山形仙台方面ツアーから1年近く経ったが、大石田から船に乗って川下りをしようとした芭蕉と曽良は、最上川が梅雨の増水のため船に乗れず、そこを地元の船問屋であり俳人である一栄が引き留めて、翌日歌仙を巻いた。それを芭蕉直筆でまとめたものが現存するようだ。
先ずは芭蕉のあいさつの句
さみだれをあつめてすゞしもがみ川 これは五月雨を集めて早し最上川の原型
あいさつでご当地の印象を述べる。船問屋で川っぺりにある一栄の家の印象で ここは最上川が梅雨を集めて涼やかだ。みたいなところ。
それに続けて一栄が 岸にほたるを繋ぐ舟杭 と返す。
芭蕉を光りながらどこかに行ってしまう蛍に見立て、うちはそれを繋ぎとめるくいです、と。船問屋ならではの表現ながら、何やら風流で良い。
何が言いたいかと言うと、芭蕉以外の句でおー、と思わせる句があるので、歌仙の内容も時間があれば読んでみてもいいという事だよ。
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