mixiユーザー(id:411965)

2019年07月22日01:06

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「天気の子」映画

『天気の子』
<ストーリー>
  離島から雨の降りしきる東京に家出してきた高校一年生の少年穂高は怪しげなライターに拾われて彼の元に身を寄せる。そんな穂高が出あった少女の陽菜には雨を止ませる能力があった・・・
<コメント>
 家出してきた少年と弟と二人で暮さざるを得ない少女がであって大都会の片隅で肩を寄せ合って生きていく・・・なんぞという、まるで昭和の青春物語は実は一番苦手で興味のないジャンルだし、設定だけ聞いたらいまさらと言う物語ではある。ところが、そこに「しかし少女には祈りで雨を止ませる能力がある」「ネットでそれを使って二人は商売を始める」となったらいきなり令和っぽくなるから不思議だ。
 『君の名は。』のような彗星の墜落といった派手な出来事ではなく「雨が降り続く東京」という結構地味なイベントの中で二人の心がやがて触れ合っていくところはごく普通の恋愛物語としても良く出来ている。そして新海誠お得意のフォークロアを利用しての二人の成り上がりとそれへのしっぺ返しによる運命の変転のあたりから物語が加速していくのが実に心地よい。
 本来ならラスト近くのクライマックスに訪れるはずの悲劇をなんと中盤に据えて後半は『君の名は。』同様に主人公の少年がなんとか「取り戻そう」とするクライマックスの疾走感は実にアニメとして見せるし、さらに『君の名は。』以前の新海誠にはなかったユーモラスなシーンも実に効果的に機能している。実はこれが映画的にもっとも大事なポイントで緊張を生みための緩和としてのユーモラスなシーンがあるからこそ、物語は盛り上がることが出来るのだ。
 そしてクライマックスの二人の選択には仰天したけれども、実はかなり納得してしまった。「皆のために犠牲になる」などという昭和悲劇を見事に振り切ってしまって「世界なんて知ったこっちゃあない」と言い切る姿勢こそが「どこにである昭和の物語」から平成を越えて令和の物語となっているのだ。

天気の子
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