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2020年02月15日21:27

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ここまでもってくるとは・・・慶応ワグネル2020年国内演奏旅行 京都公演

アマチュアとは思えない、という言葉は逆に彼らに失礼になるのかもしれない。

京都 京都コンサートホール大ホール
慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ2020年国内演奏旅行 京都公演
with京都大学交響楽団
大河内雅彦指揮 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ
<第1部 合同演奏>
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第一幕への前奏曲
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲『展覧会の絵』より「プロムナード」「リモージュの市場」「キエフの大門」
<第2部 ワグネル単独演奏>
ウェーバー:『魔弾の射手』序曲
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
マーラー(クック編):交響曲第10番 嬰へ長調

マーラーの10番が聴ける、とあってチケットを求めた演奏会。泣く子も黙る関東学生オケの雄、ワグネルとあってかなりの期待をもって参加したが、期待をさらに上回る演奏。

全体を通して言えば、不満らしい不満を覚えたところは、マイスターがやや平板で面白みに欠けた、というくらい(合同演奏ゆえでしょう)。最初から最後まで、技術的には舌を巻くくらいの水準。「キエフの大門」で聞かせるブラスセクションの、余裕綽々で憎らしいばかりの恰幅のいい響きといい、スペイン奇想曲の終曲でストリングセクションが聞かせる、腹に堪えんばかりのマッシブ・サウンドといい、まあ見事というほかはない。

なによりも、メインプログラムのマーラー10番の終楽章の見事さが白眉。

フルートソロのすばらしさは言うまでもなく、1楽章冒頭の回帰が終わってから最後までの音楽の歩みの感動的なこと! アマチュアだとか、プロだとかそんなものはもうどうでもよくって、ただただマーラーの万感の想いを歌い上げる「オーケストラ」と「指揮者」がそこにいる。そしてぐすたふくんは日常の憂いを何もかも忘れ、胸熱く涙する聴衆の一人としてそこにいることができた幸せをかみしめていました。

死を受け入れた男の遥かなる彼岸の音楽、そこからずっとずっと遠いところにいるはずの若い彼らは、どんな思いでこの曲を弾いていたのだろう。14型4管フル編成100人を超える若人の奏でる音楽の中、そこには「普遍なるもの」があって、それが僕の胸に沁みる。彼らは長い時間をかけて、そんな高みにまで登ってきたんだ。なんという尊い営みだろう!

生涯二回目の機会、もしかしたら、もう二度とないかもしれない機会、迷うことなくここにいることを選んだ自分の幸運と、この曲を選曲してくれたワグネルに感謝。




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