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2019年12月31日11:49

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【映画】2019年度 日本映画ベストテン

2019年度 日本映画ベストテン

1.ハッピーアワー
2.親密さ
3.よこがお
4.アンダー・ユア・ベッド
5.都市投影劇画 ホライズンブルー Horizon Blue
6.マチネの終わりに
7.小さな恋のうた
8.愛がなんだ
9.楽園
10.男はつらいよ お帰り 寅さん
 
 
1位と2位は、共に濱口竜介監督の旧作(『ハッピーアワー』は2015年、『親密さ』は2012年)だが、私は今年初めて見たし、この2本を超える衝撃は無かったので、昨年の『寝ても覚めても』に続き、またもや濱口竜介監督作がトップを獲得することになった。映画の革命とも言えるほど大胆な実験作でありながら、しっかりと「面白い映画」になっていることに驚かされる。

『よこがお』は、『淵に立つ』以上の身近さで人間心理の恐さを描いた、深田晃司らしい作品。筒井真理子が映画史に残るほどの名演。

『アンダー・ユア・ベッド』は、『人間椅子』のようなキモくてエロいストーカー話のはずが、最後にこれ以上ないほどピュアなラヴストーリーへと着地する、驚愕の傑作。これは騙されたと思ってぜひ見て欲しい。

『都市投影劇画 ホライズンブルー Horizon Blue』は、あの名作『少女椿』の霧生館の新作で、何と1995年から20年以上の歳月をかけて作られてきた恐るべき作品。そのため撮影メディアとしてフィルムやビデオやデジタルが入り混ざるカオス状態。子どもの虐待をモチーフにしながらも、それにもとどまらず日本の戦後史やさまざまな社会的プレッシャーに喘ぐ人間の姿を描き出した怪作。「アングラ版『この世界の片隅に』」という形容は言い得て妙。

『マチネの終わりに』は、通俗的なラヴスートリーが、繊細でコントロールの効いた演出によって美術品のように美しい輝きを放っている。

『小さな恋のうた』は、ベタになることを恐れず、青春の葛藤を正面から瑞々しく描いた作品。本作も『マチネの終わりに』も、音楽の力が映画の魅力を倍増させている。

今泉力哉の『愛がなんだ』は、グダグダした共依存状態の恋愛関係を描いた作品だが、そのグタグダさが妙にリアルで、実はこういうカップルって意外と多いんだろうなと思えてくる。

『楽園』は、最近絶好調な瀬々敬久の力作。田舎の閉鎖的な共同体に押し潰されていく人間の姿を生々しく描き、人間の罪と罰を問う、いかにも瀬々らしい作品。

『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、死と喪失の匂いに満ちた、シリーズの50作目にしておそらくは最終作。タイトルは『お帰り 寅さん』だが、実際には「寅さんの不在」をこれでもかと突きつけてくる。それが逆に「寅さんとは何者だったのか」を考えさせてくれる、ファンムービーのように見せかけた「メタ『男はつらいよ』」。


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