mixiユーザー(id:1750116)

2019年12月01日16:57

4364 view

逆操舵は意味があるのか?

バイクのテクニック論でよく出てくる「逆操舵」、これは意味があるのでしょうか?
(ここで書いてる逆操舵は、曲がる為のキッカケの逆操舵の事で、修正舵や方向舵やドリフトのカウンターステアの事ではありません)

ライディングスクールでも、逆操舵を使いましょうとか教えていたりするそう。
これ、結論を書くと、「意味がある時はあるけど、スムーズに走れている人は、基本やらなくて良いテクニック」と言えます。

逆操舵は多くの人にとって、無駄な動きになってる場合が多いです。
逆操舵は、あえて無駄に思える操作をして、次の操作を効果的にしている場合があるのですが、それがなくてもバイクはバンクするし、速く曲がる事ができます。

逆操舵をすると、次にイン側にハンドルを切るのに勢いがつきますので、無駄な力が入ってイン側に適切にハンドルを切ったり、適切に荷重をかけられない人にとっては、結果的に有効になります。
曲がる時はインに荷重をかけてハンドルをインに切ってインにバンクさせるのが基本ですが、逆に切ると、その瞬間はハンドル操作の上では逆に曲がる力が働きますが、バイクはそれを遮るようにコーナーの内側に重心が移動します。同時にライダーも内側に荷重をかけてバランスを取る必要がありますが、これは一瞬リーンアウトの荷重のかかり方に似ています。リーンアウトは、バイクをバンクさせてもバランスを取りやすいライディング姿勢です。
相反する力を同時にかけると、バランスをとりやすくなります。低速バランス時、アクセルとブレーキを同時にかけると、バランスをとりやすくなるのと同じです。
これでコーナーリングスピードが速くなるのか?というと、速くならない場合が多いですが、バンクはさせやすくなりますので速くなった気はします。
逆操舵をせずに、普通にインに荷重をかけてインにハンドルを切ればバイクは曲がり始めます。ブレーキでフロント荷重にすれば、更に曲がりやすくなります。こちらのほうが正当なライディングテクニックと言えるでしょう。

正当なテクニックとは言えないのに、なぜみんなが、逆操舵、逆操舵と言うのでしょうか?
それは前述したように、バランスがとりやすくなり、バンクさせやすくなるからです。
バンクが早く深いほうが、速く走れてる気がするのです。これはコーナーの前半に関しては勘違いの事が多いのですけどね。
これが意味がある部分なのですが、やらなくてもバンクさせられるのですが、やるとバランスを取り易くなりバンクさせ易くなるのです。
何らかの理由で曲がりにくい時は、この裏ワザ?逆操舵は効果がある時があります。

では、バンクさせにくい状況は、どんな時でしょう。
代表的なのは、無駄な力が入って、バンクさせるのが怖い時(人)です。
バンクさせるのは、慣性の法則やジャイロ効果で直線等で安定している状態を崩す必要があります。
つまりバンクは、バランスを崩してバランスを取りながらバイクを倒すわけです。
これが難しいので、えいやーって勢いをつけて一瞬ハンドルを逆操舵にしてから順操舵にする事により、一瞬リーンアウトのような荷重状態して、バランスをとりやすくしているのです。ハンドルを適切量内側に切れていない人も、勢いをつけてハンドルを内側に切れるので、曲がりやすくなります。
逆操舵をせずに、バランスを取りながら適切にハンドル操作と荷重とバンクが出来る人にとっては、逆操舵は必要ないテクニックなのです。

コーナーに入る前に、自分でも気づかずにバイクが微妙に逆方向に倒れている時も、バンクさせにくいです。
逆操舵を多用する人は、本当はコーナーの進入で、直立状態か、やや内側に重心がかかっているべきなのに、無意識で逆にかかってしまう事が多く、それを修正する為に、(それと知らずに)逆操舵を使ったら走りやすかったので、継続的に使っている可能性があります。
コーナーの進入では、右足や右手によるブレーキの影響により若干右に荷重がかかっているのです。
おそらく左コーナーの進入のほうが、逆操舵が有効に感じる人が多いのではないかと思います。
マフラーの位置によっても、バイクは元々の左右の荷重が違っていたりします。

