ちょうど1ヶ月前にソリストの降板の告知があり代演調整中となっておりました
それから半月後に発表されたリリーフソリストはなんとG.オピッツ氏、たまたまコン
サートツアー中で日本におられたんですね、それにしても二つ返事で引き受ける曲目
とも思えないものを、日本各地のコンサートもあるだろうし、オケとの合わせもある
だろうに、その心意気親日家といわれるだけのことはあります（奥様はたしか日本人）
というわけで曲目に変更なしのブラームスの2番、ホルンによるモルトレガートの導入
部に続いて悠揚迫らざるという感じで弾き始めるオピッツ氏、さすが気安く引き受け
るだけのことはあります、自家薬籠中のレパートリーなんでしょうね
この曲はmixiの過去ログで調べる限り、6年前P.ゼルキン氏のソロで聴いて以来のこと
そのときとはまるで違って、いかにもオーソドックスな演奏を聴いたという印象です
だけど、どっしりと構えたというのでもない、両手の重音奏法でスケールを駆け上る
のなんか、いとも易々と軽やかさすら覚えます
第3楽章は、ここだけ聴くとチェロ協奏曲のようですが、首席奏者の伊藤さん、ドン・
キホーテ以来印象的なソロが多く気に留めていて、今日も心に沁みる演奏でした
演奏後マエストロの差しだすグーに対してオピッツ氏はそれをしっかり両手で握りし
め、どきりとさせられます（コンマスの小林さんとも、ソロ・オヴェイションを受け
た伊藤さんともぎっしり握手）
休憩時間は毎度おなじみ定期会員仲間のハイドン�兇気鵑肇▲鵐妊�ーパパさんと3人
で、本日をもって完結したブンダバーの長期連載近江路の旅の話題
休憩後のルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲は、先日聴いたばかりのウルバンス
キ氏を初めて聴いた2014年の時の曲目で、だけどどんな曲だったか思い出せるような
作品ではありません、初めて聴いたような新鮮な印象でした
前にも書いたけれど、ワタシが生まれたころに作曲されたということで、決して耳に
馴染みのいい音楽ではありませんが、今となるとさほど前衛的という感じでもない
初演当時はミュージック・コンクレートとか電子音楽とか、やたら尖鋭的な作風が
流行りだった頃、それと比べれば聴きやすいと言えるのではないでしょうか
やはりバルトークのオケコンに近いものを感じます
コンチェルトの時には譜面を置いていたマエストロ・ノットもこれは暗譜、よくも
覚えられるものです（割とはっきりした3拍子でも、ときには変拍子になるのを間違
えもせず鮮やかに振り分けます）
ティンパニの一撃で始まり、途中神秘主義的な経過部もあり、終楽章は無窮動的な
パターンを繰り返すのはパッサカリアなんですね（15の変奏ということだけど、全然
数えられない）
最後はいかにも「これで終わりだす」という締めくくりなのに、マエストロはしばし
動かない、果たして拍手をしていいものやら、でも意に介さない聴衆が拍手を始める
とマエストロも客席を向き、ひときわ大きくなった喝采に応えます
カーテンコールに何度も応え、客席に大きく手を振り、後ろを振り向いてPブロック
にも大サーヴィスで、こういうところが人気の元なんですね
ログインしてコメントを確認・投稿する