『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』の実写版映画が『プッシーキャッツ』である。
アニメのほうは昔、テレ東の「マンガのくに」とかでやっていたと思う。
ドサ回りの女の子バンド「プシーキャッツ」が、あちこちでおかしな騒動に巻き込まれるお話（それも大半は、世界征服を企むような悪者の悪事に巻き込まれ、スーパーヒーローが解決するような事件を、ドタバタでなんとなく解決してしまうパターンが多い）なので、『弱虫クルッパー』の実写映画『スクービードゥー』みたいに、そういう映画なのかな〜とちょっと期待したが、もっと音楽業界に寄った内容だった。
とはいえ、「世界征服を企む悪者」はちゃんと出てくるし、その悪事をドタバタでくじきつつも、それに音楽活動のシーンやバンドのあるあるトラブル的なことを絡めた話になっている。
なにより、多少の変更はあってもアニメ内での主要なメンバーの立ち位置や振る舞いが、しっかり反映されていることに感心した。常に不機嫌で文句をつけていらんことしかしないサンデーとか、落ち着きがあって常識的な判断をする裏のリーダーという感じのメロディとか、かなり「あ〜チャカチャカ娘だわ〜」という感じなのだ。
ヒロインのレイチェル・リー・クックは可愛いが、やはり私はアニメ原作で一番好きだったミミイが、ちゃんと「ミミイしている」ので大いに気に入った。ミミイは一人だけピントがボケているというか、お話の中で少しだけ違う位置にいる。「どんなトンチンカンな言動をしても、ストーリーや作品世界の設定に関わらず、その行為が許されてしまうキャラクター」という感じのキャラ。私は、この手のポジションにいる女の子キャラがかなり好きなのだ。例えば『ビックリマン』の十字架天使とか、『魔神英雄伝ワタル』のヒミコとか、映画『マイティ・ソー』のダーシーとか。自分で書いた作品中のキャラだと『秘密結社でいこう！』のエッちゃん（生物体Ｘ）がそうだ。
閑話休題。
で、そのミミイだが、演じているタラ・リードって、どこかで見たことあると思ったら、シャークネードのシリーズのヒロインだった。
そうか〜！ って感じ。
ただひとつ残念なのは、ドラが出てこないこと。
チャカチャカ娘だけの映画なのか。ドラドラ子猫はいないのか。
アニメではけっこう重要な役どころのキャラなんだけど、さすがにあんな擬人化された猫は出しにくいよな（弱虫クルッパーではやってるけど！）。だからしかたないとは思うが、せめてサンデーが猫を飼ってるぐらいやってくれてもよかったのに〜とは思った。
というわけで、原作アニメが好きな人は、なかなか楽しめるのではないかと思う。原作ではチャカチャカしていて深く掘り下げられなかった三人が、じっくり描かれているわけだしね。
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