（チェイスや戦闘全体で行う【能力】ロール／<技能>ロールの失敗で時間は経過をしない）」「負傷の回復を行う場合は＋30分間」「シナリオで行う行動に指定時間があるならば＋指定時間」といった具合。
※25 （おそろしすぎて ＆ おぞましすぎて）素通りすることに。
※26 候補の周波数帯は８つ存在し中継装置へ登録してある。PCは正解の周波数を探し出しセットできればよい。このため総当りすれば、かならず正解に辿り着く……わけだが簡単にはいかない。不正解の周波数を耳に聞くとPCは「恐怖の映像」を見て<正気度>を失う。「現代の国外の裏町。女性と抱き合うロングコートの人物の身体が突然重力なく崩れて軟体と化し、絶叫をあげる女性を飲み込みひきずる」「巨大な蝙蝠のような化け物が空を割り姿を現し、その眼下で奇妙なペイントを塗る半裸の男女が踊り狂う。男女たちはやがて素手で殺し合いを始めて内蔵を取り合う」といった具合。
※27 本当に一度も発狂しなかったな。
※28 自身以上の能力を持つクリーチャーに「アイデア」で立ち向かう四苦八苦と試行錯誤が本作の醍醐味だ。
※29 いわゆるフレアガンをあらわす。ルールブックのp405を参照。なお取り扱いには公安委員の許可が必要だ。通販やオークションの購入自体もＮＧだぞ。
※30 一般のPCは<射撃（拳銃）>技能は取得できない。つまりはフレアガンの基本命中率は20％しかない。ただp105で解説する「ゼロ射程」をすることによって、PCは攻撃にボーナスダイスを１つ受け取る。これへと賭けたのだ。
※31 「猟師ハム」が持つ12ゲージショットガン／二連式のダメージは4D6だ。 命中をすれば平均ダメージ（12）。大抵のPCは死亡する。
※32 というか普通の鈍器をもった「ハム」でもダメージ1D6ですから２回でPCは死ぬ。戦闘こわすぎやろ。
※33 先行して登攀した平柳は「配電用変電所」の備品倉庫から発見したストレチャーからハーネスを取り外し各自の命綱とした。
※34 ディレッタントの花沢は<ショットガン>技能をもっているのだ。攻撃は命中して17ダメージ。“住人”の10ポイントの装甲も貫く。なお自分（キーパー）は“住人”が【耐久力】に５ポイント以上のダメージをうけたときは逃亡することにしていた。ルールブックのp205にあるように、知性ある神話生物は死亡するまで戦闘はしない。我々と一緒だ。死ぬまで戦うのはファンタジーのモンスターだけである。もっともすぐれたファンタジーにはきっと「そのモンスターが死ぬまで戦いつづける理由」が設定してある。
※35 自分は振り返らんでいいといったからな！ いったからな！ 「（安健のPL）振り返ります――」
※36 自分（キーパー）が今回のシナリオで「実験」したのは、シナリオ時間を“作為”して１日に限定したなら「PCは“不定の狂気”になるか？」であった。もろちん余計なことをした安健はのぞくけれども、シナリオ時間が１日だと、おそらくかなりの確立でPCは「不定の狂気」へ突入する。ちなみにPCの不定の狂気の結果は安健が「鳥恐怖症」。花沢が「パニック」。「平柳」が「睡眠マニア」であった。
『鬼滅の刃 遊郭編』 第４話 「今夜」
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善逸／善子が姿を消し、天元は炭治郎たちに吉原・遊郭をはなれるようにつたえる。だが炭治郎と伊之助は独自調査を開始する。結局のところ堕姫が身を滅ぼす引き金って我慢がきないところよね。善逸と出会い、鬼狩りが吉原にいることはわかっていた。でも鯉夏を食う事を我慢できなかった。ですから無残に「ああいう評価」をもらって退場するんだけど自制がきかないやつってやっぱり小物よな。
とはいえ炭治郎にとって強敵であることは間違いはない。ただ「やれるぞ」「みえるぞ」と堕姫と相対して炭治郎は実感する。たしかにつよくなったもんな。階級も“庚”に。村田先輩をぬいた……てか本当に伊之助の階級説明の一言のために村田先輩が登場するのわろた。これが「予算潤沢」の効果か。いよいよ上弦の鬼・堕姫の存在を炭治郎たちが把握して本格対決。簡単にはいかんだろうが。
■2021/12/27/月
緊急連絡のときのためにグループウェア自体は稼働してるんだが、特別重要な用事がないならば、あらたなスレッドたてるなっていったじゃろ。休みなんだから休め。年始のToDOも年明けにやったら十分じゃない。
『境界戦機』 第13話 「隠岐の島戦（後編）」
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最終回。２期は４月から。ただテレビアニメでは放送時期ははっきりとしめされなかった。大抵の視聴者たちが予想できたようにアモウとケンブ、ガイはゴーストと相打ちで生死不明に。ガシンとシオンは後悔し、ブラッドはゴーストの自立思考AIを回収して破滅的フラグを立て終幕。今回で折り返し。１期の感想は駄作ではない。かといえ凡作にもなれない印象。普通以下かな。
１つめは物語全体の平凡さ。日本が独立する主題は「コードギアス」が想像できるし、本作の独自要素もとぼしい。２つめは監督のアナクロ（時代錯誤）な思考。老人が現実の日本に憂う所が散見し、ジャパン・イズ・No.1を回顧する感覚。でも若者に丸投げ。３つめはＣＧを排除した影響で出る作画の乱調。ハサウェイなんかでは見事にＣＧと作画が融合する時代。メカやるなら全面に押し出すべきだ。
■2021/12/28/火
めちゃくちゃさむくて朝方は電気ストーブだけだと無理。
■2021/12/29/水
『キングスマン:ファースト・エージェント』――。
作品自体がキングスマンの誕生譚／前日譚。ですからしょうがないんだけど我々が想像する「キングスマン」らしさに結実するのは最後も最後。史実を取り込み、第１次世界大戦の背後で暗躍する組織の陰謀をくじく。
マシュー・ヴォーンはちゃんと社会的テーマを抱く娯楽作品を描く事のできる監督。無用に命が散った一次大戦への“義憤”は主題の１つ。そのまじめな部分が、コミカルな「キングスマン」の要素と喧嘩している感覚はあるな。
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