青山繁晴「日中の興亡2020」

本書は2008に刊行されたものに加筆された。流石に古い情報もあるが（中共の海軍力など）
南シナ海の動向は予測した通り、中共の実効支配が広がっている。
2008年当時の焦点といえば、東シナ海のガス田とチベット蜂起。時が経ち、どちらも
中共がコントロールしているように見える。其れより以前、侮っていた相手だがどうも
本格的に覇権を握ろうと行動し、実現しつつあるのではないか。今はまだ沖縄を
切り取られるなど妄想と切り捨てられるが、更に10年経過するとどうなっているか
分からない、と思えてくる。
本書の内容に、憲法９条に言及した箇所がある。現状では自衛隊は十分に活動できず、
張り子の虎である。私はそこまで酷いとは思っていなかったが、有事法制が適用される
ケースならいざ知らず、グレーゾーンでは指を咥えて眺めているしかないという。
大都市や原発を狙ったテロに対して軍事行動ができないのは、大変な問題。矢張り
改正すべきなのだ。ワニブックスPLUS新書。