土曜は、午後、ブルク13で映画を2本。
その前に、ちょいと腹ごしらえ、と言うことで、桜木町駅高架下のスープストックでカレーセット。
……これで¥1100か……ドリンク付だけど、ちょっと判断に迷う値段だなぁ……
「アドリフト 41日間の漂流」。
これは、実話を基に「エベレスト 3D」のバルタザール・コルマウクル監督が映画化したサバイバル・ドラマ。
1983年、タヒチで婚約したばかりのタミーとリチャードは、知人のヨットをサンディエゴまで回航する事を請け負って海に出た。だが、航海の途中、大嵐に遭遇して、ヨットは転覆。その後、何とか姿勢は回復したが、マストは折れ、舵は動かず、リチャードは何処かへ流されてしまった。
数日後、タミーは波間に漂うリチャードを発見し、救助するも、彼は大怪我を負い瀕死の状態だった。タミーは帆桁をマスト代わりに小さな帆を張り、海流に乗って、ハワイを目指す事にするのだが……
この映画は、嵐の後の大破したヨットの上でひとり絶望するタミーの描写から始まる。
そこから始まる漂流の旅の中で、タミーの回想シーンとしてリチャードとの出会いからこれまでが描かれる、と言う構成。
最初の絶望的な状況から、ヨットを修理し、流されていたリチャードを救い上げ、ハワイに向かう……と言う辺りは、通常の漂流サバイバルより甘口な印象……何しろ、当面の食糧はある、隣には婚約者もいる……しかも、これが実話、と言う事は生還出来る、と言うのは予測出来るのだから。
しかし、終盤に至って、それが実は――となるのが、この映画の衝撃的な所。この辺り、大海原をたった一人で航海した者でなければ判らないものなのかも知れない。
タミーを演じるのは、「ダイバージェント」のシャイリーン・ウッドリー。元々、マリンスポーツは得意そうだが、本作ではサーフィン、水泳、ヨットと何でもござれの状態で、しかも、水着は勿論、下着なしの胸ポチや、全裸でのヨガなど露出をも厭わぬ辺り、ハリウッド女優はやはり根性入っているなぁ、と。
あと、邦題は難あり。サブタイトルに「41日間の漂流」とあっては、あと何日で終わる、と言うのが判ってしまうだけに、考えて欲しかった所だ。
「コリーニ事件」。
これは、ドイツで現役の弁護士として活躍するフェルディナント・フォン・シーラッハのベストセラー小説を映画化した法廷サスペンス。
新米弁護士のカスパー・ライネンは、ある殺人事件の国選弁護人に任命される。だが、被害者のハンス・マイヤーはライネンの育ての親も同然の恩人だった。弁護を辞退しようとしたライネンだが、重大事件であり、かつての恩師に焚き付けられた事もあって弁護を引き受ける事にする。
容疑者のコリーニは、事件について一切口を閉ざしているが、ライネンは事件を深く調べていくうち、ハンス・マイヤーの思わぬ過去に直面する事になる……
これは、ドイツならではのナチス・ドイツ時代の負の遺産に向き合うドラマだが、ユダヤ人が登場せず、主人公がトルコ系、と言う異色の組み合わせだ。
確かに、ホロコーストはナチスの大きな人道的犯罪だが、ナチスの支配下ではそれ以外にも様々な問題が起きていたのだ。それを取り上げた着眼点はよく、それが原作小説をベストセラーにした要因のひとつだったようにも思う。
映画は、その過去の謎解きを中心に、主人公の過去を描くのだが……この主人公の過去が、ドラマとして活かされていないように感じられるのが惜しい。むしろ、映画の印象をぼやかしてしまったようにも思い、この辺り、工夫が欲しかった所だ。
法的劇だが、ディベートの面白さはあまりなく、最後の決着も不完全燃焼の感が強い。
確かに、映画で取り上げた問題は、現実には解決された訳ではない、と言う辺りが、物語をこんな形にしたのだろうし、それもまたドイツ人の生真面目さ、と言う所だろうか。
ナチスの犯した様々な過去の人道的犯罪に対し、真摯に向き合って来たかのように見えるドイツにしても、このような法律を作り、当事者らが逃げ切りを図った、と言う事実は、「過去に向き合う」事の難しさを示しているように思えた。
映画の後、夜は軽く済まそう、と思って桜木町駅の立ち食い、「川村屋」に寄るもカンバンで……仕方ないので、横浜まで戻って東北定食。
ログインしてコメントを確認・投稿する