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2020年10月14日22:47

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コナン君と酒飲みの狭間

 『名探偵コナン』、5月にオンライン版を大人買いしてからずっと、なーんか喉に引っ掛かった小骨のような?と感じていたのが、【黒の組織】の人達のコードネーム。
 酒の名前だというのは言われなくても分かるのですが、違和感が‥‥どうにも理由のつかない違和感が‥‥

 いつまでモヤモヤしてても仕方ない。と、紙媒体なら覚悟を決めて図書室に籠った所ですが、ウェブで購入したのでひたすらオンライン読書。そして【黒の組織】幹部の名前を、映画を含めてピックアップする日々。
 後から気付いたけど、検索を駆使したら一瞬だった。なんという無駄な時間を。
 これこそは一巻が出た頃の名残りです。何かを調べたかったら自分でリストを作り、まずmy手持ち辞書で調べる。そこで間に合わなかったら、図書館の百科事典なり何なりで調べる。そこまでやるかやらないかで、個人の知識量は変わってくる‥‥てのが、まあ25年前までは基本でした。
 そっか、そんな時代から連載が続いてんのかこのマンガ。

 そして判明した私のモヤモヤ。
 組織のコードネームに「酒の種類名」「酒の原材料名」「酒の産地名」「酒の製法名」が混在してるんだわ。
 作者さん、私より確実に年上なのに、あんまりお酒飲まない人なのかな。10才年下の弟が『ヤイバ』に激ハマりしてた頃、私はオサレ酒の世界に夢中だったんだけどな。(もちろん成人していま、‥‥すいません大学生は成人に含めて下さい土下座)
 男性は辛い系の酒、女性は甘い系の酒の名前というのは聞きましたが、しかし選択があまりにバラバラ。
 思わずコピペしたメモを整理整頓してしてしまったのは飲兵衛の宿業みたいなもんでしょうか。

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【酒の種類】
 ラム、ジン、ウォッカ、テキーラ。
 ‥‥出てきたなり消えたキャラクターが居る事に驚愕。なんでこんな事に。いや、この時点では作者は長期連載する気はなかったのか。それぞれに派生した酒が山ほどあるのに、いきなり4系統も封じられてるのが笑え‥‥ゴホンゴホン。
 ちなみにロックや、+生の柑橘類orハーブで飲むならラムかテキーラ。冷凍庫に保管してトロトロになったのをストレートで飲むなら(アルコール度が高いから固形にならない)ジンかウォッカですねー。タンカレーNo.10惚れたわ。
 豆知識ですが、ウォッカには「水割りで」というロシア語の表現がないそうです。絶対にストレートかロックでしか飲まないからだってさ。車のフロントガラスが凍り付かないようにウォッカで拭いたり、10人に3人の死因がウォッカだったり、破格すぎるわあの国。
 ※ロシア語通訳の女傑・米原真理さんが「ウォトカ」と書くので、私も普段はそっちを使ってます。今回は特別ね。

【ウイスキー】
 一時期、ロックやトワイスアップで銘柄を覚えるのにハマってたんですが、今は匂いを嗅ぐのも嫌で、ハイボールすら無理で、唯一飲めるのがアイリッシュという皮肉なことになってます。香りそのものが甘いから誤魔化されて、カフェラテで割るとホッとする‥‥(アイリッシュコーヒーというカクテルです)
 世界五大ウイスキーと言われるのは『スコッチ』『アイリッシュ』『アメリカン』『カナディアン』『ジャパニーズ』という地名分類。え?と思うでしょ。
 『ライ』はアメリカン、原料がライ麦51%以上。『バーボン』もアメリカン、原料がトウモロコシ51%以上。これと同じ分類法だと、あと一つは『モルト(麦芽)』になるのよな。この3つのどれも書いてなかったら、原材料はミックスです。
 つまり、生産地と原材料が、ごっちゃにコードネームになってんの。まあ、スコッチの原材料はモルトがほとんどだけど、でもアレの特徴は泥炭使ったスモーキーフレーバーだしなぁ‥‥
 自分が飲んでた時は、そういう区分より銘柄重視でしたね。それがどこで作られて原料は何かとか、全然考えなかった。禁酒法時代の前からあった「クレメンタイン」に惚れ込んでいたのですが、製造元の経営不振であえなく製造中止(最近復活を今知った)。調べてみたらコレ、アメリカンでバーボンでした。アルコール度50度以上、なのに甘口、バニラの香り。うっわ誰かさんぽい。
 ウイスキー全般が飲めなくなった今は、焼酎も泡盛もダメになっちゃいまして、つまり蒸留酒全般が苦手になったのかなー。この半年のブームは日本酒です。
 そして『アクアヴィット』。ウイスキーを他言語で言っただけじゃねぇか(こっちの方が古い言葉なのでいろいろな説があるけど)。ここまでこじれたウィスキー関連を、笑って上から見てるような屈辱感‥‥

