土曜は、午前中にかかりつけのクリニックに行き、その後、散髪。帰宅後に水槽の水替え。
昼食後、ブルク13で映画を2本。
1本目は、
「ドクター・ドリトル」。
これは、動物と話ができる医師、ドリトル先生を描く、ヒュー・ロフティングの世界的ベストセラーを原案に、ロバート・ダウニーJr.が製作総指揮・主演を務めて映画化したアクションアドベンチャー。
監督は「シリアナ」のスティーブン・ギャガン。
動物と話すことができるドリトル先生。名医として知られ、女王より下賜された邸宅で動物たちと暮らしていた。
だが、妻で冒険家のリリーを海で亡くしてからは、世間から距離を取り、誰とも会う事無く、ひっそりと暮らしていた。
ある日、女王が重い病に倒れたと知らされ、その死と共に邸宅が召し上げられる事を知ったドリトル先生は、唯一の治療法を求めて、伝説の島へ向かう冒険の旅に出発する。
だが、女王の病は国をも揺るがす陰謀によるものだった……
この映画、物語としては小説第二作目「ドリトル先生航海記」をベースとしているように思うのだが、物語は奇想天外な小説世界に比べるといささか人間臭い、と言うか人間社会における陰謀や、ドリトルの過去を描くものとなっている――まぁ、元の物語は児童文学と言う事で、かなりぶっ飛んだ話だけに、現代の映画とするにはやむを得ない改変か、とは思うのだけど、ちょっと勿体ないような気も……冒頭、ドリトルの過去を描くパートはアニメになっており、これが妙に出来がいいので、この感じでオリジナルの物語世界を描いてもいいのでは?、と思うのだが……
もっとも、現代風にアレンジされたとは言え、物語は子供向け。女王暗殺の陰謀にしても、その動機などもおざなりだし、描写も甘口で、大人が観賞するにはちょっと物足りなく感じるかも……
ただ、製作総指揮を務めたロバート・ダウニーJr.の人徳だろうか?キャストは異様に豪華。女王には「ワイルド・ローズ」で注目されるジェシー・バックリー。ドリトルに縁のある海賊王がアントニオ・バンデラス。頼れる相棒のオウムにエマ・トンプソン。助手の犬がトム・ホランド(そう言えば、昨日観た「エジソンズ・ゲーム」でもエジソンの助手役でした)。臆病なゴリラがラミ・マレックで、アヒルがオクタヴィア・スペンサー、トラがレイフ・ファインズ、キリンがセレーナ・ゴメス、キツネがマリオン・コティヤール……と、欧米の主役級俳優がズラリと言う状態。
これは字幕版で観ないと勿体ないかも……
2本目は、
「デンジャー・クロース」。
これは、ベトナム戦争に参戦したオーストラリア軍の伝説の激戦“ロングタンの戦い”を再現する戦争映画。
「デンジャー・クロース」とは、砲兵による前線歩兵に対する危険を伴う至近距離の火力支援の意味。
1966年8月18日未明、ベトナム。ヌイダット地区に布陣したオーストラリア軍司令部に、北ベトナム軍の迫撃砲弾が降り注いだ。
司令部の位置を把握された事を危惧した司令部は、北ベトナム軍が迫撃砲陣地を布いたゴム園を制圧すべく、ハリー・スミス少佐率いるD中隊を送り出す。第10、11、12の3小隊に分かれてゴム園を進むうち、第11小隊が北ベトナム軍部隊と遭遇。優勢な北ベトナム軍と交戦を続けるうち、第11小隊は弾薬を使い果たしてしまい、ハリー・スミス少佐は要請に応じて第11小隊が布陣する座標への砲兵の砲撃を命令する。
司令部からは即時撤退を命令されたスミス少佐だが、第11小隊の生存者を救出して帰投する、と返答。
だが、今度はD中隊そのものが大隊規模の敵部隊に包囲されてしまい……
これはあまり知られていないオーストラリアのベトナム戦争参戦を描く映画。
最近の戦争映画としては珍しく、戦争の背景や、敵方の様子などを全く描かず、戦場以外の描写は皆無。最初っから最後までベトナムの戦場と言うものになっている。
ロングタンの戦いと言うのは寡聞ながら聞いた事がなかったが……伝説の激戦、とは言うものの、数万の軍勢が激突したテトの戦いのようなものではなく、オーストラリア軍108名、対峙した北ベトナム軍約2000名。戦闘自体も数時間で決着のついた小規模なもので、小規模の遭遇戦が多かったベトナム戦争では典型的なちょっとした小競り合い、と言うのが実情で、これでは当事者であるオーストラリア以外では知られていなくとも仕方ない。
映画は、その数時間の戦闘の中に、後方の高官と前線指揮官との齟齬と葛藤、部下との衝突、戦場での男同士の友情などを盛り込み、戦争映画としてドラマを盛り上げるのだが……これはさすがに過剰演出ではないか?
実際には、オーストラリア軍の戦死者28名、北ベトナム側245名。軍事的には、部隊の20%を喪失したら全滅判定――日本軍の場合、本当に全滅するまで戦ってしまうので感覚が狂うのだが――で、後退するのが常識だから、108名のD中隊が「全滅した」と言うのは判るが、映画の描写では28名所ではなく、もっと死んでいるように見える……まぁ、実際には戦闘が数時間で終わってしまったので、戦傷者の多くを救出出来た、と言うのが戦死者の少ない理由ではあるのだろうけど。
この映画に思うのは、何故、オーストラリア軍がそこにいたのか、と言うこと。
映画にも描かれるように、オーストラリアは同盟義務による出兵なので、目的意識が低く、投入された兵士の練度も低く、平均年齢が20そこそこだったと言う兵士は、戦う理由さえ覚束なかったはず。でも、それでも戦場に出れば犠牲は避けられない。
これは、我が国も同じなのだ。この映画で描かれる事が、戦争の出来る国になろうとし、集団的自衛権の元に戦場に出て行く事になる日本の若者にも起き得る、と言うこと。
それが気味悪くもあるし、華々しい勝利ではなく、戦死者を悼むこの映画が、現在作られた意味を考えさせられる。
映画の後、「燦鶏」でテンカラ定食。
唐揚げ14個、と言う事でボリューム凄そうだけど、ここのは主に胸肉を使い、しかも皮を剥いているのであっさり……むしろ、それが物足りなく思えるくらい。
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