今年3つのタイトル戦を戦った藤井と豊島九段をクローズアップ。主に採り上げるのは
竜王戦7番勝負。スコアは偏ったが、内容的には接戦だった。そして藤井の凄みが
再び浮かび上がる。第3局で現れた、敵陣に単騎打った銀に繋ぐ▲2二角。昨年の
棋聖戦の▽3一銀と同様に指された瞬間は評判が良くなかったが、局面が進むと絶大に
働いてプロ棋士を驚かせた。プロが気づかない好手を着想する、即ち天才である。
だがこの名手も、藤井一人では指せない。トッププロである渡辺名人や豊島との
対局が、盤上に出現させるのだ。升田の▽3五銀、中原の▲5七銀、谷川の▽7七桂。
大山、米長、羽生という強敵がいなければ世に出なかった筈である。藤井における
豊島も同じ存在と云えるのだ。
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