mixiユーザー(id:330483)

2019年12月31日11:45

89 view

【映画】2019年度 外国映画ベストテン

2019年度 外国映画ベストテン

1.サタンタンゴ
2.存在のない子どもたち
3.バーニング 劇場版
4.運び屋
5.ドクター・スリープ
6.アベンジャーズ/エンドゲーム
7.家族を想うとき
8.アクアマン
9.ヒックとドラゴン 聖地への冒険
10.サスペリア
 
 
1位の『サタンタンゴ』はタル・ベーラ監督が1994年に発表した伝説的な作品。何と7時間18分の大作で、2回の休憩を入れると上映時間はほぼ8時間になる。それでいてカット数は150。しかもモノクロ。さすがに眠くなるところも多いのだが、これが他では絶対に味わうことができない、とてつもない映画体験で、時間の観念や意識のあり方が変容し、劇場を出た後も見慣れた世界がどこか違ったものに見えてくる。そもそも映画とは何なのか?カメラとは何をどのように写し、カットとはどのようなところで割られるべきなのか?といったことも果てしなく考えさせられ、「映画の再発見」という言葉にふさわしい。やはりこれだけとてつもない代物はトップ以外に置けない。

『存在のない子どもたち』はレバノンの貧しい子どもたちの姿を描いた衝撃的な作品。「レバノン版『万引き家族』」と言いたくなるが、その悲惨さは『万引き家族』の比ではない。演出などの技法は憎たらしいほど上手く、それが逆にリアリティを損ねている部分も無いではないが、主役の男の子はシリア難民として過酷な生活を送ってきたそうで、その演技を超えた存在感が有無を言わせぬ力を持っている。

『バーニング 劇場版』は、村上春樹の短篇をイ・チャンドンが見事に膨らませた傑作。ストーリーやテーマもさることながら、全ての映像が悪魔的な官能に満ちている。

『運び屋』はクリント・イーストウッドのおそらく最後になるであろう監督・主演作だが、それに恥じぬ見事な出来。私は『グラン・トリノ』よりも本作の方が好きだ。

『ドクター・スリープ』は、映画『シャイニング』の続編だが、無理にキューブリックに寄せるようなことはせず、原作者スティーヴン・キングのカラーを完璧に映画化したことで大成功。原作版『シャイニング』の要素をそこで復活させてくるか!という驚き。『ジョジョの奇妙な冒険』との類似性も興味深い。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』は10年にわたるマーベル映画の集大成。20本以上の作品で広げまくった風呂敷を、これだけ見事に畳んだ例は他に思いつかない。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は爪の垢でも煎じて飲んで欲しい。

『家族を想うとき』は、利便性の高い社会の陰で過酷な労働にあえぐ人々の姿を描いた、ケン・ローチの新作。『わたしは、ダニエル・ブレイク』も素晴らしい作品だったが、本作もそれに劣らぬ出来で、とりわけあのラストは心に焼きついて離れない。

『アクアマン』は、DC映画にしては珍しい豪放磊落なエンタテインメント。海の世界を舞台にした映像スペクタクルが新鮮で、『海のトリトン』実写版といった趣も。純粋な娯楽映画としては今年のナンバーワン。

『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』は傑作アニメシリーズの完結編。1作目がベストではあるが、これほど全体にクオリティが高く、感動的な形で完結したアニメ三部作も珍しい。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は爪の垢でも煎じて飲んで欲しい。

10位に何を入れようか悩んだが、映像が脳裏に焼きついて離れないということで『サスペリア』を選んだ。最初に見た時は駄作だと思ったのだが、それだけでは済まされない何かを感じ、再見したところ評価が逆転。いわゆるホラーの枠は外れているし、いびつな作品であることに変わりはないのだが、冷戦時代のベルリンを舞台にした寒々しい映像と悲哀に満ちたムードは忘れがたいものがある。

2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年12月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

最近の日記

もっと見る