ユナイタル・リンク編の5。基本的にユナイタル・リンクとアンダーワールドとで
並行に話が進む。シリーズ初期よりも舞台装置が進化し、かなり現実に
近くなっている。こういう展開もなくはないだろうが、劇を有効にする為の
手段として不自然なレヴェルアップに見えると興覚めになる。バランスが
難しくなってきた。
例えばアンダーワールドの宇宙空間。ラースが設定した世界に其の概念はない。
一定の高度より上は無で、其れ以上は進めないルールになっていた。何時の間にか
改変され、大気圏を脱出して隣の惑星へ到達できるようになっていた。この変化には
恐らく、茅場が関与していると予想しているが、ここがクリアになっていないと
事件を起こす為に都合よくルールを変えたように印象を持ってしまう。お陰で
ストーリーは面白くなったが、SF者の性でメカニズムのことが頭の片隅にあって
常に納得のゆく説明を欲しながら読み進んでいる状態である。
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