mixiユーザー(id:6789130)

2020年04月30日03:37

105 view

動画配信新作→オウチ名画座2本立て。

29日、これがまた最後の最後に、この状況下で心にグサリと刺さる作品に出会ったしまった。
まず、行定勲監督が先月からYouTubeで公開しているショートムービー、「きょうのできごと a day in the home」。
コロナによる自粛でオンライン飲み会をしている5人の男を、実際に各人をリモート撮影でマルチスクリーンで見せる。
最初はそれぞれ好きな映画の話等でグダグダと進行し、これで40分はちと辛いかと思っていたら、好きな女の話になってから“ドラマ”が進行し始め、有村架純の登場によって、一気に映画的盛り上がりを見せる!
文字通り、今だから撮れる、つか、こうしか撮れない。現場を持てないなんて日和っている場合ではない!
https://natalie.mu/music/news/376872?fbclid=IwAR0iRafhpi7X_YxUAPZZYjKV00yZAgPGSgfTz7dJfOuWDRhQdrp6eZUBP2g

次、「ヘンリー五世」(45)。
ローレンス・オリビエ主役にして、監督デビュー作。
シェイクスピアの「ヘンリー五世」が初演された1600年のグローブ座から幕を開ける。客が次第に集まり、語り手が幕前に登場し、英仏戦争をこの狭い舞台に再現出来ますでしょうか、と前説。
幕開きから舞台上で芝居は進行し、幕間には楽屋にもカメラが入り、衣装替え等も見せ、舞台上のトチリも見せて笑いをとる。雨が降り出すと、吹き抜けのグローブ座にも雨が降り注ぎ、舞台上も雨の設定に。
話がフランスに移ると、舞台は姿を消し、書割りバックにスタジオでの芝居となり、それまで聞こえていた観客のどよめきや笑い声は消える。
そして、アジャンクールの戦いで屋外ロケ、騎馬と歩兵の壮大な合戦を現出!
シェイクスピアの特色として、偉人と同列で市井の民をも登場させ重要な役割を担わせる。庶民による、戦いに対する本音も語られれば、国王は合戦前夜、身分を隠して兵士のテントを回り、その言葉に耳を傾ける。
有事の際のリーダーの責務として、始めから国民の信頼を得ている事が前提となり、そうして、彼らの気持ちを汲みながら非常事態に邁進して行く。
創られたのが、ロンドンがナチスの空襲に晒されている時で、戦意高揚の意味合いはあるにしても、ラストは敵方のフランス王女に求婚しての大団円。古典から何を学ぶかは人それぞれではあるが。

大作の後は軽い作品をと、「明日は咲こう花咲こう」(65)。
吉永小百合、三田明デュエットのヒット曲をフューチャーした歌謡映画ではあるが、原作・由起しげ子(「ヒマワリさん」)、脚本・宮内富貴子、山田信夫となると、芯のある文芸作の予感も。
それが予想以上に心に突き刺さってしまったのだ!!
山奥の迷信と偏見に満ちた村に赴任した保健婦と、頑迷な村人達との対立。
政治家と役人達は、村の為と称しながら私腹を肥やすことを第一に考えている。そんな村に赤痢が発生! しかし、為政者は村の評判を優先し、中央の保健所への連絡を拒み、村の子供達が次々と感染し命の危険に晒されて行く中、赤痢ではなく大腸カタルにしろと保健婦と村医を恫喝し、村全滅の危機に向かって突き進んで行く…。
これ、赤痢を新型コロナ、山村を日本国に置き換えれば、まんま現在進行形の物語になるではないか!!
いや、途中まで、いくら1965年の話にしてもチト設定が古過ぎると思って見ていたが、何の事はない、今の日本は55年前の山村と何ら変わらない様相を呈しているではないか!
しかし、ここでの救いは、最後には非を認め善に立ち返った政治家や役人が明るい笑顔で、次の任地に向かう保健婦を見送り、彼女はこの村出身という設定の歌手、三田明とデュエットしながら村を去って行くハッピーエンド。
https://www.bing.com/videos/search?q=%e6%98%8e%e6%97%a5%e3%81%af%e5%92%b2%e3%81%93%e3%81%86%e8%8a%b1%e5%92%b2%e3%81%93%e3%81%86&&view=detail&mid=4496E8FA9465992A37E74496E8FA9465992A37E7&&FORM=VRDGAR&ru=%2Fvideos%2Fsearch%3Fq%3D%25e6%2598%258e%25e6%2597%25a5%25e3%2581%25af%25e5%2592%25b2%25e3%2581%2593%25e3%2581%2586%25e8%258a%25b1%25e5%2592%25b2%25e3%2581%2593%25e3%2581%2586%26FORM%3DHDRSC3

そう、今からでも遅くはない、この国の為政者が非を認め善に立ち返れば、この苦難から国民を救い導く道は開けて来る可能性はある!! 映画から学ぼう!
映画で歴史は変えられないが、映画で未来は変えられる(by 大林宣彦)。

と、深夜に映画の持つ力を再確認し、一人興奮している不肖の弟子。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する