誰もいないびわ湖ホール

びわ湖ホールに行ってきました。

今日から全ての公演が中止になったというのに、なぜ？・・・びわ湖リングのここまでの少なくとも全てを、僕の中に思い出としてしまっておくために。

予めホールに電話をして、ライブラリが開いていることは確認。このホール、自主制作のオペラをDVDにしていて、それをライブラリで視聴できるんですよ。ぐすたふくん、最初の「ラインの黄金」を見ることができなくって、とても悔しい思いをしたのだけれど、今日の気持ちをなだめるために、ここに来て、そのDVDを見ることにした次第。

感想は・・・凄い、の一言。映像の美しさ、そして何より、沼尻さん指揮する京響の、鬼気せまらんばかりの圧倒的サウンド。DVDでありながら、その存在感に圧倒される。

これが完結しないなんて・・

僕1人だけのロビー、受付にDVDとヘッドホンを返しながら、「これからどうなるんですか？　本当に本当に、なかったことになってしまうんですか？」と問うてみる。事務局の女性は、申し訳なさげに微笑みながら「私たちも本当に残念で・・今の話では、再演はない、ということのようです」と。

霧雨しぐれる琵琶湖畔は、ことのほか寒かったけれど、時が経てばまた雨は止み、日がさして、春が来るだろう。ブリュンヒルデの自己犠牲によって世界が救われる物語は、この世界が尊いみなの献身によって救われた時にこそ相応しかろう。

びわ湖リングにつどいし同志のみなさん、それまでしばしのお別れを！