最後から二つ目となった今夕のタイトルは「ロベルト・シューマンの夢と…」と題して
いつものように開演前に若林さんのプレトーク、シューマンはショパンに敬意を払って
いたが、ショパンの方はそうでもなかった、これはワタシでも知っていました
しかしプログラムの最初に置かれたバラード2番はシューマンに捧げられているのですね
バラードというからには物語性があるのでしょうけれど、4曲からなる内の他の3曲は
それほど描写的ではない、この2番は村の乙女を表す第1主題も、荒々しく攻め入る敵
の軍を表す中間部のプレスト・コン・フォコもシューマン好みの文学的傾斜を見せます
やはりシューマンを意識しているのでしょうか(シューマンは大喜びだろう)
またプログラムの最後に弾かれた幻想曲もシューマネスクな感じはあります
しかしそれ以外の曲目はどこまでショパンでした
前半の最後にかなりの大曲「序奏とロンド」を置き、後半最初の幻想即興曲以外は
全曲演奏会でもなければ耳にすることもないレアな曲目で占められました
ワタシはアシュケナージの全集を持っているので初めてではないものの、特に意識
して聴いていないので記憶にも残らない、ほとんど初めてみたいなものです
3曲弾かれたワルツも19番なんてワタシの持っている楽譜にもありません(弾いて
みたい気がする、わりとポピュラー音楽的なメロディーラインですけど)
今日も若林さんは絢爛とした技巧で、次々と難曲を料理していきましたが、最後の
幻想曲で行進曲風のテーマの提示が終わった後の旋回型パターンを繰り返して上昇
していくところで一瞬見失ったように見えました(ドキッとしました)
すぐに取り戻されたようですが、まことにステージには魔物が棲んでいます
今日は滅多に取り上げられない曲目が多かったので、そちらの方の暗譜に苦労した
のかもしれませんね
カーテンコールの後、再び鍵盤の前に座って静かに弾きだしたのはドビュッシーの
夢でした(まさに夢のようなひととき)
いつぞやのラヴェルのときも思ったけど、次回の全曲演奏はドビュッシーかな
いずれも期待大です
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