ブレーキをかけながらコーナーに入っていくのも、熟練している人以外は、バンクさせるのが難しく感じると思います。
この時も、目に見えないレベルの逆操舵をかける事により、曲がりやすくなる場合があります。
特に無意識に逆に重心がかかってしまっている時は、逆操舵を使うと曲がりやすくなります。
微妙な逆操舵をキッカケにして、重心を修正したり、重心を動かしたりするのです。
一瞬逆操舵にすると、タイヤの向き的には逆に曲がる力が働きますが、荷重という意味では曲がる方向に倒れる力が働きますので、逆にかかった重心を修正するのに有効で、バンクさせやすくなります。
逆操舵をしてる瞬間はブレーキの限界が低くなるので気を付けてください。
フルブレーキと逆操舵は必ず分けて行ったほうが良いです。
逆操舵をした瞬間はフロントロックしやすくなります。
コーナー侵入前の直線で、すごい勢いで突然転ぶ人がいますが、逆操舵が原因の事があります。
基本はブレーキを掛けながら曲がる時は逆操舵を使わないほうが良いです。
逆操舵を使わずにスムーズに曲がれるようになりましょう。

超低速でバランスをとっている時に、自分の行きたい方向にバイクがいかなかった経験が誰しも初級者の頃にあると思います。
その時にバランスを取るために、一瞬大きく逆にハンドルを切った事ありませんか?
あれも同じ逆操舵の理屈です。
逆にハンドルを切ることによって、バランスがとれるし、その後に、行きたい方向にハンドルを切りやすくなるし、バンクさせやすくなるのです。(超低速ではバンクさせなくても良い)
逆操舵は、低速ほどハンドルの動きが大きくなりがちなので、わかりやすいです。
低速ほどブレーキによるフロント荷重をかけにくいので、逆操舵の効果を感じやすいです。
でも、バランス感覚が良い人は、常に重心がどこにあるかを把握しているので、低速でも、あまり無駄にハンドルが動かないので、故意にやってる人以外は、逆操舵を使ってる感覚はないと思います。

白バイはクイックターンで、逆操舵を使っています。
0発進からなので、ブレーキによるフロント荷重を使えないので、勢いをつけてハンドルを切って早くバンクさせる為に使っているのです。バンクさせながらのバランスも取りやすくなります。
こういう使い方なら意味があると言えます。
逆操舵は、ブレーキの荷重移動が使いにくい低速走行ほど効果が高いです。つまり0発進ではない普通のUターンや、交差点の左折小回り時にも効果を感じやすいです。
左折小回り時は、逆操舵を入れると、フロントタイヤは遠回りになるので、若干緩やかなコーナーリングになり、多少曲がりやすくなります。(道交法上のマナー的には、よくない曲がり方ではあります。)

ある程度スピードが出ている状態での目に見える逆操舵は、かっこよくありません。
上手い人は、使ったとしてもミリ単位での逆操舵なので、第三者から目に見えません。
上手い人が目に見える逆操舵をした時は、あれはラインや重心の修正で、失敗した時の走りの事が多いです。
目に見える逆操舵が多い人は、上手い人とは言えません。目に見える派手な逆操舵は、無駄がある上に急な操作で一瞬強い横Gがかかるので、タイヤの限界を超えやすいです。大きな逆操舵を使わずにタイヤを限界まで使ってスムーズにコーナーに入れる人のほうが上手い人です。
ただし、ブレーキがほとんど使えないカーブの進入では、フロント荷重が弱くなるので曲がる力が弱くなります。
この時に曲がる力を補う方法は、ステアリングをしっかり切って早く深くバンクさせて内側に強い荷重をかける事ですから、こういう使い方なら意味がある場合があるので、上手い人も使っています。
また、フロントブレーキを強目に使っていても、コーナーで少しでも早くバンクさせたい状況には、逆操舵は効果あります。(強いブレーキを緩めながら使う必要があります)
ハンドルをこじるように大きく切るのも、フロントタイヤに急な旋回力を生みますので、逆操舵と類似効果があります。(お勧めはしません)

しかし、ほとんどのコーナーリングでは、早くバンクさせる必要はありません。
コーナーリングの前半では、早く深いバンクよりも、フロント荷重によりフロントタイヤのグリップを引き出す事のほうが重要で、そのほうがコーナーリング速度は速くなります。
コーナーの前半での深すぎるバンク角は、フロント荷重が足りない走り方で、迫力はあるけど速くないし転倒しやすいです。
逆操舵を使うと早くバンクできますが、早すぎるバンクはサスペションの動きが不安定になり、前後のタイヤへの荷重が足りなくなったり、荷重がかかりすぎたりの原因になります。
勢い余って、そのままスリップダウンする事もあります。
急激の荷重の変化で急にタイヤが滑った場合は、急激にグリップが回復する場合があります。つまりハイサイドを起こしやすいです。不必要な逆操舵による速すぎるバンクは危険な事があります。

