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2021年03月03日19:56

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一人鍋

 このウイルス災害で、私が一つだけ嬉しかったことがあります。

  一人鍋。

 庶民店でも高級店でも、「○○鍋(おひとり様可)」が、メニューに存在する。刺身の盛り合わせと鍋は、通常絶対に「お二人様より承ります」だったので、もう店で鍋が食えるって事にうっきうき。
 もちろん、戒厳令違った国家総動員法違った非常事態宣言中ですので、20時閉店の店で食べるには20時に仕事が終わる私には、普通なら無理です。休日にわざわざ出ていくか、奇跡的に早く終わる土曜日しかチャンスはありません。
 自飯しろとかいうメディア勢力があるそうですが、逆流食道炎患者は寝る前3時間は飲食してはいけない。私は人々の健康の為に20時〜まで働いている。それから一時間かけて家に帰って、自炊したら22時〜だ。出勤する為には1時〜に寝て6時には起きなければいけない。
 すいませんねぇ、私はロングスリーパーなもんで、そんなんやった日には3日で倒れますわ。医療従事者を殺して楽しいか?誰かを批判する時は、そいらへんちょっとだけ考えて頂けると嬉しい。

 話はズレますが、最も可愛そうなのが長距離トラックの運転手だそうです。
 コンビニの小さな駐車場には入れない。高速道路のサービスエリアは閉まってる。最初に何食分かのおにぎりや総菜を買い込んで、冷たいそれらをカロリー源に運転してるとか‥‥
 もう、想像しただけで涙出てきます。大雪の総難民にすら、可能な限り暖かい豚汁の差し入れは出たよ。

****

 さて、頑張って食いに行き続けたお一人様鍋。
 それほど種類を制覇した訳ではないのですが、美味しかったのを3つ紹介。

○あんこうのどぶ鍋
 鮟鱇と鮟鱇のキモと野菜を蒸し煮にしたもの。水はほとんど入れず、主に白菜から出てきた水分で火を通す。火が通り切ったキモはそのまま食べずに溶いて煮汁にする。
 これ‥‥やっちゃいかんやつ‥‥(天を仰ぐ)
 煮ばなも美味しければ煮詰まったのも美味しい。鮟鱇なんて、どこまで食っていいいのか分からん小骨が無数にあるから舌に障っても文句言わないのに、私の行った店では軟骨以外は綺麗に取り除かれていました。なんだこの高級店対応。たかが商店街の端っこの飲み屋で。
 蒸し煮だから煮汁が少なすぎ、〆の雑炊が作れなかったのが痛恨。最後の1滴まで酒の肴にしました。


○ブリしゃぶ
 私はブリが主役で野菜がサブだと思ってたんですが、違うんですね。出汁で半生のブリを味わう一方で、煮た野菜も美味しく頂くもんだったんですね。
 卓上コンロの火力を調節しながら、火を通すのに時間が掛かる野菜を入れながら、沸騰したら火を限界まで弱くしてブリをくぐらせながら、私はしみじみ思い居ました。
 これほど一人鍋に向いてる料理はない。
 とにかくタイミングを計るのが楽しい。最初に白菜の白い方やシメジやネギを入れておいて、そっちはしばらく放置。水菜やエノキはブリに挟んで半生でしゃぶしゃぶ。ゆずぽん+ワサビか、ちょっとだけ移した煮汁に塩+七味、変わり種で酢+塩+柚子胡椒が美味い。
 で、間に前もって入れておいた野菜が煮えてくるので、前もって作っておいたつけ汁でうまうま。減った分は、白菜の葉っぱ部分とか、火が通りやすい野菜を入れていく。
 ここで雑炊セット注文。白飯と卵なんだけどね。この時点で鍋の水がピンチだったらお湯をお願いしましょう。
 ちょい火力を上げたら中身がすぐ沸騰して、土鍋の温度が十分であることを確認したら、まずは御飯in。お玉かお箸で塊をほぐしながら、再沸騰したらその間に溶いておいた卵を箸を伝わせてふわふわに固めつつ、カセットコンロoff。
 うどんとかと違って、煮込むタイムラグがないのがいいですねー。一杯目を食べてる間にいい塩梅に二杯目が出汁を吸って、わざと取っておいた葉物がアクセントになり、卓上の七味などで味変して。
 これに呑みを入れると、ちょ――――どいい腹具合です。


〇博多もつ鍋
 一人鍋というのは珍しい。貴重な機会。
 スープでモツとネギとニラとキャベツが煮えてます。以上。
 こーれーがー美味いんだよ。

※私はなんでかしらんが内臓系が好きで、焼き鳥屋で真っ先にハツと砂肝とやげん(軟骨)とレバを塩で頼む。これが美味ければそこの焼き鳥屋はアタリ。なに頼んでもウマい。

 しかし、「もつ鍋」に入ってるホルモンが何か知らない。食べ始めて10年以上か、コレナニ?と初めて思った。だって居酒屋の「もつ煮」のモツが、何者かとか考えたことある?
 私は自分で作る時、近くのスーパーで売ってた安い『モツ』が豚小腸だから、下茹でして脂抜きして使ってます。しかし、あれとは違うもっとフワフワ。牛スジとも違う、あれよりもっともちもち。
 君たち、誰?
 知らないまま食ってるけどニンニクが効いてて美味いな〜。〆は米より麵が合うと思います。

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 宅上コンロのつまみを細々と弄りつつ、「〆セット」の白飯や麺が吸い込んだ出汁を頬ずりしたい勢いで愛でながら、「一人鍋定着しろ〜」と呪いを掛ける。
 専門店はあるんだよ。でも「普段だったら複数人でしか食べられない鍋」の一人前、これがいいんだ。職場とかの飲みだと、鍋奉行したい人は絶対にいるじゃん?したら、その人の思惑とその他の出席者の間に、どうしたってタイムラグが起きるじゃん?火が通った瞬間が一番美味い鱈とか、お玉で鍋から上げた瞬間に「誰か食え」「もういいわ」って無言の攻防が起きるじゃん?
 気が弱い新人が空気を読んで引き受けたり。こういうのが苦手なんです。特に、誰もやりたがらない職場政治的な時に、つい鍋奉行を引き受けてしまう私の立場だと(焼き肉の網の端でしなびてる椎茸とか、どうにか救ってやりたい)。

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 3月に入り、一人鍋を売りにする店も減りました。
 三寒四温と言いますが、この齢でどういうことかやっと実感しましたね。「三寒」がマジ真冬なので、「四温」の感覚が『あれ、今日って温かくない?』で終わっちゃうんだよ。それを繰り返していたら、いつの間にか春になってたって絡繰りよ。
 梅の時期(1月末-2月中旬)から一瞬、枯れ木に戻るので余計に寒く感じますが、木蓮かコブシ探して!!あの純白の花が樹の上で満開になってると、この寒いの野郎あとちょっとで終わる――!!と、腹の底に力が湧いてくるから。

 もうちょっと。もうちょっとだけ。
 頑張ろう。
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