ノット音楽監督の指揮でマーラーの7番、カップリングはベルクの管弦楽のための3つの小品
というプログラムです（ベルクは初聴かと思ったら2006年4月に都響で聴いていました）
オーケストラの定期にマーラーが登場するのは珍しくはないのですが、7番はあまり採り上げ
られないようで、ワタシも都響で2007年と2013年に続いて久しぶりです
過去のスケジュール表をとっておいてないので、それ以前は不明ですが、都響のアーカイヴ
によれば1996年にも演奏されているので、多分それも聴いていると思います
思えば1996年は父の亡くなった年、2013年は母の亡くなった年ですから、何かの因縁でしょうか
久しぶりなので事前に手持ちのCDからベルティーニ/ケルン放送響による演奏をスコアを
見ながら鑑賞しましたが、途中何度か見失ってしまいました
なにしろ大編成の曲ですから一目で見渡せない、その上テンポが目まぐるしく変わるため、
うかうかしているとどこを演奏しているのかわからなくなります
指揮者というのは大変な仕事ですね
本日は16型の対向配置による演奏で、ティンパニは二組用意されているし、打楽器群も
所せまし状態、それをマエストロ・ノットはいとも鮮やかに、決して交通整理ではなく、いつも
ながらの優美な指揮でコントロールしていきます
ベルクの予備拍を振るところから既に音楽は始まっています
ベルクというと無調ながら叙情的というのがワタシの抱いているイメージですが、本日の
曲はもっとシニカルで、グロテスクなところもある、金管は咆哮し二組のティンパニも割れん
ばかりの音響で、どこか表現主義的な音楽でした
お目当てのマーラー7番は、19小節目の木管がイギリス童謡のthree blind miceに似た
メロディを奏でるところがビックリするくらい遅いテンポで、ベルティーニ氏と全然違います
家に帰ってからスコアで確認するとドイツ語で「etwas weniger langsam, aber immer sehr
gemessen」と書かれていました
浅学にしてドイツ語は殆どわからないのでWorld Lingoのお世話になって英訳してみると
「somewhat less slowly, but always very measured」という意味のようです
less slowlyですからイタリア語でいうところのピウ・モッソでしょう、むしろ速くすべきなのです
が、マエストロ・ノットは敢えてこの指示に逆らっています
それだけ考え抜いて、細やかな表情付けをしているというところでしょうか、その他の部分も
とても丁寧な仕事をしている感じです
残念ながらワタシ、数日前から喉が痛く、本日も家を出る直前までベッドの中という状態で
体調は芳しくない、ハンカチを口に押し当てて咳き込むのをがまんするというコンディション
でしたので、折角のノット氏によるマーラー7番を充分楽しんだとは言えません
第4楽章の夜の音楽�兇聾造蠅覆�美しく、終楽章でカウベルや鐘の音が鳴り響く大詰めも、
体調が良ければもっと血が湧いたのですが、まことに心残りでした
聴衆は熱狂していたのですけれどね
これから年末にかけて、讀響で3番、再び東響で1番、さらに都響で6番とマーラーが続き
ますので、なんとか体調を戻してマーラー三昧といきたいものです
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