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2021年08月23日20:21

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「市民ギャラリーいなげ」にて

　久しぶりに「市民ギャラリー・いなげ」に行ってきた。
　以前は館長さんが中学校の恩師だったので、頻繁に行っていたのだが、退職されたのでわりと足が遠のいている。
　今回は『海辺の街「稲毛」の記憶を伝えるアーカイブ展』を開催中なので、「これは見なくては～」と足を運んだ次第。
　市民ギャラリーに勤務していた学芸員のNさんが10年かけて近隣の人々や知識人と交流して「稲毛の浜の歴史」を収集し、毎年色々な切り口で展示されていた。海防艦こじまの件では、私も海洋公民館になった「こじま」に止まったことがあったので、体験を話したりした。
　そのＮさんも、去年、市民ギャラリーを退職されて会えなくなっていたのだが、今回の展示では、これまでの歩みをトークショーで語ると聞いて、定員制のトークショーも予約しておいた。最初、九月四日の二度目の回を予約していたのだが、ワクチン接種がその日になってしまったので、連絡して昨日の回に変えてもらった。
　以前から、クトゥルフTRPGのシナリオにできるな～と思っている、明治大正の頃の海気館や神谷伝兵衛の別荘、飛行場の話は教わっていたが、今回の展示は昭和30年ぐらいまでの海水浴場だった頃の展示が多く、海気館もこの頃までは残っていたことがわかった。昭和50年代の資料も今回は多くて、埋め立てられた直後ぐらいに稲毛に越してきた（埋め立てられている最中は、津田沼に住んでいたので、埋め立て前の感覚も近いものはある）私にとっては、かなりリアルな記憶のあるものも多かった。
　今回、隣の神谷伝兵衛別荘内でも展示が行われていて、なんとなく足を運んだおかげで貴重な体験とアイテムをゲットできた。
　ひとつは、神谷伝兵衛別荘の地下室に入れたこと。ワイン王の別荘にワインセラーがないのは変だなあと思っていたが、なんだ、地下室あったんじゃん！　ってなった。

　もうひとつは、「戦時中（昭和１７年ぐらい）に、ここに一年間滞在したという、溥儀の二人の妹の家族たちのお手伝いさん（行儀見習いという名目だったらしい）をしていた花光志津さんの日記」をゲットしたこと。この日記については、前々からＮさんに聞かされていて、拝見したいものだと思っていたのだが、興味を持ったアーチストに貸し出している……とのことで閲覧できなかったのだ（現存するのはコピーのみで、日記そのものは遺族に返還後に散逸してしまったらしい）。今回、そのアーチストさんの展示もあって、その作品の一部として日記を解読して読みやすく併記した冊子を作って配布していたのだ。
　日記は、当時の若い女性の感覚がうかがえる大変興味深いものであった。東条英機夫人が訪ねてきたりしている記述もあったので、やはりVIPだったのだろうな～って感じ。
　Ｎさんと話して、退職後は就職活動で大変だったと聞いた。そうか、なにかやりたいことがあって退職したというのではなかったようだ。
　アーカイブ展、面白いので開催中にもう一度ぐらい行ってみよう。

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