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2024年04月28日06:52

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さすがは「尾高・大フィルのブルックナー」・・・・兵庫芸文「未完の交響曲」

期待したとおりの音が鳴ることの快感、と言っていいのかも。

兵庫(西宮) 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
大阪フィルハーモニー交響楽団「未完の交響曲(シンフォニー)」
尾高忠明指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター チェ・ムンス)
シューベルト:交響曲 第7番 ロ短調 「未完成」
ブルックナー:交響曲 第9番 ニ短調〈コールス校訂版〉

ブル9における、フォルティッシモのカタストロフがなんといっても一番。普段、このホールで聴くPACオケの2倍とは言わないまでも1.5倍の音量ではないかと思いました。この大音響で聴く、1楽章コーダの「黙示録」的サウンドの陶酔、3楽章中間部最後、吉田秀和に「絶望とすれすれ」と言わしめたカッサンドラ的不協和音の雷撃、などなど、これまで聴いたどのブル9よりも強烈だったかもしれないです。

でも、これぞ「尾高・大フィル」の音、と思いましたね。これを聴きに来たんだと。

そして、その濃厚なサウンドが、3楽章最後、暖かな暖かな、まるで真綿のような響きとなって観客をくるむときの陶酔感も格別。今日のこの部分のブラスの響きのすばらしさは特筆すべき。

ただ、細かなささくれが所々にあって、それが気になってしまうぐすたふくんは嫌味な聴き手なのかなあ。そういうところの丁寧な仕上げがあればもっと感銘が深かったかも。

尾高さんのテンションは尋常でなく、前回(2021年2月:https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978402740&owner_id=28135846)を上回る。前回と比べると、ずいぶんと「人間臭さ」を感じたように思ったが、それは「尾高・大フィル」が「個性」を発揮するようになった証左なのかもしれないですね。

そう振り返ってみると、前半の未完成もすっと流したように見えて、丁寧に作り込まれていたといってもいいかもしれない。過剰な表現から距離を置いたような二楽章の美しさを、素直に今、噛み締めています。
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