15日の水曜、定時で会社を上がり、イオンシネマ座間で、
「銃 2020」。
これは、2018年に武正晴が監督、奥山和由がプロデューサーを務めて映画化した中村文則の小説「銃」を、再びその3人で再構築した映画。
主演は、2018年の「銃」にも出演した日南響子で、村上虹郎やリリー・フランキーなど、前作出演者も多く顔を出している。
深夜、不審な男に後をつけられた東子は、薄暗い雑居ビルに逃げ込んだ。水が流しっぱなしになっているトイレを訝しんだ東子が中を覗くと、血に染まった洗面台の中に一丁の拳銃が沈んでいた。その怪しい輝きに魅せられた東子は、思わずその拳銃を取り上げ、持ち帰ってしまう。
数日後、東子は、自分を毛嫌いする一方で亡き弟を溺愛し続けている母の瑞穂を精神科に見舞った後、再び雑居ビルへ向かうが、そこで不審な男に捕まり、あの拳銃が死んだ女の持ち物である事を知らされる。
つまり、東子は誰かを撃っても死んだ女のせいに出来る拳銃を持っていると言う事だ……
“銃”とは暴力であり、誰かを消してしまうことで世界を変える事も出来る……これは、そんな力に取り憑かれた人間を描く物語。
2018年の「銃」は、銃に取り憑かれた男を描いた――銃とは男根の代替物でもあり、それは男にとって自身の力を拡大する事にもなるのだけど、本作で銃を手にするのは女。よって、銃は彼女を救う“男”の代替物になる。
そんな180度視点を変えた物語を、前作でも主人公にヤリ棄てられるだけの女の役ながら存在感を見せた日南響子が、その見事な身体性でもって形としている。
また、これは奥山プロデューサーの力でもあるのだろうが、キャストは豪華。中でも佐藤浩市が、何ともいかがわしい狂気すら思わせる役を演じているのが印象的だ。
物語は、東子の過去、そして未だに彼女を嫌い、罵り続ける母と、東子を抑圧するものを生々しく描く。
ただ、そんな女たちを解放する暴力としての銃を提示しながらも、それが解放に繋がらない物語には物足りなさも覚えてしまった。
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