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2019年12月16日23:27

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都響第894回B定期@サントリーホール

今年のマーラー・ツィクルス(ということに偶然なった)最後は首席客演指揮者アラン・タケシ・
ギルバート氏指揮の都響により第6番「悲劇的」を本日聴きました

マーラーの6番は巨人や5番、どうかすると連続して演奏される一千人などよりナマで耳にする
機会は少なく、ワタシも2年半前のヤルヴィ/N響による公演が最近のものです
そのときはやたら感激しまくって、この曲について日記にさんざん書きましたので、今日はまぁ
ギルバート氏の指揮振りなど二言三言

ライトアップされたツリーの飾られたカラヤン広場を通ってホールに入りますと、完売という
わりには空席もありまして、さすがに1階は満席ですが、ワタシの隣の常連さんは今日は
どうされたのか、急な残業・出張などあったのでしょうか、最後までお見えになりませんでした
もちろんステージ上はぎっしりで、ソロコンサートマスターは矢部さん、四方さんが副主席で、
他の弦楽パートも首席級が二人ずつ並ぶ贅沢なキャストです
ワタシの4列前、すなわち貴賓席にあたるところですが、沼尻さんの姿もありました

19時7分にマエストロが登場、いつもの人懐っこい笑みを浮かべ、すぐに演奏に入る
チェロとコントラバスが4拍子を刻み、ヴィオラ、ヴァイオリンの順に加わると、まぁその音の
良いこと、都響で聴くマーラーは至福の喜びであります

マエストロの左手は雄弁で、オケにAusdruckを伝えると、その通りの音が出てきます
これはそういうリハーサルを重ね、マエストロの要求が充分理解されているからで、
これら一連の行動が演奏というものなのですね
即興性というようなものはありませんが、聴いているこちら側はあたかも今目の前で
出来上がったものを提示されている感じですから、それはワクワクします

マーラーの用意したとりどりの楽器によるとりどりの音楽を、次から次へと鮮やかに繰り広
げるマエストロの手腕をまざまざと見せられました

なお、本日はヤルヴィ/N響と違って緩徐楽章を第2楽章として、スケルツォを第3楽章とする
順番でした(マーラーの初演も迷った末にこの順で行われた)
ヤルヴィ氏の指揮で聴いたときにはそれで納得し、本日初演版で聴くとそれにも納得できる
まぁワタシも節操のないことでありますが、作曲者自身が迷ったくらいですから、その両方
ともそれぞれ説得力があります

それほどまでにコラージュのような作風の曲ですから、ソナタ形式すら弁証法的ではない、
2番〜4番に対し、5番〜7番は声楽を廃し純器楽曲として作曲されたと言いますが、歌曲
を思わせるメロディも多用され、歌謡性が廃されているわけではありません(それは巨人
も同じことですね)
ただそれがときに鋭く寸断されていることで、うっとり聴いていると突然ドキリとすることに
なり、本日は評論家風に聴くことなど放棄していますので(先日の巨人の反省がある)
ヤルヴィ氏のときと同じスリルを味わいました

最後に弱音のピツィカートで終わると約10秒の静寂を置いて、その後は嵐となりました

各楽章の大まかなデュレーションは25分、15分、14分、29分でした
マエストロはいつものように各弦楽セクションの首席・副首席と握手をし、コントラバスの
ところまではわざわざ出向いて行きました
また、ステージ後方のPブロックにも振り向いてお辞儀をするところ、実に好漢であります
ギルバート氏によるマーラーツィクルスも期待してしまいますね
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