【ブランデー】
 『カルバドス』『ビスコ』原材料が違います。カルバドスはリンゴ。
 ビスコは初めて聞いたのですが、葡萄を原料に南米で作られる蒸留酒らしい。葡萄から作るなら「コニャック」「アルマニャック」と、もっとメジャーなやつがあるのに何でそんなマイナーな。
 アルマニャックはミュージカル「アスペクツ・オブ・ラブ」で知ったのですが、しばらく虜になってました。グラスを両手で包んで、体温で立ち上る香りを楽しむのが最高。昔のカッコつけた感じの映像で、大きな丸いブランデーグラスを男性がクルクルしてるアレの意味がやっと分かった。飲むアロマテラピー。

【ビール】
 あれ?『スタウト』だけ?
 黒ビールっすね。原材料の麦芽を炒って、色と香りと甘さを出します。
 ビールには製造法によって、意外に種類があるんですよ。『ピルスナー』『エール』『IPE』『ラガー』『ヴァイツェン(ヴァイス)』ちょっと思い出しただけでズラズラ出てくる。結構カッコよくいける気がするんだけどな。白ビール激ラヴ派は寂しい。

【ワイン】
 最大の謎。登場した名前に統一感がなさすぎる。
 『キャンティ』イタリアのキャンティ地方で作られた。というだけが条件の名前。
 『シェリー』すいませんシードルと混同してました。スペイン産の、よく分からない手間暇を掛けてアルコール度を上げたワインの一種。複雑すぎて作り方の理解ができなかった。アルコール度は日本酒原酒くらい、ワインとしては確かに高い。ちなみに飲んだことない。
 『リースリング』リースリングという白ブドウから作られるワインの総称。ピオーネ/カベルネ・ソーヴィニヨン/メルローなんかと同じ。圧倒的にライン川沿いで作られるドイツの甘口の白ワインが多いけど、この品種が育つならどの国で作られてもどんな味でも、この名前が付くんです。フランスのアルザスにもリースリングあります。原材料の名前ですよ?ウイスキーさん達と同レベルで変でない?
 ※ドイツの白ワイン愛好家なので、ここはもうめっちゃ語りたい。語りたいが最小限にしておく。品質等級Q.b.A〜シュペートレーゼが好き。アウスレーゼ以上は甘すぎて、あれハンガリーの貴腐ワイン・トカイと同じカテゴリーのスイーツだろ。発泡ワインのゼクトも甘くて美味い。何故日本では簡単に手に入らないか。

【リキュール】
 『ベルモット』か――なりの間、ベルガモット(ジャスミン)と混同してました土下座。白ワインにニガヨモギetc.の生ハーブと砂糖を漬け込んでるらしい。日本では、完成した日本酒に苦いものと砂糖を入れて熟成させる‥‥という発想がないので、ちょっと想像するのが難しい。が、“マティーニ、ウォッシュで”を利用していた私には、文句を言う資格がない。
 ※普通のマティーニはベルモットとジンをシェイクするが、カクテルグラスの表面をベルモットで濡らしてジンを注いだだけの、凶悪な度数のカクテル。「同じのを2つ」と注文して奢れば隣に座ってきた鬱陶しい男が酔い潰れるのが分かってた。そしてタクシーにぶち込んで撃退してた。昔の過ちですスイマセン。
 『キュラソー』ホワイトリカーに、オレンジの皮を漬け込んだもの。砂糖も入れるので、まるっきり梅酒のオレンジ皮版。(オレンジでなくレモン、砂糖でなくシロップを使うとイタリアの食前酒リモンチェッロになる。これはシロップで口当たりが良くなるのでそのまま飲める。それでも度数としてはクソ強いけど)。色付けしなければ透明なホワイトキュラソー。カラフルなのはカラメルや食用色素を使っているそうだ、くっそ夢がない、『純黒』で泣いた私の感傷を返せ。

