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2020年01月27日07:45

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2020年 1月26日(日) 宮本亜門ストラスブールの「パルジファル」で成功

本日宮本亜門演出の「パルジファル」の新演出初日をラン国立歌劇場(ストラスブール)で迎えたが、聴衆の反応は非常に良く、自分のことのように胸をなでおろした。
指揮はマルコ・レトーニャ、主な配役アムフォルタス マルクス・マルクアルト、ティテュレル コンスタンティン・ゴルニー、グルネマンツ Ante Jerkunica、パルジファル トーマス・ブロンデル、クリングゾル サイモン・ベイリー、クンドリー クリスティアンヌ・ストーティン。
照明が暗くなると拍手無しに演奏が始まった。幕が上がると幅がそれほど広くないこの劇場の舞台の80%位を使い、現代の極ありふれた部屋が現れた。右手にはベッド、左手に窓がある。そこに若い女性が現れ、着物を脱ぎ全裸になってベッドに横たわる。そこに少年が入ってきて全裸の彼女を見やるのでひっぱたかれ、彼は退散する。そして窓の外に負傷兵らしき男が見え、彼はナイフを取り出し自分の腹を刺す。これは本当に「パルジファル」なのかと疑いたくなる。少しの間があり少年と女(姉であろうか)は連れ立って出かける。
第1幕。彼らの出かけた先は展覧会であった。その少年が子供のパルジファル。彼らが最初の部屋に入るとそこは「ダーウィンの進化論」を説明する部屋。類人猿からネアンデルタール人に進化する様が等身大の人形で説明されている。女性が裸の現代人に近い人形と抱き合って写真を撮っている。そんな展覧会会場でどういう訳か「パルジファル」のドラマが展開していくのだ。当然「パルジファル」の物語にはパルジファルが出てくるのだが、服装持ち物は同じ。したがって2人は現代の服装だ。少年の方は警備員や監視員のおばさんにしばしば追われるが、聖杯の国の人々には彼らは気づいていないようだ。一方聖杯の国の人々はラファエロの絵画に出てくるような服装。クリングゾルはハイテクを利用している。クリングゾルがパルジファルを殺そうとすると少年のパルジファルが盾となって死んでしまう。この死をどのように処理するかも重要だ。そしてもう一人忘れてはならないのが「ダーウィンの進化論」のところで展示されているチンパンジーだ。彼がいろいろやる。
まあ最後にうまくまとめてはいる(詳しい話は後程まとめる予定。)のだが、この演出が観客に認められるか冷や汗の連続であった。歌手ではやはりブロンデルが素晴らしく、またグルネマンツを歌った歌手は常に声量豊か、ストーティンも悪くなかった。オーケストラもかなり素晴らしく、演奏の方は問題なかった。
第1幕、第2幕と拍手があり、終了時のカーテン・コールも盛大だった。そして宮本亜門とクリエイティブ・チームの登場。彼らにも大きな拍手があった。ここでやっと安堵した。
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