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2020年12月12日17:32

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「伊万里 色絵 ナス宝珠文 茶碗」

 今回は、「伊万里 色絵 ナス宝珠文 茶碗」の紹介です。

 この茶碗は、昭和59年に(今から36年前に)、地方都市のデパートの催事場で行われた骨董市で買ったものです。

 この茶碗につきましては、既に、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」で紹介していますので、ここで、それを再度紹介することで、この茶碗の紹介に代えさせていただきます。





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               <古伊万里への誘い>

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*古伊万里ギャラリー101 古伊万里様式ナスと宝珠文の赤絵茶碗 (平成18年9月1日登載)                    


写真1: ナスを描いた面

写真2: 宝珠を描いた面

写真3: 見込み面


 これも、以前、地方都市のデパートの催事場で行われた骨董市で購入したものである。

 側面は3分割され、ナスが2個(1箇所に重ねて2個ではあるが。)、火焔宝珠がそれぞれ1個の計2個描かれている。
 このお茶碗は、カラフルな作りであるが、何といっても人目を惹くのは、口縁付近の内側に描かれたモノサシみたいな文様であろう。
 私も、ついついこの文様にひきつけられ、結局は購入に至ってしまった。

 このお茶碗は、カラフルなどを通り越してド派手といってもいいのではないかと思う。それでも、現在では、口縁に口紅状に塗られた金彩やナスに塗られた金彩などが剥げ落ちいるので、かなり落ち着いてきてはいるが、制作された当時はキンキラキンであったろう。

 そんな派手なお茶碗を、当時、いったい、どんな人がどんな目的で使ったのかという興味が湧く。

 にわか成金がこれでご飯を食べたのだろうか?

 どこぞのお姫様がこれでご飯を食べたのだろうか?

 深窓の宮家の姫君がこれでご飯をたべたのだろうか?

 或いはお寺等での儀式にでも使用されたのだろうか?

 想いはいろいろと尽きることはない。
 でも、こうして、昔のことをいろいろと想像してみるのも骨董の楽しみ方の一つである。

江戸時代中期     口径:11.1cm  高さ:6.2cm  




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*古伊万里バカ日誌40 古伊万里との対話(ナスと宝珠文の茶碗)(平成18年8月筆)     



登場人物
  主 人 (田舎の平凡なサラリーマン)
  嫁 子 (古伊万里様式ナスと宝珠文の赤絵茶碗)


・・・・・プロローグ・・・・・

 主人は、先月対話をした「盃台」を押入れに戻す際、その周辺をかきまわし、なにか面白そうなものはないかと物色した。
 今や猛暑の真っ只中。押入れに首なんか突っ込んでいるものだから全身から汗が噴き出してきている。でも、何か面白そうなものはないかと、包み紙の新聞紙を次々と開けては中味を確認しているようである。
 そうこうしているうち、どうやら気に入った物がみつかったようで、それを引っ張り出してきて対話をはじめた。

 

主人: 何かこの季節に合ったものはないかと探していたんだが、「ナス」が描かれたお前をみつけた。「ナス」は夏野菜の代表選手みたいなものだから、今時分にはちょうどいいし、「秋ナス嫁に食わせるな!」というぐらいで、秋にも通用するわけだから、初秋でもある今の季節にドンピシャリと思って嬉しくなった。(「自画自賛」ではないのかとの声あり。)

嫁子: それはどうもありがとうございます。大汗をかきながら探し出してくれてありがとうございます。重ね重ね御礼申し上げます。

主人: そうまで言われると恐縮するよ。でも、ホント、ちょうどよかったと思ってる。
 ところで、お前をみつけたのも、地方都市のデパートでの骨董市でだった。最初見たとき、「なんだこれ! モノサシか!」と思ったよ。それだけに、口縁付近の内側に描かれた「モノサシ」みたいな文様のインパクトは強かったね。口縁付近の内側一面にセンチメートルの「モノサシ」が描いてあるみたいだものね。でも、お前が作られた頃は尺貫法の時代で、センチメートルの時代じゃないから、センチメートルの「モノサシ」じゃないよな。現に、実測してみたら、1.0センチメートルから1.5センチメートルと、幅はばらばらだものね。

嫁子: それはまあ、細かいところまで調べられたんですね。

主人: そうなんだ。最近の古伊万里の研究も細かくなってきているからね。物によっては、描かれた線が○本なら○時代だとか、描かれた葉っぱの数が○個ならば○時代だなどと言われるようになってきたからね。大雑把な私でもついつい細かなことまで気にするようになったわけだ。

嫁子: 物によりましては、描かれた線の数とか葉っぱの数で時代が判るんですか。

主人: まあ、そういう可能性が高いということだろうね。そういう基準があるとしても、それは絶対的な基準にはならないね。むしろ、大雑把な感覚での評価の方が先行するんだろうね。大雑把な感覚でまず時代を判定し、次に、描かれた線の数とか葉っぱの数による基準等で補完していくということだろう。
 それにね、描かれた線の数や葉っぱの数で作られた時代がわかるということになると、それに似せて偽物を作る者が出てくるからね。人を騙そうという輩が出てくるわけだ。要注意だよ。古伊万里にかかわらず、骨董なんていうものの時代鑑定はそんなものだよ。客観的な数値等が絶対的な基準にはならないと思うよ。まずは感性が重要だね。感性を磨くことだよ!

嫁子: どうして秋ナスは嫁に食べさせないんでしょうか?

主人: 嫁子も知ってのとおり、「秋ナス嫁に食わせるな!」という諺にはいろんな説があるようだね。
 秋ナスには種が少ないので、嫁に食べさせると子宝に恵まれなくなってしまうので、それでは困るからという親心から出たという説があるね。
 それに、秋口のナスは美味しいから、もったいないので嫁には食べさせるなという嫁いびりの表現を借りてその美味しさを表したという説がある。これが一番ポピュラーで、有名な説だろうかね。
 その他、科学的に分析した結果、秋ナスには毒性が含まれており、それが母体に悪いからだという母体保護説まで飛び出したりしてね。

嫁子: それに、なぜ、私にはナスと火焔宝珠が描いてあるんでしょうか。

主人: 私は不勉強で、文様の意味について調べていないので良くはわからないな。
 ともかく、ナスは、咲いた花がすべて果実になるので無駄な花が一つもないということで、子孫繁栄につながる縁起の良い物といわれてきているよね。もっとも、現実には、私の家庭菜園での体験からしても、結構落花するようだから、そうでもないようだけどね。まっ、そういう意味でナスを描いたんだろうかね。それに、火焔宝珠はエネルギーを現わすといわれているから、ナスと火焔宝珠とを合わせ、子宝のエネルギーとか子孫繁栄とかの意味を持たせたかったのかもしれないね。











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