【地酒】
 それこそ『芋焼酎』という幹部が居ないのが不思議になるレベルが『コルン』。ドイツで、穀物から酒を造って、蒸留しました。終了。規制は原料にジャガイモは使っちゃいけないことくらい。
 そういえば日本でも、ジャガイモ焼酎にはメジャー銘柄がないよな。私の地元では細々作ってます。

【カクテル】
 ワイン・ウイスキー以上に意味不明なのがカクテル系。『キール』、あんただあんた。なんであんただけカクテル名だ。カクテルを許したら、名前の候補は無限になっちゃうじゃないか。
 キール自体は白ワインにカシスリキュールをちょい入れたシンプルなやつです。素材と、バーテンがどこまで混ぜるか(巧いバーテンだと下から深紅〜透明の綺麗なグラデーションになる)、色々ありますが、まあカクテルの中では超簡単な部類です。
 こんなんがなんで単独でCIAで日本のアナウンサーやってて最近全く出てこないのか。そして他にカクテルのコードネームが出てこないのが謎。連載初期の迷走を感じます。
 あ、白ワインをシャンパンに変えた『キール・ロワイヤル』には助けられてるので、キール自体に恨みはないですよ。めっっったにないが、セレブに混ざんなきゃいけないヤバい逃げたい場所では、色無地に西陣帯と汕頭の羽織で武装した上、炭酸で勝手に綺麗にグラデーションを作ってくれるキール・ロワイヤルを片手に持っていれば何とかなる。キモノこと民族衣装の礼装+華麗な色合いのフルートグラス、マジ感謝。

 『アガサ』――博士が黒幕だろうとさんざ疑われた原因。ラム+オレンジジュース+ビターズを、ちょいややこい手段で混ぜる。私は飲んだことがない、というかメニューで見かけたことがない。めっっっちゃマイナーと思われる。
 てか、この説が出てきたのは初期に『キール』が登場しちゃった弊害じゃないか。カクテルの名前は使わないと決めてれば、こんな事にはならなかったろうよ。もちろん、サラリと終わらせる為に黒幕博士を想定していたいた可能性はあるが、ここまで大物の酒の名前が次々に出てきちゃった今となっては、「そら無理あるで工藤」としか言いようがない。

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 総評:酒好きじゃない人、もしくは飲めない人が『黒の組織』の幹部のネーミングしてる。
 わざとなら、「あの方」を表すコードネームが『山田錦』とか『純米大吟醸』でも驚かない。

 酒好きだと絶対にこんな感じ↑↑に思い入れがダダ漏れる。それがないということは、「コードネームが酒の名前である」というルールを機械的に守ってるだけじゃん、と、逆説的に分かっちゃうんだわ。
(小声で言うけど、そもそもが金田一少年に対抗して始まった企画作品だしな)

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 呑み助の道とは、かくも長く深い旅なのですよ。そういえば、私も最近新しい酒に出会いました。東京の南部、鎌田周辺で流行り出しているという「バイスサワー」。
 バイは梅、スは酢らしいんですが、梅酢では絶対にない。強いて言うなら梅シロップに塩気のある赤紫蘇エキスを加えたやつを割ったサワー。色は素晴らしく綺麗なピンク色、味は昔懐かしい梅系の駄菓子。
 気を付けるべきは、この組み合わせ、塩と砂糖が両方入ってるので、焼酎の経口補水液割に近いのです。「うまっ」とガブ飲みしてしまうと一気に回ります。危なかった‥‥
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