S字コーナーの切り返しや、スラロームでは、速い切り返しが重要になってくるので、この時の逆操舵は効果が高いです。
というか、S字の切り返しやスラロームは、逆操舵と同じ動きにはなっているけれども、何の無駄もないので逆操舵とは言えないですけどね。
逆操舵は、S字やスラロームでの早い切り返しと同じ動きを、他のコーナーでも利用する動きと言えます。
ただし、繰り返しになりますが、普通のコーナーリングでは、ブレーキングによるフロント荷重のほうが重要なので、逆操舵により早くバンクさせる必要はないのです。
バンクは遅くても速すぎても良くなく、状況による適切なタイミングがあります。荷重がしっかり出来ていれば、バンク角は少なくて良いのです。白バイの小道路旋回のような特殊な状況以外、一気にバンクさせる必要はありません。

その他、逆操舵が最も役に立つ場面があります。
それは、見せるドリフト走行です。
見せるドリフト走行は、タイムを縮める走りをする必要がないので、無駄があっても良いのです。
ブレーキで荷重をかけるのに加えて、逆操舵を使う事により、必要以上の旋回性を前輪に与える事により、お尻を出します。
私は4輪でのドリフトは33年前からやっていますので、きっかけに逆操舵はよく使います。
2輪でも理屈は似ていますが、普通は後輪が滑り過ぎて転倒するので、4輪と同じような使い方はしないほうが良いです。

コーナーの入り口やコーナーで、内側のハンドルを逆に押すというテクニックも、逆操舵の一種と言えます。(押し舵とか、プッシングリーンとか呼ばれています)
それ自体は無駄に思える動きですが、逆操舵と同じ理屈でバランスをとりやすくなり、バンクさせやすくなるのです。
なくてもスムーズに曲がれる人には、基本的にやる必要のないテクニックと言えます。
押し舵・プッシンググリーンは特に高速コーナーで有効と言われていますが、高速コーナーでも特に問題なくバランスをとって自在にバンクさせる事が出来る人には必要ありません。
高速コーナーではコーナーリング中でもバイクが安定していて、より深くバンクさせたり、途中でバイクを起こしたり、途中でラインを変えたりするのを難しいと感じる人が多いです。
これは、無駄な力が入ってステアリングが上手く使えていない事と、慣性の法則とジャイロ効果が原因です。
荷重移動とステアリングをうまく使って常にバランスをとっている人は、高速コーナーで、より深くバンクさせたり、途中でバイクを起こしたり、途中でラインを変えたりするのも、いつでも簡単に出来ます。
押し舵・プッシングリーンよりも、ステアリングと荷重移動主導でバランスをとる感覚で運転したほうが良いです。ステアリングと荷重移動主導の走り方は、ほぼすべての場面に有効で、上手い人ほど、常にステアリングと荷重移動で細かくバランスをとったり、きっかけにしています。
高速コーナーでは、ステアリングを切る量は、ごく少なくて良いですが、それでもステアリングを切る事は必要です。運転が上手い人は、高速コーナーでも微妙なステアリング操作と左右前後上下の荷重移動で、バランスを取ったりラインを変えたりしています。

逆操舵の意味について、ご理解いただけたでしょうか?
初心者・初級者の方は、まずは、逆操舵に頼らない走りを身につけるのを目指すのが良いと思います。
逆操舵は、重心がずれている時の修正テクニックとしての利用と、バンクさせてのUターン時での利用、ブレーキがあまり使えないコーナーでの利用ぐらいが良いです。
コーナーの入り口で、ブレーキによるフロント荷重と、重心をやや内側にもっていけて、適切にハンドルを内側に切れる人にとっては、基本的に逆操舵は必要ありません。

コーナーリング時は無意識にでも必ず逆操舵を使っているという説がありますが、それは絶対嘘と断言します。
セルフステアという乗り方の場合は、バンクさせた瞬間はステアリングはバンクの方向と僅かに一瞬逆に動き、その後バンクの方向に動きますが、セルフステアより自分の意思でハンドルを切ったほうが速いしバランスを取り易いので、その逆操舵の動きは無視して妨げて良いです。
また、荷重の掛け方やハンドルを切るタイミングにより逆操舵の力が発生しない乗り方があります。逆操舵の力を発生させない走り方は、逆操舵が必要なく無駄がなく速いので、基本はそれを目指したほうが良いです。


バイクは後輪で乗る(リアステア)というのは本当か?
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970652932&owner_id=1750116
7 13

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年12月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

最近の日記

もっと見る