映画「ファーザー」

やっと今年のアカデミー賞関連作品が見れた。

認知症を患った81歳の老人の話だが、大抵はそれを取り巻く家族の苦労や思い出話なんかに落ち着くが、これは病気を患った老人本人から見た世界を描いている珍しい話。
だから見ていると、話が分からなくなってくる所が多々あり、だけど実際に認知症を患ったら、記憶が飛んでいたり覚えてなかったりしているが、本人は病気をしていないと思っている訳だから、この映画のアンソニーのように非常に戸惑い、自分が馬鹿にされていると感じ、現実の世界も妄想の世界も意固地になって分からず屋の爺さんになるのも仕方ないなぁ。
だから、この作品はとりようによってはサスペンスやホラーのようにも感じる。

この情緒不安定な難しい役をさすがはアンソニー・ホプキンスは演じきったな。これは最優秀主演男優賞とるよ。あっぱれ。

娘を演じたオリヴィア・コールマンも現実の世界とアンソニーの妄想の中での役を演じ分けてすごいな。「ミナリ」を見てないけど彼女も最優秀助演女優賞ものだった。

これは舞台劇らしいが、舞台は一層難しいだろうな。どんな役者が演じているのかな？