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2020年03月09日05:45

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愛知県で暮らして嫁いで

預貯金といえばお金に細かい愛知の方かなと思うのですが、愛知は10位(1777万円)とイメージほどではありません。だが、実は愛知、預貯金は多いのですが、昔から全部を金融機関には預けず、現金で持っている地域なのです。伊勢湾台風で多くの家屋が床上浸水になったとき、一万円札がプカプカ浮いていたのは有名な話です。

一昔前まではカメ貯金や壺貯金が主流だったのですが、最近はダンボール貯金が多く、引っ越しの時、おばあちゃんが、血相変えてダンボールを捜すことも少なくないと言います。この隠れ貯金分を加えると、愛知は実質一位ではないかと囁かれているのです。ちなみに私は名古屋笠寺、春日井、豊橋、安城、稲沢、大府、千種と出張ばかりしていました。

一昔前、愛知県は現金主義と言うか、カードを使えるところがあまりないので苦労しました。そういえば事務員の女性にお昼をご馳走する時カードで支払いをしたら「かっこいい!!」と言われたのを今でも覚えています(笑)名古屋といえばカネに細かいです。三女が名古屋の方に嫁いだので肌で感じます。

名古屋の人の気質を表わすのに有名な話がある。「東京と大阪と名古屋の男が、食事をして席を立つとき、東京の男はいかにみんなの分をカッコよく払おうか思って席を立ち、大阪の人はいかにワリカンにもっていこうかと思って立ち、名古屋の男はどうお礼を言おうかと思って席を立つ」というもので、名古屋の人の金銭感覚がよく表れているのです。

工場の火災保険料はもったいないといって、みんなで夜見回りし、浮いた保険料で工場を建てたとか、家も土地、目一杯に建てるのが常識です。また、株式投資をやらないのは買った会社がつぶれるかもしれないと思っているからだし、競馬だって損をしないように本命から穴まで手広く買います。

名古屋の企業は借金が嫌いなのは、借金するとあとあとまで言われるからだとか、名古屋の金に関する話は次から次へと出てきます。私は名古屋笠寺と春日井に住んでいたのでよくわかります。名古屋では「一安二量三味」といわれます。これは、とにかく名古屋では安いことがイチバン、それから量が多いこと、味はその次だという意味です。

また東京は高くていいもの、大阪は安くていいもの、名古屋は悪くても安いものが売れるともいわれています。名古屋の人にとっていいお土産とは安い、大きい、重いなのです。実際、味がわからない客が多くて、嘆いている料飲店の経営者も少なくない。そこまでお客がカネに細かいから、名古屋はなんでもかんでも回数券制なのです。

ビジネスでも、「トリプルネギりの名古屋」といわれ、商談の時ネギり、請求書が来た時にネギり、さらに支払いの時までネギるところだ、納品の時にもネギるから「四回ネギりの名古屋」とも言う。名古屋の卸はメーカーに対して「今度○○が部長になりゃあしたもんで…」といってご祝儀をねだるのも伝統なのです。

名古屋の味と言えば、味噌煮込みうどんや味噌カツ。あんかけスパゲティも人気です。名古屋は喫茶店のモーニングも有名です。喫茶店は全国で25万2000店ありますが、愛知の喫茶店は2万714店、東京に2万799店に次いで多い。実に333人に1店あって、人口当たりではもちろん全国一です。

競争が激しいため、サービスも凄い。だいたい名古屋はモーニングサービスではなく、朝コーヒーを頼むと、自動的にトーストや卵やサラダが付いてきます。つまりオマケです。店によっては、朝から茶碗蒸しやミニうどんが付いてくるところもあります。朝以外でも、ピーナッツやプチケーキが付いてきます。

家族で喫茶店に行き、そこから学校や会社に行く人も少なくないと言います。喫茶店のメニューでは、トーストにあんこをのせた小倉トーストが定番です。名古屋では、あんかけやあんこなど「和」が好まれます。また、名古屋では夕刊を取る人が少ないです。これはオマケのチラシが入っていないからなのです。

名古屋の人がせっせと貯める理由は、「娘三人もつと家がつぶれる」といわれるように、嫁入り道具にお金がかかることです。それと「家を持てせん男は一人前ではにゃあ」地域だけに、マイホーム取得が人生の目標になっているのです。名古屋がお金に細かくなったのは、尾張藩が勤倹貯蓄を奨励したことでしょう。

徳川御三家だったため、明治時代、政府から冷遇されたことで、実利的な性格が形成されたのです。お金に細かいから文化がない。映画も文芸ものはウケないといわれています。考えてみれば、文化はムダから生まれるから、ムダを排除してきた名古屋には文化が育つ土壌がなかったのです。

もうひとつ、名古屋の特徴は「名古屋モンロー主義」といわれる排他性です。名古屋は大都市だが土着の地域です。名古屋では、未だに「清州越え」という言葉が使われています。これは名古屋土着の人が、織田信長と一緒に後から来た人々を呼ぶ言葉なのです。よそものに対して冷たいから、東京や大阪の企業は商売しにくい。

名古屋で一流といわれるためには、いかに名古屋に根をおろしているかが決め手です。だから、転勤者は、他の地域より長くいなければならない。夏の名古屋は蒸し暑い。海沿いの街なのに暑いのは、コンビナートのスモッグが海風を妨げているからです。これはあくまでも個人的な思いなのですべての方には当てはまりません。

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