ナンテン(南天)

センリョウ・マンリョウと紅い実の付く植物に触れてきましたが、もう一つ紅い実ナンテン（南天）をご紹介します。音が「難転」即ち「難を転ずる」に通ずることから、縁起の良い木とされてきました。鬼門または裏鬼門に植えると良いなどと言はれてゐます。

福寿草と一緒に活けて「災い転じて福となす」と正月の縁起物とします。江戸期には「南天を庭に植えれば火災を避けられる」と言はれ、「火除け」として玄関前に植えてゐました。一方、トイレの前に「南天手水」と称し、葉で手を清めるためにも植えてあったさうです。

このところ雨が少なく、ウチの南天の実に皺が寄ってゐます。ナンテンはほっておくといくらでも茂ります。10月に思い切って剪定したので今年の実つきはもう一つですが、冬の庭にそれなりに赤い実が映えて目立ちます。いま鵯（ひよ）がひとつ摘まんでゆきました。