mixiユーザー(id:11073381)

2021年02月04日20:25

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パサージュ

西千葉ストアのことを書いてから考えたんだが、、僕は実はパサージュが好きなんです。パリに住んでいた時は古びたパサージュを探して歩いてた。当時、パサージュはテナントが入らず寂れてしまっているのが多かった。カフェとかも道沿いで外に座って冬でも陽をあびながら、というのが流行りというか当たり前になっていて、薄暗い雰囲気のパサージュは嫌われていたんだと思う。大学時代にベンヤミンのパサージュ論を手に取り、SDだったかで様々なパサージュの写真を見るにつけ、建設された時代の華やかさ(鉄とガラスの時代)と寂れて廃墟的な匂いを醸し出しているアンバランスな魅力にはまったようだ。パサージュは日本の商店街アーケードとは基本的に違う。アーケードは道の両側に並ぶ個々の商店を屋根で覆って連続性を作り出しているだけだが、パサージュは一つの個としての建築内を突き抜けている、通り抜けができる道だ。しかもそれが折れ曲がり迷路的なものまである。パリには探せば結構な数の忘れられたようなパサージュが残っていて、そういったパサージュの中のカフェでお茶を飲んだり、やすい飯屋で昼飯を食べたりするのが実に心地よかった。つまらない骨董屋とか古本屋が入っていたりするのも面白かった。もともとブールヴァールのような広小路よりも狭い小道に分け入ってしまう質なのであせあせ中にはほとんどがインドの繊維業者が卸倉庫として使っているようなパサージュもあった。そういったホコリっぽい場所で昔のきらびやかな時代を思うのも楽しかった。まぁそういうパサージュ好みも廃墟好きとかの一部分だと自分では思っていたんだが、その根は西千葉ストアにあるんじゃないか、という気がしてきた。パサージュは大体2階建てで、店の中からは上に螺旋階段で登るようになっている(3階建のものもあるが、上階は別の使われ方をしているのが普通だ)。これもまた西千葉ストアの建物と照合する。建物の中の通り抜け出来る道、という特異な空間は子供の僕に強い印象を与えたと思う。特異な場所に対して子供は敏感に反応するのではないかな。
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