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2019年09月28日17:30

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DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか? 2008 昭和堂 崎谷 満

http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=5160461&id=986037
p.73
 第二の証拠として、もし弥生時代に渡来系弥生人(Y染色体亜型ではO2b系統)が一挙に日本列島へ大挙してやってきて先住民を圧倒し駆逐してしまったのでは、現在においても九州や本州に多く残る縄文系由来のD2系統ヒト集団の存在が説明できないものと思われる。
p.89
これに対して、アイヌ語の言語学的特徴はまったく異なり、以下のようになる:包含語、提示部言語、非対格言語、動詞に人称辞が表示される、動詞に単数複数の区別がある(自動詞は主語と、他動詞は目的語と一致)、名詞に人称辞が表示される、不分離所有形をもつ、一人称複数に包括・除外の区別がある。これら類型論的差異からも、アイヌ語は日本語・琉球語とは別系統であることが推定される。また世界的にみてもアイヌ語は孤立言語である(Vovin 1993)。
p.95
一般に残留地帯(residual zone)あるいはモザイク地帯(mozaic zone: Renfrew 2002)では言語頻度が高く、拡散地帯(spread zone)では言語頻度が低い。
p.105
この江別文化の南下は、畿内に基盤を置く律令国家との衝突を招くことになった。これが古代における東北のエミシと律令国家との戦争という形で歴史書に記載されることになった事態である(関口二〇〇三)。
p.108
 なおアイヌ民族の生業として狩猟、採集や漁撈だけが注目されるが、実際には雑穀農耕もかなり行われている(田村二〇〇四)。アワ、ヒエ、キビなどによるアイヌ雑穀農耕は、ユーラシア北部に展開する北方系雑穀農耕に由来する可能性があり(阪本一九八八)、本州を経て流入したルート以外に、別系統のサハリン経由のルートも想定される。
p.138
 成人T細胞白血病ウィルスキャリアがみられる地域は先住系集団が存続している可能性が高いと判断できるようなので、今後それらの地域におけるDNA多型分析が施行されることで、日本列島の歴史についての再理解が深まるものと思われる。その中にあって、西九州の古代性については再度評価されることになるであろう。



■「みんなでアイヌになろう」講演会に抗議 「ヘイトだ」
(朝日新聞デジタル - 09月21日 09:49)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5797007

 保守系団体がアイヌ民族をテーマにして21日に札幌市白石区民センターで予定している講演会について、市民団体が「ヘイトスピーチに当たる」として、札幌市や白石区に会場使用承認の取り消しを求めていることが20日、分かった。白石区は「条例上の不承認や取り消しには該当しない」として、予定どおり使用を認めることにしている。


 「あなたもなれる? みんなで“アイヌ”になろう?」と題した講演会で、主催は日本会議北海道本部。「科学的アイヌ先住民族否定論」と題して医師の的場光昭さんが、「これまでのアイヌ政策、これからの『アイヌ新法』」と題して元道議の小野寺秀さんが講演する。


 これに対し、道内を拠点にヘイトスピーチに反対する活動をしている市民団体「クラックノース」が「題目が差別扇動性に満ちている」などとして12日、施設使用制限を求める要望書を白石区や札幌市などに提出した。要望書では「アイヌ独自の民族としての一体性を否定し、誰でも“アイヌ”というものになれるのだと、民族的アイデンティティーを剝奪(はくだつ)したヘイトスピーチだ」などとして、施設の使用承認を取り消すことなどを求めている。ネット上で集めた約2100人分の署名も添えて提出した。


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